○広島大学における研究費等の不正使用の防止等に関する規則
(平成19年10月15日規則第167号)
改正
平成20年3月31日規則第103号
平成21年3月31日規則第102号
平成22年3月31日規則第51号
平成24年3月30日規則第85号
平成25年3月29日規則第40号
平成26年7月14日規則第62号
平成26年9月22日規則第88号
平成27年1月27日規則第2号
平成27年9月29日規則第119号
平成28年3月31日規則第60号
令和元年5月1日規則第120号
令和3年1月26日規則第5号
令和3年7月28日規則第90号
広島大学における研究費等の不正使用の防止等に関する規則
(趣旨)
第1条 この規則は,広島大学学則(平成16年4月1日規則第1号)第18条の規定に基づき,広島大学(以下「本学」という。)における研究費等の不正使用の防止及び不正使用があった場合の措置に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規則において「役職員等」とは,本学の役員及び職員,本学の施設・設備を利用して教育研究等に携わる者及び本学の学生(研究生その他本学において修学する者を含む。)をいう。
2 この規則において「研究費等」とは,本学が管理するすべての経費をいう。
3 この規則において「不正使用」とは,故意若しくは重大な過失により本来の用途以外の用途に研究費等を使用し,虚偽の請求に基づき研究費等を支出し,又は法令等に違反して研究費等を支出することをいう。
4 この規則において「部局等」とは,広島大学における研究活動に係る不正行為の防止及び対応に関する規則(平成27年4月28日規則第98号。以下「研究活動規則」という。)第2条第3号に規定する部局等をいう。
5 この規則において「コンプライアンス教育」とは,研究費等を使用する役職員等に研究費等の使用ルール,研究費等の使用に伴う責任及び不正使用に該当する行為等を理解させ,もって不正使用を未然に防止することを目的として,第4条第1項に規定する統括管理責任者又は第5条第1項に規定するコンプライアンス推進責任者が実施する教育をいう。
6 この規則において「啓発活動」とは,役職員等に第3条第2項に規定する研究費等不正使用防止計画,内部監査の結果,実際に発生した不正事案(他機関の事案を含む。)及び不正発生要因等に関する検討と認識を共有し,不正使用の防止に向けた意識の向上と浸透を図ることを目的として,第4条第1項に規定する統括管理責任者又は第5条第1項に規定するコンプライアンス推進責任者が実施する活動をいう。
(最高管理責任者)
第3条 本学に,研究費等の運営及び管理並びに不正使用の防止等に関し最終責任を負う者として最高管理責任者を置き,学長をもって充てる。
2 最高管理責任者は,本学における不正使用を防止するための基本方針及び計画として研究費等不正使用防止計画を策定及び周知するとともに,次条第1項に規定する統括管理責任者及び第5条第1項に規定するコンプライアンス推進責任者と連携し,研究費等の適正な運営及び管理並びに不正使用の防止等に必要な措置を講じなければならない。
3 最高管理責任者は,第1項の責務を遂行するに当たり,必要に応じて,統括管理責任者に指示を与えるものとする。
4 最高管理責任者は,第2項の研究費等不正使用防止計画の策定に当たっては,役員会の議を経るものとする。
5 最高管理責任者は,統括管理責任者及びコンプライアンス推進責任者が責任を持って研究費等の運営及び管理並びに不正使用の防止等が行えるよう適切にリーダーシップを発揮しなければならない。
(統括管理責任者)
第4条 本学に,最高管理責任者を補佐し,本学における研究費等の運営及び管理並びに不正使用の防止に関し本学全体を統括する実質的な権限及び責任を有する者として統括管理責任者を置き,理事(財務・総務担当)をもって充てる。
2 統括管理責任者は,研究費等不正使用防止計画に基づき,本学全体における不正使用を防止するための具体的な対策を実施し,実施状況を最高管理責任者に報告しなければならない。
3 統括管理責任者は,役職員等が不正使用を行った場合は,関係理事と連携して厳正に対処するものとする。
4 統括管理責任者は,第1項の責務を遂行するに当たり,必要に応じて次条第1項に規定するコンプライアンス推進責任者に,次に掲げる事項の実施を指示するものとする。
(1) 部局等における不正使用を防止するための対策を実施し,実施状況を統括管理責任者に報告すること。
(2) 部局等の役職員等に対し,コンプライアンス教育を実施し,受講状況を確認し,必要に応じて改善を指導すること。
(3) 部局等の役職員等に対し,定期的に啓発活動を実施すること。
(4) 部局等において,役職員等が研究費等を適正に使用しているか等の状況を確認し,必要に応じて改善を指導すること。
5 統括管理責任者は,コンプライアンス教育及び啓発活動を計画的かつ継続的に実施するものとする。
(コンプライアンス推進責任者)
第5条 部局等に,当該部局等における研究費等の運営及び管理並びに不正使用の防止に関し実質的な権限及び責任を有する者としてコンプライアンス推進責任者を置き,研究活動規則第8条第1項に規定する研究倫理教育責任者をもって充てる。
2 コンプライアンス推進責任者は,当該部局等における研究費等の適正な運営及び管理並びに不正使用防止の実効性を確保するため,コンプライアンス推進副責任者を置くことができる。
(役職員等の責務)
第6条 役職員等は,研究費等を適正に使用及び管理しなければならない。
2 研究費等を使用する役職員等は,研究費等の使用に当たっての確認書(別記様式)を最高管理責任者に提出しなければならない。
3 役職員等は,この規則及び配属又は所属する部局等(施設・設備を利用して教育研究等に携わる者にあっては当該施設・設備を設置する部局等)のコンプライアンス推進責任者の指導に従わなければならない。
4 研究費等を使用する役職員等は,コンプライアンス推進責任者が実施するコンプライアンス教育を受けなければならない。
5 役職員等は,第9条第6項に規定する検証及び第10条第4項に規定する調査への協力要請があった場合は,これに協力しなければならない。
(通報の要件)
第7条 本学において不正使用があることを疑うに足りる事実を知った者は,最高管理責任者に対し,当該不正使用に関する通報を行うことができる。
(通報窓口)
第8条 不正使用に関する通報を受け付けるため,監査室及び本学が委任した学外の法律事務所に通報窓口を置く。
(通報の方法)
第9条 通報の方法は,電話,電子メール,FAX,書面又は面会とする。
2 通報は,原則として氏名を明らかにして行い,不正使用を行ったとする役職員等(以下「被通報者」という。)の氏名及び配属又は所属並びに不正使用の態様,内容及び不正とする合理的な理由を明示するものとする。
3 通報窓口以外に不正使用に関する通報があった場合は,当該通報を受けた者は,直ちにその旨を通報窓口に通知する。
4 通報窓口は,不正使用に関する通報又は前項に規定する通知を受け付けたときは,直ちに統括管理責任者に報告する。
5 統括管理責任者は,前項に規定する報告を受けたときは,第2項に規定する通報の要件の具備を確認の上,直ちに当該通報の内容を最高管理責任者に報告する。
6 統括管理責任者は,第4項に規定する報告を受けたときは,当該通報に関係する資料等の検証を行い,速やかに検証内容を最高管理責任者に報告する。
(調査)
第10条 最高管理責任者は,前条第6項に規定する報告を受けた場合で当該通報が合理性を有する内容のものであると認めるときは,前条第4項に規定する通報又は通知を受け付けた日から起算して30日以内に,調査を行うかどうかを決定するものとする。
2 最高管理責任者は,前項に規定する決定をしたときは,その結果及び当該通報の内容を,直ちに研究費等配分機関(不正が行われた研究費等を本学に配分した機関をいう。以下同じ)の長に報告するものとする。
3 最高管理責任者は,調査の実施に際しては,調査方針,調査対象及び方法その他必要な事項について研究費等配分機関の長に報告し,協議するものとする。
4 統括管理責任者は,調査を行うことが決定されたときは,速やかに研究費等不正使用調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置し,当該調査を行うものとする。
5 統括管理責任者は,調査を行うことが決定されたときは,その旨を次に掲げる者に書面により通知するものとする。
(1) 通報者
(2) 被通報者
(3) 被通報者の配属又は所属する部局等の長(被通報者が現に役職員等でない場合は当該被通報者が通報に係る教育研究等を行った際に配属又は所属していた部局等の長,被通報者が現に部局等の長である場合は当該部局等の役職員等のうちから統括管理責任者が指名する者。次条及び第16条において同じ。)
(4) 被通報者の所属する機関の長(被通報者に本学以外の主たる所属機関がある場合に限る。第16条において同じ。)
6 統括管理責任者は,調査を行わないことが決定されたときは,理由を付してその旨を通報者に書面により通知するものとする。
(調査委員会)
第11条 調査委員会は,次に掲げる委員で組織する。
(1) 統括管理責任者
(2) 被通報者の配属又は所属する部局等の長
(3) 被通報者の配属又は所属する部局等の職員若干人
(4) 被通報者の配属又は所属する部局等以外の職員若干人
(5) 弁護士その他学外の有識者のうちから統括管理責任者が指名する者若干人
(6) その他統括管理責任者が必要と認めた者
2 前項第3号から第6号までの委員は,統括管理責任者が委嘱する。
3 第1項第3号及び第4号の委員の委嘱は,当該部局等の長の推薦に基づくものとする。
4 通報者又は被通報者と利害関係を有する者は,委員になることはできない。
5 本学と利害関係を有する者は,第1項第5号の委員になることはできない。
6 調査委員会に委員長を置き,統括管理責任者をもって充てる。
第12条 調査は,通報に係る教育研究等に関する資料及び研究費等の検証並びに通報者,被通報者その他の関係者の証言の聴取により行うこととする。
(調査中における一時的執行停止)
第13条 調査委員会は,必要に応じて,被通報者に対し,次条に規定する認定がなされるまでの期間,研究費等の一部又は全部の使用停止を命ずることができる。
(調査委員会による認定)
第14条 調査委員会は,不正使用に該当するかどうかについての認定を行うものとする。
2 調査委員会は,調査の過程で不正使用の事実が一部でも確認された場合は,速やかに当該部分が不正使用に該当する旨の認定を行うものとする。この場合において,引き続き残りの部分の調査を行うものとする。
3 前2項の認定に関しては,次に掲げる事項を明らかにするものとする。
(1) 不正使用の内容
(2) 不正使用に関与した者及びその関与の度合い
(3) 不正使用が行われた研究費等
(4) 不正使用が行われた相当額
4 調査委員会は,認定を行うに当たっては,被通報者に書面又は口頭による弁明の機会を与えなければならない。
5 調査委員会は,認定内容を基に,再発防止計画を策定するものとする。
(認定内容の報告)
第15条 統括管理責任者は,調査委員会が認定を行ったときは,当該認定の内容を速やかに最高管理責任者に報告するものとする。
(認定内容の通知)
第16条 最高管理責任者は,前条に規定する報告を受けたときは,認定の内容を次に掲げる者に書面により通知するものとする。
(1) 通報者
(2) 被通報者(被通報者以外で不正使用に関与したものと認定された者を含む。以下同じ。)
(3) 被通報者の配属又は所属する部局等の長
(4) 被通報者の所属する機関の長
(5) 研究費等配分機関の長
(不服申立て)
第17条 通報者及び被通報者は,認定の内容に不服があるときは,前条第1項に規定する通知の日の翌日から起算して14日以内に最高管理責任者に不服申立てができるものとする。
(不服審査委員会)
第18条 最高管理責任者は,前条の不服申立てを受理したときは,速やかに不服審査委員会を設置するとともに,その旨を通報者及び被通報者に書面により通知するものとする。
2 不服審査委員会は,最高管理責任者が指名した者若干人で組織する。
3 不服審査委員会は,速やかに調査委員会の認定の内容,関係資料を審査するとともに,必要に応じて関係者に対する事情聴取を行い,再調査の必要性について審査し,その結果を最高管理責任者に報告するものとする。
(再調査)
第19条 最高管理責任者は,前条第3項に規定する報告により,再調査の必要があると認めたときは,速やかに調査委員会に対し再調査を命ずるとともに,その旨を第16条各号に掲げる者に書面により通知するものとする。
2 再調査については,第12条から第16条までの規定を準用する。
3 通報者及び被通報者は,再調査の結果に対して異議を申し立てることはできない。
(研究費等配分機関への報告)
第20条 最高管理責任者は,第10条第1項の規定により調査を行ったときは,第9条第4項に規定する通報又は通知を受け付けた日から起算して210日以内に,次に掲げる事項を記載した当該調査の最終報告書を作成し,研究費等配分機関の長に提出するものとする。
(1) 調査の結果
(2) 不正使用が発生した要因
(3) 不正使用に関与した者が関わる他の研究費等における管理・監査体制の状況
(4) 再発防止計画
(5) その他最高管理責任者が必要と認める事項
2 前項の規定にかかわらず,最高管理責任者は,同項の期限内に調査が終了しない場合は,同項に規定する最終報告書の内容に準じた調査の中間報告を研究費等配分機関の長に提出するものとする。この場合において,調査が終了したときは,速やかに最終報告書を研究費等配分機関の長に提出するものとする。
3 最高管理責任者は,調査が終了する前に,研究費等配分機関から要請があった場合は,調査の進捗状況及びその時点における中間報告を研究費等配分機関の長に報告するものとする。
(研究費等配分機関による調査への協力)
第21条 本学は,研究費等配分機関から不正使用に係る資料の提出又は閲覧,現地調査その他研究費等配分機関による調査への協力を求められたときは,これに応じるものとする。ただし,調査委員会による調査に支障がある場合その他正当な理由がある場合は,この限りでない。
(通報者等の保護)
第22条 本学は,役職員等が通報をしたことを理由として,当該役職員等に対して,降格,減給,解雇その他不利益な取扱いを行ってはならない。当該役職員等が退職した後も同様とする。
2 本学は,通報者及び被通報者並びに調査に対する協力その他の不正使用に関して正当な対応をした者に対し,そのことを理由として,その者の職場環境等が悪化することのないように適切な措置を講じなければならない。
3 最高管理責任者は,最高管理責任者,統括管理責任者,調査委員会の委員,不服審査委員会の委員,通報窓口及び通報を受けた者以外の者が,通報者を特定できないように配慮しなければならない。
4 本学は,役職員等が通報をしたことを理由として,当該役職員等に対して,不利益な取扱い,嫌がらせ等を行った者に対し,本学の規則等により,懲戒処分等を行うことができる。
(通報の乱用禁止)
第23条 虚偽の通報,他人を誹謗中傷する通報その他の不正の目的の通報は,行ってはならない。
2 最高管理責任者は,不正の目的で通報を行った者に対し,当該通報者の氏名の公表,処分等必要な措置を講ずることがある。
(守秘義務)
第24条 通報窓口の職員,通報を受けた者,調査委員会の委員,不服審査委員会の委員その他の通報の処理に関する業務に携わる者は,不正使用に関して知り得た情報を他に漏らしてはならない。
(公表)
第25条 最高管理責任者は,不正使用に該当する旨の認定をした場合は,次に掲げる事項を公表するものとする。
(1) 不正使用に関与した者の氏名及び配属又は所属
(2) 不正使用の内容
(3) 本学が行った措置の内容
(4) 調査委員会の委員の氏名及び配属又は所属
(5) 調査の方法及び手順
(6) その他最高管理責任者が必要と認めた事項
2 前項の規定にかかわらず,不正使用に関与した者の氏名及び配属又は所属その他公表しない合理的な理由があると認められる事項がある場合は,当該事項を公表しないことができる。
第26条 最高管理責任者は,不正使用に該当しない旨の認定をした場合は,原則として,通報に係る公表は行わない。ただし,認定前に当該通報の内容が学内(通報の処理に関する業務に携わる者を除く。)又は学外に漏えいしていた場合は,不正使用に該当しない旨及びその他の必要な事項を公表するものとする。
(不正使用等に対する措置)
第27条 最高管理責任者は,不正使用に該当する旨の認定をした場合で,不正使用に関与した者の処分又は教育研究等の環境の改善を行うことが必要であると認めたときは,必要な措置を講ずるものとする。
(研究費等の不正使用の防止に関する業務)
第28条 研究費等の不正使用の防止に関する業務については,研究活動規則第9条第1項に規定する広島大学研究不正防止対策推進室において行う。
(雑則)
第29条 この規則に定めるもののほか,研究費等の不正使用の防止及び不正使用があった場合の措置に関し必要な事項は,最高管理責任者が定める。
附 則
この規則は,平成19年10月15日から施行する。
附 則(平成20年3月31日規則第103号)
この規則は,平成20年4月1日から施行する。
附 則(平成21年3月31日規則第102号)
この規則は,平成21年4月1日から施行する。
附 則(平成22年3月31日規則第51号)
この規則は,平成22年4月1日から施行する。
附 則(平成24年3月30日規則第85号)
この規則は,平成24年4月1日から施行する。
附 則(平成25年3月29日規則第40号)
この規則は,平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成26年7月14日規則第62号)
この規則は,平成26年7月14日から施行し,この規則による改正後の広島大学における研究費等の不正使用の防止等に関する規則の規定は,平成26年6月1日から適用する。
附 則(平成26年9月22日規則第88号)
1 この規則は,平成26年9月22日から施行する。
2 広島大学研究費等不正使用防止計画推進室細則(平成19年10月15日理事(財務担当)決裁)は,廃止する。
附 則(平成27年1月27日規則第2号)
この規則は,平成27年1月27日から施行する。
附 則(平成27年9月29日規則第119号)
この規則は,平成27年9月29日から施行し,この規則による改正後の広島大学における研究費等の不正使用の防止等に関する規則第28条の規定は,平成27年4月1日から適用する。
附 則(平成28年3月31日規則第60号)
この規則は,平成28年4月1日から施行する。
附 則(令和元年5月1日規則第120号)
この規則は,令和元年5月1日から施行する。
附 則(令和3年1月26日規則第5号)
この規則は,令和3年2月1日から施行する。
附 則(令和3年7月28日規則第90号)
この規則は,令和3年7月28日から施行する。
別記様式(第6条関係)
研究費等の使用に当たっての確認書