○広島大学病院放射線障害予防規程
(平成13年12月26日病院長決裁)
改正
平成15年10月1日 一部改正
平成16年4月1日 一部改正
平成17年4月27日 一部改正
平成18年3月31日 一部改正
平成22年3月24日 一部改正
令和元年7月18日 一部改正
令和3年3月19日 一部改正
令和5年9月21日 一部改正
令和6年9月26日 一部改正
広島大学病院放射線障害予防規程
目次

第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 組織及び職務(第4条-第13条)
第3章 放射線施設の維持及び管理(第14条-第17条)
第4章 使用,受入れ,払出し,保管,運搬等(第18条-第25条)
第5章 測定(第26条・第27条)
第6章 教育訓練(第28条)
第7章 健康診断(第29条・第30条)
第8章 記帳及び保存(第31条)
第9章 災害時及び危険時の措置(第32条-第34条)
第10章 情報提供(第35条)
第11章 業務の改善(第36条)
第12章 報告(第37条)
第13章 雑則(第38条)
附則

第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法律」という。),広島大学放射性同位元素等管理規則(平成16年4月1日規則第70号。以下「規則」という。)に基づき,広島大学病院(以下「病院」という。)における放射性同位元素等並びに放射線発生装置等の取扱いを及び管理に関する事項を定め,放射線障害の発生を防止し,公共の安全を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 放射線施設 法律施行規則(昭和35年総理府令第56号。以下「施行規則」という。)第1条第9号に定める使用施設及び貯蔵施設をいう。
(2) 放射性同位元素等 放射性同位元素及び放射性汚染物をいう。
(3) 放射線発生装置等 放射線発生装置及び診療用放射線照射装置をいう。
(4) 放射線取扱等業務 放射性同位元素等又は放射線発生装置等の取扱い,管理又はこれに付随する業務をいう。
(5) 業務従事者 放射性同位元素等又は放射線発生装置等の取扱い,管理又はこれに付随する業務に従事する者をいう。
(6) 一時立入者 業務従事者以外の者で一時的に管理区域に立ち入るものをいう。
(細則等の制定)
第3条 法律及びこの規程に定める事項の実施についての具体的な手順等については,次に掲げる細則に定めるものとする。
(1) 広島大学病院放射線障害予防規程実施細則(以下「実施細則」という。)
(2) 広島大学病院放射線安全委員会細則(以下「委員会細則」という。)
第2章 組織及び職務
(組織)
第4条 病院における放射性同位元素等又は放射線発生装置等の取扱いに従事する者及び安全管理・防護管理に従事する者に関する組織は,別図のとおりとする。
(放射線安全委員会)
第5条 病院における放射性同位元素等又は放射線発生装置等の安全取扱い及び安全管理の向上を図ることを目的として,この規程に定める職務を行うとともに,放射線施設等の維持・管理及び運営並びにその他の放射線障害の防止に関する事項について調査・審議し改善を図るため,広島大学病院放射線安全委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(放射線取扱主任者等)
第6条 病院長は,放射線障害発生の防止について,統括的な監督を行わせるため,放射線取扱主任者の資格を有する者のうちから放射線取扱主任者(以下「取扱主任者」という。)を選任しなければならない。
2 病院長が必要と認めた場合は,取扱主任者を複数人選任することができる。
3 病院長は,取扱主任者が,旅行,疾病その他の事故によりその職務を行うことができない場合は,その期間中その職務のすべてを代行させるため,放射線取扱主任者の資格を有する者のうちから,取扱主任者の代理者(以下「代理者」という。)を選任するものとする。
4 取扱主任者の職務の分担等は,委員会細則に定める。
5 取扱主任者(代理者を含む。)は,病院における放射線障害の防止に関し,委員会細則に定める職務事項について指導監督を行う他,病院長に意見の具申を行う。
6 取扱主任者(代理者を含む。)は,業務従事者が関係法令,この規程若しくは取扱主任者の指示等に違反し,又は取扱能力に欠けると認められる場合は,当該業務従事者の放射線取扱等業務を制限し,又は許可を取り消すことを病院長に勧告することができる。
7 病院長は,取扱主任者に,次の各号に掲げる者の区分に応じ,当該各号に定める期間ごとに,原子力規制委員会の登録を受けた者が行う取扱主任者の資質の向上を図るための講習(以下「定期講習」という。)を受けさせなければならない。
(1) 取扱主任者であって取扱主任者に選任された後定期講習を受けていない者(取扱主任者に選任される前1年以内に定期講習を受けた者を除く。) 取扱主任者に選任された日から1年以内
(2) 取扱主任者(前号に掲げる者を除く。) 前回の定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から3年以内
8 取扱主任者(代理者を含む。以下同じ。)は,病院長の推薦により学長が任命する。取扱主任者を解任する場合は,病院長からの解任理由に基づき,学長が解任する。
(放射線安全管理責任者)
第7条 放射線管理業務の総括を行うため,放射線安全管理責任者(以下「安全管理責任者」という。)を置く。
2 安全管理責任者は,委員会が推薦し病院長が任命又は委嘱する。
3 安全管理責任者は,取扱主任者との連携を密にし,放射線管理に関する業務を統括する。
(放射線安全管理担当者)
第8条 放射線管理業務を行うため,放射線安全管理担当者(以下「安全管理担当者」という。)を置く。
2 安全管理担当者は,安全管理責任者が任命する。
3 安全管理担当者は,取扱主任者との連携を密にし,次の業務を行う。
(1) 管理区域に立ち入る者の入退室,放射線被ばくによる線量及び放射性同位元素等による汚染の管理
(2) 管理区域内外に係る放射線の量及び放射性同位元素等による汚染の状況の測定
(3) 放射線測定器の点検,校正その他の保守管理
(4) 放射性同位元素等の受入れ,払出し,使用,保管及び運搬に関する管理
(5) 放射性同位元素等の取扱作業の安全に係る技術的事項に関する業務
(6) 業務従事者に対する教育及び訓練計画の立案並びにその実施
(7) 放射性廃棄物の管理及びそれらの処理に関する業務
(8) 前各号に関する記帳,記録の管理及びその保管
4 前項の業務及びこれらに係る改善措置は,必要に応じ,外部業者に委託することができる。
(放射線健康安全管理担当者)
第9条 放射線障害の防止のため,放射線健康安全管理担当者(以下「健康管理担当者」という。)を置く。
2 健康管理担当者は,病院運営支援部総務グループリーダーをもって充てる。
3 健康管理担当者は,取扱主任者との連携を密にし,次に掲げる業務を行う。
(1) 業務従事者に対する健康診断計画の立案
(2) 関係法令に基づく申請,届出の事務手続及び関係省庁との連絡等事務的事項に関する業務
(放射線施設安全管理担当者)
第10条 放射線施設の維持及び管理を行うため,放射線施設安全管理担当者(以下「施設管理担当者」という。)を置く。
2 施設管理担当者は,財務・総務室施設部施設整備グループリーダーをもって充てる。
3 施設管理担当者は,取扱主任者との連携を密にし,次に掲げる業務を行う。
(1) 放射線施設の保守管理及び設備の運転・保守管理
(2) 作業環境の保全
(3) その他放射線施設並びに設備の維持及び管理に必要な業務
(放射線取扱責任者)
第11条 病院に放射線取扱責任者(以下「取扱責任者」という。)を置く。
2 取扱責任者は,委員会が推薦し病院長が任命又は委嘱する。
3 取扱責任者は,取扱主任者及び安全管理責任者と協力して次に掲げる業務を行う。
(1) 取扱責任者は,業務従事者に対し放射性同位元素等又は放射線発生装置等の取扱いについて適切な指示を与えるとともに,受入れ,払出し,使用,保管及び運搬に関する記帳を指導するものとする。
(2) 取扱責任者は,放射性同位元素等の取扱いに関して改善事項があれば,取扱主任者に対して意見を述べることができ,委員会の開催を求めることができる。
(業務従事者の登録等)
第12条 業務従事者は,あらかじめ取扱主任者を経て,病院長に規則に定める放射線取扱者登録承認申請書による登録の申請をしなければならない。
2 病院長は,業務従事者として放射線施設の利用を申請した者に対し,第28条に定める教育訓練及び第29条に定める健康診断を実施しなければならない。
3 病院長は,業務従事者が関係法令,この規程若しくは取扱主任者の指示等に違反し,又は取扱能力に欠けると認められる場合は,当該業務従事者の放射線取扱を制限し,又は許可を取り消すことができる。
(遵守等の義務)
第13条 業務従事者及び一時立入者は,取扱主任者が放射線障害防止のために行う指示を遵守し,その指示に従わなければならない。
2 病院長は,取扱主任者の法律に基づき行う意見具申を尊重しなければならない。
3 病院長は委員会がこの規程に基づき行う答申又は意見具申を尊重しなければならない。
第3章 放射線施設の維持及び管理
(管理区域)
第14条 病院長は,放射線障害の防止のため,施行規則第1条第1号に定める場所を管理区域として指定する。
2 安全管理担当者は,次に掲げる者以外の者を,担当する管理区域に立ち入らせてはならない。
(1) 業務従事者として登録された者
(2) 見学者等で一時立入者として取扱主任者が認めた者
(管理区域における遵守事項)
第15条 管理区域に立ち入る者は,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 定められた出入口から出入りすること。
(2) 管理区域への立入及び退出等を記録すること。
(3) 個人被ばく線量計を指定された位置に着用すること。
(4) 管理区域内において飲食等内部被ばくのおそれのある行為を行わないこと。
(5) 業務従事者は,取扱主任者及び安全管理担当者が放射線障害を防止するために行う指示,その他,放射線施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(6) 一時立入者は取扱主任者,安全管理担当者及び業務従事者が放射線障害を防止するために行う指示,その他,放射線施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(放射線施設の調査・点検・維持管理)
第16条 病院長は放射線施設の適正な管理と放射性同位元素等の安全管理状況を調査するため,取扱主任者及び施設管理担当者に実施細則に定める項目に従って放射線施設の自主検査を年2回実施させなければならない。
2 施設管理担当者は,前項の自主検査の結果を取扱主任者を経由して病院長に報告しなければならない。
3 施設管理担当者は,第1項の自主検査の結果,異常を認めたときは,その状況及び原因を調査し,必要な応急措置を講ずるとともに,取扱主任者を経由して病院長に報告しなければならない。
4 病院長は,前項の報告を受けた場合は,修理等必要な措置を講じなければならない。
(修理,改造)
第17条 施設管理担当者及び安全管理責任者は,それぞれ管理する設備,機器等について,修理,改造,除染等(以下「修理等」という。)を行うときは,その実施計画を作成し,取扱主任者及び病院長の承認を受けなければならない。ただし,保安上特に影響が軽微と認められるものについてはこの限りでない。
2 病院長は,前項の承認を与えるに当たり,必要があると認めるときは,安全性,安全対策等について委員会に諮問するものとする。
3 施設管理担当者及び安全管理担当者は,第1項の修理等を完了したときは,その結果について取扱主任者を経由して病院長に報告しなければならない。
第4章 使用,受入れ,払出し,保管,運搬等
(密封された放射性同位元素の使用)
第18条 密封された放射性同位元素(以下「密封放射性同位元素」という。)を使用する者は,安全管理責任者の管理の下に,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 使用に際して,密封状態が正常であることを確認すること。
(2) 遮蔽壁,その他の遮蔽物により適切な遮蔽を行うこと。
(3) かん子等により線源との間に十分な距離を設けること。
(4) 放射線に被ばくする時間を可能な限り少なくすること。
(放射線発生装置等の使用)
第19条 放射線発生装置等を使用する者は,安全管理責任者の管理の下に次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 使用前にインターロック等が正常に作動することを確認するとともに,立入りを禁止している区域に人がいないことを確認すること。
(2) 使用中は自動表示装置により運転中であることを明示すること。
(3) 遮蔽壁,その他遮蔽物により適切な遮蔽を行うこと。
(4) 放射線に被ばくする時間を可能な限り少なくすること。
(5) 放射線発生装置等に収納されている放射性同位元素等の種類及び数量を目につきやすい場所に掲げ,変更の都度書き換えること。
(放射性同位元素等の受入れ・払出し)
第20条 安全管理担当者は,放射線施設における放射性同位元素等の受入れ,及び払出しに係る次に掲げる業務を行わなければならない。
(1) 購入した放射性同位元素等の受入れ
(2) 他事業所からの放射性同位元素等の譲受
(3) 他事業所への放射性同位元素等の譲渡
(4) 不要となった密封放射性同位元素の事業所外への搬出
2 安全管理担当者は,放射性同位元素等の受入れ及び払出しを確認し,記録しなければならない。
(保管)
第21条 放射性同位元素等の保管に当たっては,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 放射性同位元素等は,所定の貯蔵室,貯蔵箱又は耐火性の容器に貯蔵すること。
(2) 貯蔵室,貯蔵箱,耐火性の容器には,その貯蔵能力を超えて放射性同位元素等を貯蔵しないこと。
(3) 貯蔵箱及び耐火性の容器は放射性同位元素等を保管中に,これをみだりに持ち運ぶことができないようにするための措置を講ずること。
(4) 密封放射性同位元素であって機器に装備されているものは,装備した状態で保管し,シャッター機構のあるものは保管中容器のシャッターを閉止すること。
(5) 貯蔵施設の目につきやすい場所に,放射線障害の防止に必要な注意事項を提示すること。
(管理区域における運搬)
第22条 管理区域において放射性同位元素等を運搬するときは,危険物との混載禁止,転倒,転落等の防止,汚染の拡大の防止,被ばくの防止その他保安上必要な措置を講じなければならない。
(事業所内における運搬)
第23条 事業所内において放射性同位元素等を運搬しようとするときは,取扱主任者及び病院長の承認を受けるとともに,関係法令に定める基準に適合する措置を講じなければならない。
2 放射性同位元素等を事業所内において運搬するときは,取扱主任者の指示に従い,前項に定めるもののほか,次に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 放射性同位元素等は,運搬中に予想される温度,内圧の変化,振動等により,亀裂,破損等の生じるおそれのない所定の容器(以下この条において「放射性運搬物」という。)に封入の上,運搬すること。
(2) 放射性運搬物及びこれを積載又は収納した車両等に係る1センチメートル線量当量率は表面で1時間につき2ミリシーベルト,表面から1メートル離れた位置で1時間につき100マイクロシーベルトをそれぞれ超えないようにするとともに,容器の表面の放射性同位元素等の密度が法律に定める表面密度限度の10分の1を超えないようにすること。
(3) 容器及び車両等には所定の標識を取り付けるとともに,容器の表面に,核種,数量,物理的状態,化学的状態,表面の1センチメートル線量当量率,業務従事者の所属及び氏名を表示すること。
(4) 運搬経路を限定し,見張人の配置,標識等の方法により関係者以外の者の接近及び運搬車以外の通行を制限すること。
(5) 車両を用いて運搬する場合は,運搬車両の速度を制限し,必要な場合は伴走者を配置すること。
(6) その他関係法令の定めるところにより,放射線障害の防止に必要な措置を講ずること。
(事業所外における運搬)
第24条 事業所外において放射性同位元素等を運搬しようとするときは,取扱主任者及び病院長の承認を受けるとともに,L型輸送,A型輸送等関係法令に定める基準に適合する措置を講じなければならない。
2 前項に定める運搬を行った場合は,運搬記録簿等に必要事項を記入しなければならない。
(不要な放射性同位元素等)
第25条 不用な放射性同位元素等は,廃棄事業者等に速やかに引き渡さなければならない。
第5章 測定
(場所の測定等)
第26条 安全管理責任者は,放射線障害のおそれのある場所について,放射線の量及び放射性同位元素等による汚染の状況の測定を行い,その結果を評価し記録しなければならない。ただし,測定が著しく困難な場合は算定値によって評価することができる。
2 放射線の量の測定は, 原則として1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について放射線測定器を使用して行わなければならない。
3 第1項の測定で用いる放射線測定器は,点検及び校正が適切に行われ,測定の信頼性が確保された放射線測定器で行わなければならない。放射線測定器の点検及び校正は,実施細則に従って行わなければならない。
4 密封放射性同位元素取扱施設の測定は, 次の各号に従い行わなければならない。
(1) 放射線の量の測定は,使用施設,貯蔵施設,管理区域境界及び事業所境界について行うこと。
(2) 実施時期は,1月を超えない期間ごとに1回行うこと。固定して使用する場合であって,取扱方法及び遮蔽壁その他の遮蔽物の位置が一定しているときは,6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
5 放射線発生装置等使用施設の測定は,次の各号に従い行わなければならない。
(1) 放射線の量の測定は,使用施設,管理区域境界及び事業所境界について測定を行うこと。
(2) 実施時期は,6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
6 安全管理責任者は,測定に当たっては,次に掲げる項目を記録し,5年間保存しなければならない。
(1) 測定日時
(2) 測定箇所
(3) 測定者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(4) 放射線測定器の種類及び型式
(5) 測定方法
(6) 測定結果
(7) 測定結果によって実施した措置がある場合には措置内容
(個人被ばく線量の測定)
第27条 安全管理担当者は,管理区域に立ち入る者に対して個人被ばく線量計を着用させ,次の各号に従い個人被ばく線量を測定しなければならない。ただし,個人被ばく線量計を用いて測定することが著しく困難な場合は,計算によってこれらの値を算出することができる。
(1) 放射線の量の測定は,ISO/IEC17025に基づく放射線個人線量測定分野の認定を取得した機関の個人被ばく線量計を用いて,外部被ばくによる線量について行うこと。
(2) 測定は,胸部(女子にあっては腹部)について,1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量について行うこと。
(3) 前号のほか,頭部及び頸部から成る部分,胸部及び上腕部から成る部分並びに腹部及び大腿部から成る部分のうち,外部被ばくが最大となるおそれのある部分が,胸部及び上腕部(前号において腹部について測定することとされる女子にあっては腹部及び大腿部)から成る部分以外の部分である場合は,当該部分についても行うこと。
(4) 人体部位のうち,外部被ばくが最大となるおそれのある部位が,頭部,頸部,胸部,上腕部,腹部及び大腿部以外である場合は,第2号及び前号のほか,当該部位についても行うこと。
(5) 放射性同位元素等を誤って摂取した場合又はそのおそれのある場合は,内部被ばくについて計算による算出を行うこと。
(6) 測定は,管理区域に立ち入る者について,管理区域に立ち入っている間,継続して行うこと。
2 安全管理担当者は,測定に当たっては,次に掲げる項目を記録しなければならない。
(1) 測定対象者の氏名
(2) 測定者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(3) 放射線測定器の種類及び型式
(4) 測定日時
(5) 測定方法
(6) 測定部位及び測定結果
3 安全管理担当者は,前項の測定結果について4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間,4月1日を始期とする1年間並びに女子(妊娠の可能性のない者を除く。)にあっては毎月1日を始期とする1月間について,当該期間ごとに集計し記録しなければならない。
4 安全管理担当者は,第2項の測定結果から実効線量及び等価線量を算定し,次の項目について記録しなければならない。
(1) 算定年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 算定者の氏名
(4) 算定対象期間
(5) 実効線量
(6) 眼の水晶体及び第1項第4号の測定に係る組織の等価線量
5 前項の算定は,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間,4月1日を始期とする1年間並びに女子(妊娠の可能性のない者を除く。)にあっては毎月1日を始期とする1月間について,当該期間ごとに集計し記録しなければならない。
6 第2項から前項までの記録は,取扱主任者が永久保存するとともに,記録の都度対象者に対し写しを交付しなければならない。
第6章 教育訓練
(教育訓練)
第28条 病院長は,管理区域に立ち入る者に対して,次の各号に掲げるところにより放射線障害の発生を防止するために必要な教育及び訓練を実施しなければならない。
(1) 教育及び訓練を受けなければならない対象者の区分は,次のとおりとする。
イ 業務従事者
ロ 放射線取扱等業務に従事しない者で管理区域に立ち入る者
(2) 前号イの者に対する教育及び訓練の実施時期は,次に掲げるとおりとする。
イ 業務従事者として登録する前
ロ 業務従事者として登録した後にあっては登録後,前回の受講日の属する年度の翌年度の開始の日から1年以内
(3) 第1号イの者に対して行わなければならない教育及び訓練の時間数の下限は,以下のとおりとする。
イ 放射線の人体に与える影響 30分
ロ 放射性同位元素の安全取扱い 1時間
ハ 放射性同位元素及び放射線発生装置による放射線障害の防止に関する法令・放射線障害予防規程 30分
(4) 教育及び訓練の項目及び時間数に関し必要な事項は,実施細則に定める。
(5) 第1号ロの者に対する教育及び訓練は,放射線障害が発生することを防止するために必要な事項について取扱主任者,安全管理責任者又は安全管理担当者のいずれかが口頭若しくは掲示物を利用して行う。
2 前項の規定にかかわらず第1号イの者のうち,取扱主任者がそれらの項目の一部又は全部に関し十分な知識及び技能を有していると認めた者については,当該項目についての教育及び訓練を省略することができる。ただし,教育及び訓練を省略する者については,その理由を記録しなければならない。
3 教育及び訓練の項目及び時間数については,安全管理責任者及び取扱主任者が協議の上,作成し,委員会の承認を得なければならない。
4 委員会が決定した方針に従い,項目及び時間等の変更又は改善を行うものとする。
第7章 健康診断
(健康診断)
第29条 病院長は,業務従事者に対して,健康診断を実施しなければならない。
2 健康診断は,問診及び検査又は検診とし,それぞれ次に掲げる事項とする。
(1) 問診は,次の事項について行うものとする。
イ 放射線の被ばく歴の有無
ロ 被ばく歴を有する者については作業の場所,内容,期間,線量,放射線障害の有無,その他放射線による被ばくの状況
(2) 検査又は検診は,次の部位及び項目について行うものとする。
イ 末しょう血液中の血色素又はヘマトクリット値,赤血球数,白血球数及び白血球百分率
ロ 皮膚
ハ 
ニ その他原子力規制委員会が定める部位及び項目
3 健康診断の実施時期は,次のとおりとする。
(1) 業務従事者として登録する前又は初めて管理区域に立ち入る前
(2) 管理区域に立ち入った後にあっては1年を超えない期間ごと。ただし,前年度の4月1日を始期とする1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えず,かつ,当該年度の4月1日を始期とする1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのない場合は,前項に規定する検査又は検診は省略することができるものとし,医師が必要と認めた場合のみ前項に規定する検査又は検診を実施する。
4 取扱主任者は,前項の規定にかかわらず,業務従事者が次に掲げる事項に該当する場合は,健康管理担当者に通報の上,遅滞なくその者について健康診断を行わなければならない。
(1) 放射性同位元素等を誤って摂取した場合
(2) 放射性同位元素等により表面密度限度を超えて皮膚が汚染され,その汚染を容易に除去できない場合
(3) 放射性同位元素等により皮膚の創傷面が汚染され,又は汚染されたおそれのある場合
(4) 実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被ばくし,又は被ばくしたおそれのある場合
5 次の各号に掲げる事項について健康診断の結果として記録しなければならない。
(1) 実施年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 健康診断を行った医師名
(4) 健康診断の結果
(5) 健康診断の結果に基づいて講じた措置
6 健康管理担当者は,前項の記録を永久に保存し,実施の都度記録の写しを本人に交付しなければならない。ただし,記録の写しに代えて,当該記録を電磁的方法により対象者本人に交付することができる。
(放射線障害を受けた者等に対する措置)
第30条 取扱主任者は,業務従事者が放射線障害を受け,又は受けたおそれのある場合には医師と健康上の影響を協議し,その程度に応じ,管理区域への立入時間の短縮,立入りの禁止,配置転換等健康の保持等に必要な措置を講ずるとともに,その結果を病院長及び委員会に報告しなければならない。
2 取扱主任者は,業務従事者以外の者が放射線障害を受け,又は受けたおそれのある場合には遅滞なく,医師による診断,必要な保健指導等の適切な措置を講ずるとともに,その結果を病院長及び委員会に報告しなければならない。
第8章 記帳及び保存
(記帳及び保存)
第31条 病院長は,受入れ,払出し,使用,保管,運搬,放射線施設の点検,教育訓練及び放射線測定器の点検又は校正に係る帳簿を備え,使用者等に記帳させなければならない。
2 前項の帳簿に記帳すべき項目は次に掲げるとおりとする。
(1) 受入れ,払出し
イ 放射性同位元素等の種類及び数量
ロ 放射性同位元素等の受入れ又は払出しの年月日及びその相手方の氏名又は名称
(2) 使用
イ 放射性同位元素等の種類及び数量
ロ 放射線発生装置等の種類
ハ 放射性同位元素等又は放射線発生装置等の使用の年月日,目的,方法及び場所
ニ 放射性同位元素等又は放射線発生装置等の使用に従事する者の氏名
(3) 保管
イ 放射性同位元素等の種類及び数量
ロ 放射性同位元素等の保管の期間,方法及び場所
ハ 放射性同位元素等の保管に従事する者の氏名
(4) 運搬
イ 事業所外における放射性同位元素等の運搬の年月日及び方法
ロ 荷受人又は荷送人の氏名又は名称,運搬に従事する者の氏名又は運搬の委託先の氏名若しくは名称
(5) 放射線施設の点検
イ 点検の実施年月日
ロ 点検の結果及びこれに伴う措置の内容
ハ 点検を行った者の氏名
(6) 教育及び訓練
イ 教育及び訓練の実施年月日,項目及び各項目の時間数
ロ 教育及び訓練を受けた者の氏名
(7) 施行規則第22条の3の規定により管理区域でないものとみなされる区域に立ち入った者の氏名及び特例を受けようとする管理区域内における外部放射線に係る線量又は放射性同位元素等によって汚染される物の表面の放射性同位元素等の密度の確認方法及びその確認した者の氏名
(8) 放射線測定器の点検又は校正
イ 点検又は校正の実施年月日
ロ 放射線測定器の種類及び型式
ハ 方法,結果及びこれに伴う措置の内容
ニ 点検又は校正を行った者の氏名(点検又は校正を行った者の氏名を記載しなくても点検又は校正の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
3 第1項に定める帳簿は,毎年3月31日(事業所の廃止等を行う場合は廃止日等)に閉鎖し,取扱主任者が5年間,定められた場所に保存しなければならない。
第9章 災害時及び危険時の措置
(事故等による原子力規制委員会への報告)
第32条 次の各号に掲げる事態の発生を発見した者は,実施細則に定める連絡通報体制に従い通報しなければならない。
(1) 放射性同位元素等の盗難又は所在不明が発生した場合
(2) 放射性同位元素等が管理区域外で漏えいしたとき
(3) 放射性同位元素等が管理区域内で漏えいしたとき。ただし,漏えいした放射性同位元素等の放射能量が微量のとき,表面密度限度を超えないときその他漏えいの程度が軽微なときを除く。
(4) 次に掲げる線量が線量限度を超え,又は超えるおそれのあるとき
イ 使用施設内の人が常時立ち入る場所において人が被ばくするおそれのある線量
ロ 事業所の境界及び事業所内の人が居住する区域における線量
(5) 管理区域に火災が起こり,又は管理区域に延焼のおそれのあるとき。
(6) 使用その他の取扱いにおける計画外の被ばくがあったときであって,次の線量を超え,又は超えるおそれのあるとき。
イ 業務従事者 5ミリシーベルト
ロ 業務従事者以外の者 0.5 ミリシーベルト
(7) 業務従事者について実効線量限度及び等価線量限度を超え,又は超えるおそれのある被ばくがあったとき。
2 取扱主任者は,前項の通報を受けたときは,その旨を直ちに,原子力規制委員会及び病院長に報告しなければならない。
3 病院長は,前項の報告を受けたときは,その状況及び措置を10日以内に学長を経由し,原子力規制委員会に報告しなければならない。
(災害時の措置)
第33条 広島市内で大規模自然災害(震度5強以上の地震,風水害による家屋全壊(住家流出又は1階天井までの浸水,台風及び竜巻等による家屋全壊))が発生した場合,管理区域で火災が起こった場合,管理区域に及ぶおそれのある火災が起こった場合には実施細則に定める連絡通報体制に従い,あらかじめ指定された安全管理担当者が実施細則に定める自主点検項目について点検を行い,その結果を取扱主任者,病院長に報告しなければならない。
2 病院長は,前項の点検の結果を遅滞なく学長に報告しなければならない。
3 病院長は,前項の報告を受けた場合は,取扱主任者,安全管理責任者及び施設管理担当者と協議の上,必要な応急措置を講じなければならない。
4 病院長は,講じた応急措置について,学長に報告しなければならない。
(危険時の措置)
第34条 前条で定めるものほか,放射線障害が発生し,又はそのおそれがある場合,その発見者は,直ちに被害の拡大防止,実施細則に定める連絡通報体制の確保及び避難警告等応急の措置を講ずるとともに,取扱主任者又は関係者に通報しなければならない。
2 前項の事故等により通報を受けた取扱主任者は,直ちに病院長,関係者及び関係機関に連絡しなければならない。
3 病院長は,必要な応急措置を講じなければならない。
第10章 情報提供
(情報提供)
第35条 第32条に規定する事態により,法律第31条の2の規定に基づき原子力規制委員会に報告を要する事故等が発生した場合には,病院長は,学長に報告した上で,実施細則に定める方法で事故の状況及び被害状況等の情報を外部に提供するものとする。
2 外部に提供する事故の状況及び被害状況等の情報は,次の各号に掲げる事項とする。
(1) 事故の発生日時及び発生した場所
(2) 放射性物質の漏えい等による事業所外への影響
(3) 事故の発生した場所において取り扱っている放射性物質の核種,性状及び数量
(4) 応急措置の内容
(5) 放射線測定器による放射線量の測定結果
(6) 事故の原因及び再発防止策
3 病院長は,提供する情報の内容について,委員会,取扱主任者と協議の上決定し,学長に報告する。
第11章 業務の改善
(業務の改善)
第36条 放射性同位元素委員会が行った,放射線施設における放射性同位元素等及び放射線発生装置等の使用・管理等に係る安全性を向上させるための業務の評価の結果の通知を受けた病院長は,必要な改善を実施するとともに,改善の結果について放射性同位元素委員会に報告しなければならない。
2 委員会は,病院の放射線施設に対し,委員会委員及び委員会が指名する者による施設検査並びに書類審査を年1回以上行い,その結果を当該放射線施設に通知するとともに,病院長に報告しなければならない。
3 前項の結果の通知を受けた病院長は必要な改善を実施するとともに改善報告書を作成し,委員会に実施した改善策を報告しなければならない。
第12章 報告
(定期報告)
第37条 取扱主任者は,第15条第1項の自主検査の結果等に基づき,毎年4月1日から翌年の3月31日までの期間について法律に定められた放射線管理状況報告書を作成し,病院長に報告しなければならない。
2 病院長は,放射線管理状況報告書を学長に報告しなければならない。
第13章 雑則
(雑則)
第38条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に関し必要な事項は,委員会の議を経て,別に定める。
附 則
1 この規程は,平成14年1月1日から施行する。
2 この規程施行の際現に取扱主任者等である者は,この規程の規定により任命又は委嘱されたものとみなす。
3 広島大学医学部附属病院放射線障害予防細則(平成元年3月23日附属病院制定)は,廃止する。
附 則(平成15年10月1日 一部改正)
この規程は,平成15年10月1日から施行する。
附 則(平成16年4月1日 一部改正)
この規程は,平成16年4月1日から施行する。
附 則(平成17年4月27日 一部改正)
この規程は,平成17年4月27日から施行し,この規程による改正後の広島大学病院放射線障害予防規程の規定は,平成17年4月1日から適用する。
附 則(平成18年3月31日 一部改正)
1 この規程は,平成18年3月31日から施行し,この規程による改正後の広島大学病院放射線障害予防規程(以下「新規程」という。)の規定は,平成17年6月1日から適用する。
2 病院長は,新規程第5条第4項の規定にかかわらず,平成20年3月31日までに,この規程の施行の際現に取扱主任者に選任されている者に最初の定期講習を受けさせなければならない。
附 則(平成22年3月24日 一部改正)
この規程は,平成22年4月1日から施行する。
附 則(令和元年7月18日 一部改正)
1 この規程は,令和元年7月18日から施行する。ただし,第1条の改正規定(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の名称を改める部分に限る。)は,令和元年9月1日から施行する。
2 この規程による改正後の広島大学病院放射線障害予防規程の規定(第1条の放射性同位元素等の規制に関する法律に係る部分を除く。)は,平成31年4月1日から適用する。
附 則(令和3年3月19日 一部改正)
この規程は,令和3年4月1日から施行する。
附 則(令和5年9月21日 一部改正)
この規程は,令和5年10月1日から施行する。
附 則(令和6年9月26日 一部改正)
この規程は,令和6年9月26日から施行する。
別図(第3条関係)
病院における放射性同位元素等又は放射線発生装置等の取扱いに従事する者及び安全管理・防護管理に従事する者に関する組織図