○広島大学原爆放射線医科学研究所放射線障害予防規程
(令和元年8月27日研究所長決裁)
改正
令和5年8月17日 一部改正
 (平成22年7月15日研究所長決裁)
 (全部改正)
広島大学原爆放射線医科学研究所放射線障害予防規程
目次

第1章 総則(第1条-第5条)
第2章 組織及び職務(第6条-第12条)
第3章 放射線施設の維持及び管理(第13条-第17条)
第4章 使用(第18条)
第5章 受入れ,払出し,保管及び運搬(第19条-第23条)
第6章 測定(第24条・第25条)
第7章 教育及び訓練(第26条)
第8章 健康診断(第27条・第28条)
第9章 記帳及び保存(第29条)
第10章 災害時及び危険時の措置(第30条-第32条)
第11章 情報提供(第33条)
第12章 業務の改善(第34条)
第13章 報告(第35条・第36条)
第14章 雑則(第37条)
附則

第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「RI規制法」という。)及び広島大学放射性同位元素等管理規則(平成16年4月1日規則第70号。以下「管理規則」という。)の規定に基づき,広島大学原爆放射線医科学研究所における放射性同位元素の取扱い及び管理に関する事項を定め,放射線障害の発生を防止し,並びに特定放射性同位元素を防護して,公共の安全を確保することを目的とする。
(適用範囲)
第2条 この規程は,広島大学原爆放射線医科学研究所の放射線施設に立ち入る者に適用する。
(定義)
第3条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号の定めるところによる。
(1) 放射線施設 放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号。以下「施行規則」という。)第1条9号に定める使用施設,貯蔵施設をいう。
(2) 事業所 放射線施設を有する広島大学原爆放射線医科学研究所をいう。
(3) 施設 広島大学原爆放射線医科学研究所附属放射線先端医学実験施設をいう。
(4) 学長 国立大学法人広島大学の代表者であり,施設の安全管理に関する最終責任者をいう。
(5) 研究所長 事業所の長であり,広島大学原爆放射線医科学研究所附属放射線先端医学実験施設長等の具申により,施設の安全管理上必要な措置を講ずる者をいう。
(6) 施設長 広島大学原爆放射線医科学研究所附属放射線先端医学実験施設の長をいう。
(7) 放射線取扱等業務 放射性同位元素の取扱い(使用,保管,運搬)及び管理又はこれに付随する業務をいう。
(8) 放射線業務従事者 放射性同位元素の取扱い及び管理又はこれに付随する業務に従事するために管理区域に立ち入る者をいう。
(9) 一時立入者 放射線業務従事者以外の者で一時的に管理区域に立ち入る者をいう。
(10) 特定放射性同位元素 密封された放射性同位元素であって,人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがあるものとして原子力規制委員会が定めるものをいう。
(細則の制定)
第4条 この規程に定める事項の実施について,広島大学原爆放射線医科学研究所放射線障害予防規程実施細則(以下「予防規程細則」という。)を定めるものとする。
(遵守等の義務)
第5条 管理区域に立ち入る者は,第9条に定める放射線取扱主任者が放射線障害防止のために行う指示を遵守し,その指示に従わなければならない。
2 研究所長及び施設長は,第9条に定める放射線取扱主任者がRI規制法に基づき行う意見具申を尊重しなければならない。
3 研究所長及び施設長は,第7条に定める放射線安全委員会がこの規程に基づき行う答申又は意見具申を尊重しなければならない。
第2章 組織及び職務
(安全管理組織)
第6条 事業所における放射性同位元素の取扱いに従事する者及び安全管理に従事する者に関する組織は,別図のとおりとする。
(放射線安全委員会)
第7条 放射線障害防止について必要な事項を審議するために,広島大学原爆放射線医科学研究所に放射線安全委員会を置く。
2 委員は,施設長,第9条に定める放射線取扱主任者,第10条に定める管理担当者,第11条に定める放射線取扱責任者及びその他研究所長が必要と認めた者とする。
3 委員長は,施設長をもって充てる。
4 放射線安全委員会は,予防規程細則に定める事項を審議し,研究所長に具申する。
(施設長)
第8条 施設長は,施設の放射線障害の防止に関して総括し,施設の安全管理上必要な措置を講ずる。
2 施設長は,放射線障害の防止に関し,次条に定める放射線取扱主任者の意見を尊重しなければならない。
(放射線取扱主任者等)
第9条 研究所長は,放射線障害発生の防止について必要な監督・指導を行わせるため,放射線取扱主任者の資格を有する者のうちから,放射線取扱主任者(以下「主任者」という。)を1人以上置くものとする。
2 複数の主任者を置いた場合,その役割分担については,予防規程細則に定める役割を担うものとする。
3 主任者は,放射線障害の防止に係る監督・指導に関し,次の各号に掲げる職務を行う。
(1) 放射線障害予防規程並びに下部規程の制定及び改廃への参画
(2) 放射線障害防止上重要な計画作成への参画
(3) 教育及び訓練の計画等に対する指導並びに指示
(4) 危険時の措置等に関する対策への参画
(5) 法令に基づく申請,届出及び報告の確認・審査
(6) 立入検査等の立会い
(7) 異常及び事故の原因調査への参画
(8) 施設長及び研究所長に対する意見の具申
(9) 使用状況等及び施設,帳簿,書類等の確認
(10) 放射線業務従事者に対する監督・指導
(11) 関係者への助言,勧告及び指示
(12) 放射線安全委員会の開催の要求
(13) その他放射線障害防止に関する必要事項
4 研究所長は,主任者が旅行,疾病その他の事故によりその職務を行うことができないときは,その職務を代行させるため,主任者の資格を有する者のうちから,主任者の代理者(以下「代理者」という。)を選任するものとする。
5 代理者は,主任者がその職務を行うことができない期間中,第3項に規定する主任者の職務を代行しなければならない。
6 研究所長の推薦により学長が主任者を任命し原子力規制委員会に届出する。解任する場合は,研究所長からの解任理由に基づき,学長が解任し解任の届出を行わなければならない。主任者が30日以上職務を行えない場合は,研究所長の推薦により学長が代理者を任命し原子力規制委員会に届出する。解任する場合は,研究所長からの解任理由に基づき,学長が解任し解任の届出を行わなければならない。
7 研究所長は,選任されている主任者に対してRI規制法で定められた期間ごとに定期講習を受講させなければならない。
(1) 主任者選任日から1年以内(ただし,主任者選任日の前1年以内に受講した者は,その受講日の属する年度の翌年度の開始の日から3年以内)
(2) 主任者選任後,定期講習を受講した者にあっては,当該受講日の属する年度の翌年度の開始の日から3年以内
8 主任者は,放射線業務従事者が関係法令,この規程若しくは主任者の指示等に違反し,又は取扱能力に欠けると認められる場合は,当該放射線業務従事者の放射線取扱等業務を制限し,又は登録を取り消すことを研究所長に勧告することができる。
(管理担当者)
第10条 放射線管理業務を行うため,管理担当者を1人以上置くものとする。
2 管理担当者は,研究所長が任命する。
3 管理担当者は,主任者及び施設長との連携を密にし,次の業務を行う。
(1) 管理区域に立ち入る者の入退域,放射線被ばくの管理
(2) 放射線の量の測定
(3) 放射線測定機器の点検,校正その他の保守管理
(4) 放射性同位元素の受入れ,払出し,使用,保管及び運搬に関する管理
(5) 放射線作業の安全に係る技術的事項に関する業務
(6) 放射線業務従事者に対する教育及び訓練計画の企画
(7) 放射線業務従事者に対する健康診断計画の企画
(8) 前各号に関する記帳・記録の管理
(9) 関係法令に基づく申請,届出等の事務手続き,その他関係省庁との連絡等,事務的事項に関する業務
(10) その他放射線障害防止に必要な業務
(11) その他施設・設備の維持及び管理に必要な業務
4 前項の業務及びこれらに係る改善措置は,必要に応じ,外部業者に請け負わせることができる。
(放射線取扱責任者)
第11条 広島大学原爆放射線医科学研究所の各研究分野及び附属被ばく資料調査解析部(以下「研究分野等」という。)に放射線取扱責任者を置く。
2 放射線取扱責任者は,研究分野等ごとに当該研究分野等の長が任命する。
3 放射線取扱責任者は,主任者及び施設長の指示に従い次の各号に掲げる業務を行う。
(1) 放射性同位元素の取扱いについて放射線業務従事者に適切な指示
(2) 放射性同位元素の使用及び記帳等に関して放射線業務従事者に対する監督・指導
(3) 放射線業務従事者として登録を希望する者がいた場合,管理担当者を通じて主任者への報告
(4) 健康診断,教育及び訓練を受けるよう放射線業務従事者に対する指導
(5) 放射線業務従事者が登録を中止する場合は,速やかに管理担当者を通じて主任者への報告
(6) 放射性同位元素の取扱いに関して改善事項があれば,施設長に対する意見具申及び放射線安全委員会の開催要求
(放射線業務従事者の登録等)
第12条 事業所において放射線取扱等業務に従事する者は,あらかじめ主任者を経て管理規則に定める放射線取扱者登録承認申請書により申請し,研究所長の承認を経て,放射線業務従事者として登録されなければならない。
2 研究所長は,前項の承認を行うに当たり,放射線業務従事者として施設の利用を申請した者に対し,第26条に定める教育及び訓練並びに第27条に定める健康診断を施設長に実施させ,その結果を照査する。
3 第1項の規定にかかわらず,広島大学原爆放射線医科学研究所以外の部局等において放射線業務従事者として登録されている者が事業所において放射性同位元素を使用するときは,あらかじめ主任者を経て管理規則に定める放射性同位元素等使用承認申請書により申請し,研究所長の承認を受けなければならない。
4 研究所長は,前項の承認を行うに当たり,放射性同位元素の使用を申請した者に対し,放射線業務従事者証明書等を提出させ,当該期間対象の教育及び訓練並びに健康診断が実施されていることを確認し,その結果を照査する。
5 研究所長は,放射線業務従事者が関係法令若しくはこの規程若しくは主任者の指示等に違反し,若しくは取扱能力に欠けると認められる場合は,当該放射線業務従事者の取扱業務を制限し,若しくは登録を取り消すことができる。
第3章 放射線施設の維持及び管理
(管理区域)
第13条 施設長は,放射線障害の防止のため,施行規則第1条第1号に定める場所を管理区域として指定する。
2 施設長は,次に掲げる者以外の者を担当する管理区域に立ち入らせてはならない。
(1) 放射線業務従事者として登録された者
(2) 見学者等で一時立入者として主任者が認めた者
(管理区域における遵守事項)
第14条 管理区域に立ち入る者は,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 定められた出入口から出入りすること。
(2) 管理区域への立入及び退出,取扱等を記録すること。
(3) 個人被ばく線量計を指定された位置に着用すること。
(4) 管理区域内において飲食,喫煙又は化粧等を行わないこと。
(5) 管理区域から退出する前に使用した場所の清掃を行うこと。
(6) 放射線業務従事者は,主任者及び放射線取扱責任者が放射線障害を防止するために行う指示,その他,施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(7) 一時立入者が管理区域に立ち入るときは,あらかじめ主任者の承認を得るとともに,所定の用紙に必要事項を記入すること。
(8) 一時立入者は,主任者,放射線取扱責任者,管理担当者及び放射線業務従事者が放射線障害を防止するために行う指示,その他,施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(9) 放射性同位元素の取扱経験の少ない放射線業務従事者は,単独で取扱作業をしてはならない。
2 施設長は,管理区域の入口の目につきやすい場所に取扱いに係る注意事項を掲示し,管理区域に立ち入る者に遵守させなければならない。
(自主検査等)
第15条 研究所長は,予防規程細則に基づく自主検査を主任者及び放射線安全委員会委員立会いの下,管理担当者に行わせることとする。自主検査は,1年に2回を標準として行わなければならない。
2 施設長は,自主検査の結果を管理担当者及び主任者より確認し,研究所長に報告しなければならない。
3 研究所長は,自主検査の結果,異常等の報告を受けた場合は,必要な措置を講ずる。
4 研究所長は,事業所で対処できない異常時等については学長に報告しなければならない。
第16条 施設長は,管理担当者に指示して放射線測定機器類の点検又は校正及び安全管理用具等の点検を定期的に行わなければならない。
(修理,改造)
第17条 施設長は,設備,機器等について,修理,改造等を行うときは,主任者と協議して行うものとする。
2 主任者は,前項の修理,改造等を行うに当たり,必要があると認めるときは,その安全性,安全対策等について放射線安全委員会に諮問するものとする。
3 施設長は,第1項の修理,改造等を終えたときは,その結果について主任者を経由して研究所長に報告しなければならない。ただし,保安上特に影響が軽微と認められるものについては,この限りでない。
第4章 使用
(放射性同位元素を使用する場合の遵守事項)
第18条 放射線業務従事者は,放射性同位元素を使用する場合には,主任者及び放射線取扱責任者の管理の下,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 取扱経験の少ない者は,単独で作業を行わないこと。
(2) 施設は整理整頓して,常に清潔を保ち,不必要な機器及び物品を持ち込まないこと。
(3) 使用に当たっては,年度ごとにあらかじめ使用に係る計画書を作成すること。
(4) 使用に際して,放射線測定器により密封状態が正常であることを確認すること。
(5) インターロック等を設置している場合は,インターロック等が正常に作動することを確認しておくこと。
(6) 立入りを禁止している区域に人がいないことを確認すること。
第5章 受入れ,払出し,保管及び運搬
(受入れ及び払出し)
第19条 研究所長は,施設における放射性同位元素の受入れ及び払出しに係る次の業務を行わなければならない。
(1) 購入した放射性同位元素の受入れ
(2) 他事業所からの放射性同位元素等の受入れ
(3) 他事業所への放射性同位元素等の払出し
(保管)
第20条 放射性同位元素は,所定の貯蔵容器又は耐火性の容器に貯蔵すること。
2 貯蔵容器及び耐火性の容器は,放射性同位元素を保管中に,これをみだりに持ち運ぶことができないようにするための措置を講じなければならない。
3 放射性同位元素であって機器に装備されているものは,装備した状態で保管しなければならない。
4 施設長は,貯蔵施設の目につきやすい場所に,放射線障害の防止に必要な注意事項を掲示しなければならない。
(管理区域における運搬)
第21条 管理区域において放射性同位元素を運搬しようとするときは,危険物との混載禁止,転倒,転落等の防止,汚染の拡大の防止,被ばくの防止,その他保安上必要な措置を講じなければならない。
(事業所内における運搬)
第22条 事業所内において放射性同位元素を運搬しようとするときは,関係法令に定める基準に準拠した措置を講じなければならない。
2 前項に定める運搬を行った場合は,運搬記録簿等に必要事項を記入しなければならない。
(事業所外における運搬)
第23条 事業所外において放射性同位元素を運搬しようとするときは,関係法令に定める基準に適合する措置を講じなければならない
2 前項に定める運搬を行った場合は,運搬記録簿等に必要事項を記入しなければならない。
第6章 測定
(場所の測定)
第24条 施設長は,放射線障害のおそれのある場所について,放射線の量の測定を行い,その結果に関して主任者の評価を経た上で記録しなければならない。
2 放射線の量の測定は,原則として1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について放射線測定器を使用して行わなければならない。
3 密封放射性同位元素(下限数量の1,000倍を超える数量)取扱施設の測定は,次の各号に従い行わなければならない。
(1) 放射線の量の測定は,使用施設,貯蔵施設,管理区域境界及び事業所境界について行うこと。
(2) 実施時期は,取扱開始前に1回,取扱開始後にあっては,6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
4 施設長は,次の項目について記録し,保存しなければならない。
(1) 測定日時
(2) 測定箇所
(3) 測定者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(4) 放射線測定器の種類及び型式
(5) 測定方法
(6) 測定結果
(7) 測定の結果講じた措置がある場合には,その内容
5 前項の記録は,施設長が5年間保存する。
6 施設長は,測定結果を,決められた期間ごとに見やすい場所に掲示しなければならない。
7 第1項の測定に用いる放射線測定器の点検及び校正は,1年ごとに適切に組み合わせて行うものとする。
(個人被ばく線量の測定)
第25条 施設長は,管理区域に立ち入る者に対して適切な個人被ばく線量計を着用させ,次の各号に従い個人被ばく線量を測定しなければならない。
(1) 放射線の量の測定は,外部被ばくによる線量について行うこと。
(2) 測定は,胸部(女子にあっては腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量について行うこと。
(3) 人体部位のうち外部被ばくが最大となるおそれのある部位が,胸部及び上腕部からなる部位(女子にあっては腹部及び大腿部からなる部位)以外の部位である場合は,前号のほか当該部位についても行うこと。
(4) 測定は,管理区域に立ち入る者について,管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。
(5) 個人被ばく線量の測定を外部に委託する場合,公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)によるISO/IEC17025に基づく放射線個人線量測定分野の認定又は同等の認定を取得した機関に委託して行うものとする。
2 施設長は,前項の測定の結果に関して,次の項目について記録しなければならない。
(1) 測定対象者の氏名
(2) 測定者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(3) 放射線測定器の種類及び型式
(4) 測定方法
(5) 測定部位及び測定結果
3 施設長は,前項の測定結果について4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間,4月1日を始期とする1年間並びに女子(妊娠の可能性のない者を除く。)にあっては毎月1日を始期とする1月間について,当該期間ごとに集計し記録しなければならない。
4 施設長は,第2項の測定結果から実効線量及び等価線量を算定し,次の項目について記録しなければならない。
(1) 算定年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 算定者の氏名
(4) 算定対象期間
(5) 実効線量
(6) 等価線量及び組織名
5 前項の算定は,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間,4月1日を始期とする1年間並びに女子(妊娠の可能性のない者を除く。) にあっては毎月1日を始期とする1月間について,当該期間ごとに行い記録するものとする。
6 第4項の実効線量の算定の結果,4月1日を始期とする1年間についての実効線量又は眼の水晶体の等価線量が20ミリシーベルトを超えた場合は,施設長は,当該1年間以降は,当該1年間を含む平成13年4月1日以降所5年間ごとに区分した期間の累積実効線量又は眼の水晶体の累積等価線量を,毎年度集計して次の項目について記録すること。
(1) 集計年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 集計者の氏名
(4) 集計対象期間
(5) 累積実効線量又は眼の水晶体の累積等価線量
7 第2項から前項までの記録は,施設長が永久に保管するとともに,記録の都度対象者に対しその写しを交付しなければならない。
第7章 教育及び訓練
(教育及び訓練)
第26条 施設長は,管理区域に立ち入る者に対し,この規程の周知等を図るほか,放射線障害の発生を防止するために必要な教育及び訓練を実施しなければならない。
2 前項の教育及び訓練は,次の各号に掲げるところによる。
(1) 実施時期
イ 放射線業務従事者として登録する前
ロ 放射線業務従事者として登録した後にあっては登録後,前回の受講日の属する年度の翌年度の開始の日から1年以内
(2) 実施項目及び時間数
イ 放射線の人体に与える影響 30分以上
ロ 放射性同位元素等又は放射線発生装置の安全取扱い 2時間30分以上
ハ 放射線障害防止に関する法令及び放射線障害予防規程 1時間以上
3 前項の規定にかかわらず,前項第2号に掲げる実施項目に関して十分な知識及び技能を有していると認められる者に対しては,施設長は,主任者と次に掲げる省略基準に基づき協議の上,教育及び訓練の一部を省略することができる。この場合において,施設長は,教育訓練受講記録に省略理由を記載しなければならない。
(1) 他事業所等で前年度の教育訓練の受講歴が確認できる場合
(2) 学部又は大学院の講義で,前項第2号に掲げる実施項目について,必要な教育を受けていることが確認できる場合
(3) 外部機関による教育及び訓練と同様の内容の研修等を受講した場合
(4) その他前項第2号に掲げる実施項目について,十分な知識を有していると確認できる場合
4 主任者は,管理区域に一時的に立ち入る者を一時立入者として承認する場合は,当該一時立入者に対して放射線障害の発生を防止するために,必要な教育を口頭又は掲示等により,実施し,教育及び訓練に係る記帳を行わせなければならない。
5 教育及び訓練の項目の内容については,主任者と協議するものとし,法令の改正などそのときの状況に応じ,内容,時間等の変更又は改善を行うものとする。
第8章 健康診断
(健康診断)
第27条 施設長は,放射線業務従事者に対して健康診断を実施しなければならない。
2 健康診断は,問診及び検査又は検診とし,それぞれ次に掲げる事項とする。
(1) 問診は,次の事項について行うものとする。
イ 放射線の被ばく歴の有無
ロ 被ばく歴を有する者については,作業の場所,内容,期間,線量,放射線障害の有無,その他放射線による被ばくの状況
(2) 検査又は検診は,次に掲げる部位又は項目について行うものとする。
イ 末しょう血液中の血色素量又はヘマトクリット値,赤血球数,白血球数及び白血球百分率
ロ 皮膚
ハ 
ニ その他原子力規制委員会が定める部位及び項目
3 健康診断の実施時期は,次のとおりとする。
(1) 放射線業務従事者として登録する前又は初めて管理区域に立ち入る前
(2) 管理区域に立ち入った後にあっては6月を超えない期間ごと。ただし,前年度の4月1日を始期とする1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えず,かつ,当該年度の4月1日を始期とする1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのない場合は,前項に規定する検査又は検診は省略することができるものとし,医師が必要と認めた場合のみ前項に規定する検査又は検診を実施する。
4 施設長は,前項の規定にかかわらず,放射線業務従事者が次の事項に該当する場合は,主任者及び研究所長に通報の上,遅滞なくその者に対して健康診断を実施しなければならない。
(1) 実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被ばくし,又は被ばくしたおそれのある場合
5 施設長は,健康診断の結果に関して,次の項目について記録しなければならない。
(1) 実施年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 健康診断を実施した医師名
(4) 健康診断の結果
(5) 健康診断の結果に基づいて講じた措置
6 健康診断の結果は,施設長が永久保存するとともに,実施の都度記録の写しを本人に交付しなければならない。
7 前項の規定にかかわらず,記録の写しに代えて,当該記録を電磁的方法により,本人に交付することができる。
(放射線障害を受けた者等に対する措置)
第28条 施設長は,放射線業務従事者が放射線障害を受け,又は受けたおそれのある場合には,主任者及び健康診断を行った医師と協議し,放射線障害の程度に応じ,管理区域への立入時間の短縮,立入りの禁止,配置転換等健康の保持等に必要な措置を講ずるとともに,その結果を,研究所長を経由して学長に報告しなければならない。
2 施設長は,放射線業務従事者以外の者が放射線障害を受け,又は受けたおそれのある場合には,遅滞なく,医師による診断,必要な保健指導等の適切な措置を講じなければならない。
第9章 記帳及び保存
(記帳及び保存)
第29条 施設長は,受入れ,払出し,使用,保管,運搬,施設の点検,教育及び訓練並びに放射線測定器の点検又は校正に係る帳簿を備え,記帳しなければならない。
2 前項の帳簿に記帳すべき項目は,次の各号のとおりとする。
(1) 受入れ,払出し
イ 放射性同位元素の種類及び数量
ロ 放射性同位元素の受入れ又は払出しの年月日及びその相手方の氏名又は名称
ハ 放射性同位元素の受入れ,払出しに従事する者の氏名又は名称
(2) 使用
イ 放射性同位元素の種類及び数量
ロ 放射性同位元素の使用の年月日,目的,方法及び場所
ハ 放射性同位元素の使用に従事する者の氏名
(3) 保管
イ 放射性同位元素の種類及び数量
ロ 放射性同位元素の保管の期間,方法及び場所
ハ 放射性同位元素の保管に従事する者の氏名
(4) 運搬
イ 本事業所の外における放射性同位元素の運搬年月日及び方法
ロ 荷受人又は荷送人の氏名又は名称,運搬に従事する者の氏名又は運搬の委託先の氏名若しくは名称
(5) 放射線施設の点検
イ 点検の実施年月日
ロ 点検の結果及びこれに伴う措置の内容
ハ 点検を行った者の氏名
(6) 教育及び訓練
イ 教育及び訓練の実施年月日並びに実施項目並びに各実施項目の時間数
ロ 教育及び訓練を受けた者の氏名
(7) 放射線測定器の点検又は校正
イ 点検又は校正の年月日
ロ 放射線測定器の種類及び型式
ハ 点検又は校正の方法,結果及びこれらに伴う措置の内容
ニ 点検又は校正を行った者の氏名(点検又は校正を行った者の氏名を記載しなくても点検又は校正の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
3 第1項に定める帳簿は,毎年3月31日(事業所の廃止等を行う場合は,廃止日等。)に閉鎖し,施設長が5年間,保存しなければならない。
第10章 災害時及び危険時の措置
(事故等による原子力規制委員会への報告)
第30条 次の各号に掲げる事態の発生を発見した者は,予防規程細則に定める災害時の連絡通報体制に従い連絡しなければならない。
(1) 放射性同位元素の盗取又は所在不明が発生した場合
(2) 次の線量が線量限度を超え,又は超えるおそれのあるとき。
イ 使用施設内の人が常時立ち入る場所において人が被ばくするおそれのある線量
ロ 事業所の境界における線量
(3) 使用その他の取扱いにおける計画外の被ばくがあったときであって,次の線量を超え,又は超えるおそれのあるとき。
イ 放射線業務従事者:5ミリシーベルト
ロ 放射線業務従事者以外の者:0.5ミリシーベルト
(4) 放射線業務従事者について実効線量限度及び等価線量限度を超え,又は超えるおそれのある被ばくがあったとき。
2 研究所長は,前項の連絡を受けたときは,その旨を直ちに,その状況及びそれに対する措置を10日以内に,学長を経由して,それぞれ原子力規制委員会に報告しなければならない。
(災害時の措置)
第31条 施設が所在する広島市南区で大規模自然災害(震度5強以上の地震,風水害による家屋倒壊(住家流出又は1階天井までの浸水,台風及び竜巻等による家屋全壊))が発生した場合,又は施設に火災等の災害が起こった場合その他の施設に影響を及ぼすおそれのある災害が起こった場合には,別に定める災害時の連絡通報体制に従って連絡を行い,主任者及び施設長が安全確保の上,可能な限り速やかに予防規程細則に定める項目について点検を行い,記録を残すとともに,その結果を研究所長に報告しなければならない。
2 研究所長は,前項の点検の結果を遅滞なく学長に報告しなければならない。
3 施設長は,主任者と協議の上,必要な応急措置を講じ,研究所長に報告しなければならない。
4 研究所長は,講じた応急措置について,学長に報告しなければならない。
5 施設長は,第1項の点検結果及び第3項の講じた応急措置について原子力規制委員会に報告しなければならない。
6 研究所長は,施設長の応急措置では対応しきれない事態に対して,放射線施設の安全管理責任上必要な予算的措置を講ずる。
(危険時の措置)
第32条 前条で定めるもののほか,放射線障害が発生した場合又はそのおそれが疑われる場合その発見者は,予防規程細則に定める災害時の連絡通報体制に従って連絡し,直ちに災害の拡大防止に努めなければならない。
2 前項の事故等により,連絡を受けた主任者は,直ちに施設長,関係者及び関係機関に連絡しなければならない。
3 施設長は,必要な応急措置を講じなければならない。
4 施設長は,前項の点検報告及び講じた応急措置について研究所長に報告しなければならない。
5 災害時の応急作業等の緊急作業は,主任者の指示のもと行う。
6 前項の緊急作業に従事する者は,管理担当者とする。
7 研究所長は,緊急作業に従事する者に対して,緊急時の対応に関する教育及び訓練を受けさせなければならない。
8 研究所長は,災害時に緊急作業に従事した者に対して,第28条に規定する放射線障害を受けた者等に対する措置と同様の措置を受けさせなければならない。
第11章 情報提供
(情報提供)
第33条 RI規制法第31条の2の規定に基づき原子力規制委員会に報告を要する事故等が発生した場合には,研究所長は学長に報告した上で,予防規程細則に定める方法で事故の状況及び被害状況等の情報を公衆及び報道機関へ提供するものとする。
2 提供する事故の状況及び被害状況等の情報は,次の各号に掲げる事項とする。
(1) 事故の発生日時及び発生した場所
(2) 放射性物質の漏えい等による事業所外への影響
(3) 事故の発生した場所において取り扱っている放射性物質の核種,性状及び数量
(4) 応急措置の内容
(5) 放射線測定器による放射線量の測定結果
(6) 事故の原因及び再発防止策
3 研究所長は,提供する情報の内容について,予防規程細則に定める者と協議の上決定し,学長へ報告するものとする。
第12章 業務の改善
(業務の改善)
第34条 放射性同位元素委員会が行った,施設における放射性同位元素の使用・管理等に係る安全性を向上させるための業務の評価の結果の通知を受けた研究所長は,必要な改善を実施するとともに改善報告書を作成し,放射性同位元素委員会に改善の結果を報告しなければならない。
2 施設長は,必要と判断したときは,改善を実施するための予算的措置を研究所長に要望するものとする。
第13章 報告
(定期報告)
第35条 施設長は,主任者と協議の上,毎年4月1日から翌年の3月31日までの期間について法に定められた放射線管理状況報告書を作成しなければならない。
2 施設長は,前項の報告書を研究所長に提出するとともに,当該期間の経過後3月以内に学長を経由して,原子力規制委員会に届け出なければならない。
(特定放射性同位元素)
第36条 研究所長は,特定放射性同位元素に係る受入れ又は払出しの行為を行った場合は,行為を行ってから15日以内に学長を経由して,原子力規制委員会に報告しなければならない。
2 研究所長は,前項の報告を行った特定放射性同位元素の内容を変更(当該変更により当該特定放射性同位元素が特定放射性同位元素でなくなった場合を含む。)した場合は,15日以内に,原子力規制委員会に報告しなければならない。
3 研究所長は,年度末に所有している特定放射性同位元素に係る報告を翌年度6月末日までに,学長を経由して,原子力規制委員会に行わなければならない。
第14章 雑則
(雑則)
第37条 この規程に定めるもののほか,この規定の実施に関し必要な事項は,別に定める。
附 則
1 この規程は,令和元年9月1日から適用する。
2 この規程の施行の際現に管理担当者又は放射線取扱責任者に任命されている者は,この規程により任命されたものとみなす。
附 則(令和5年8月17日 一部改正)
この規程は,令和5年10月1日から施行する。
別図(第6条関係)
広島大学原爆放射線医科学研究所における放射性同位元素の取扱いに従事する者及び安全管理に従事する者に関する組織