○粕屋町政治倫理条例
(平成11年1月1日条例第22号)
改正
平成17年3月22日条例第10号
平成18年12月18日条例第37号
平成21年3月19日条例第8号
(目的)
第1条 この条例は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その負託に応えるため、町長、副町長、教育長(以下「町長等」という。)及び町議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、町長等及び議員が常に良心に従い誠実かつ公正にその職務を行うべきことを促し、もって公正で民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
(町長等、議員及び町民の責務)
第2条 町長等及び議員は、町民全体の代表者として、町政に携わる権能と責務を深く自覚し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。
2 町民は、自らも町政を担い、公共の利益を実現する責任を有することを自覚し、町長等及び議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。
(政治倫理基準)
第3条 町長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 町民全体の代表者として、その品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 町が行う許可、認可、命令等又は請負その他の契約に関し、特定の個人、企業及び団体等のために有利な取り計らいをしないこと。
(3) 政治活動に関して、企業、団体等から寄付等を受けないものとし、その後援団体についても政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄付等を受けないこと。
(4) 町職員の採用に関して推薦、紹介等をしないこと。
(5) 常に町民全体の利益のみをその指針として行動するものとし、その地位を利用しいかなる金品も授受しないこと。
2 町長等及び議員は、政治倫理基準に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合には、自ら潔い態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。
(宣誓書の提出)
第4条 町長等及び議員は、規則で定めるところにより、この条例を遵守する旨の宣誓書を提出しなければならない。
(政治倫理審査会の設置)
第5条 政治倫理に関する重要な事項を審査するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、粕屋町政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、委員6人をもって組織する。
3 審査会の委員は、社会的信望があり、地方行政に関し識見を有する者で地方自治法第18条に定める選挙権を有する町民のうちから、町長が委嘱する。
4 審査会の委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の同意を必要とする。
(守秘義務等)
第6条 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後もまた同様とする。
2 審査会の委員は、その職務を政治目的のために利用してはならない。
3 審査会の委員は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
(町民の審査請求権)
第7条 町民は、町長等又は議員が第3条に規定する政治倫理基準に違反する疑いがあると認められるときは、規則で定めるところにより、これを証する資料を添えて、町長等に係るものについては町長に、議員に係るものについては議長に、審査を請求することができる。
2 議長は、前項の規定により議員に対する審査の請求を受けたときは、その書面の写しを町長に送付するものとする。
3 町長は、前項の規定により送付を受けたとき又は第1項の規定により町長等に対する審査の請求を受けたときは、直ちに審査会に審査を付託しなければならない。
(倫理基準違反の審査)
第8条 審査会は、前条第3項の規定による審査を付託されたときは、当該事案の適否又は存否の審査を行い、審査会が必要と認める措置を勧告することができる。
2 審査会は、前項の審査を行うため、事情聴取等必要な調査を行うことができる。
3 第1項の規定による勧告は、文書をもって行い、かつ、理由を付さなければならない。
4 審査会は、審査を付託されたときは、速やかに審査に着手するものとし、審査を終えたときは審査結果の要旨を公表しなければならない。
(資産報告書の提出)
第9条 審査会は、事案の解明のため必要があるときは、規則で定めるところにより、資産報告書の提出を求めることができる。
(町長等又は議員の協力義務)
第10条 町長等又は議員は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は審査会に出席して意見を述べなければならない。
(税等の納付状況報告書の提出)
第11条 町長等及び議員は、次の各号に掲げる税等の納付状況報告書を、毎年、4月1日から同月30日までの間に町長等にあっては町長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。
(1) 所得税及び事業税の前年1年間の納付状況
(2) 住民税の前年度1年間の納付状況
(3) 固定資産税の前年度1年間の納付状況
(4) 国民健康保険税の前年度1年間の納付状況
(5) 国民年金保険料の前年1年間の納付状況
(6) 介護保険料の前年度1年間の納付状況
(7) 自動車税及び軽自動車税その他普通地方公共団体に関する使用料等の前年度分の納付状況
2 議長は、前項の規定により提出された議員に係る税等の納付状況報告書の写しを町長に送付しなければならない。
(報告書の保存)
第12条 第9条及び前条の規定により作成又は提出された資産報告書及び税等の納付状況報告書(以下「報告書」という。)は、町長及び議長において、これらを作成又は提出すべき期間の末日の翌日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。
(報告書の閲覧)
第13条 町長は、報告書(第11条第2項の規定により送付された税等の納付状況報告書を含む。)を町民の閲覧に供しなければならない。
2 前項の規定による閲覧の期間は、閲覧開始の日から5年間とする。
(照会)
第14条 審査会は、必要があると認めるときは、公務所又は公私の団体に照会して事案の実態を明らかにするものとする。
(虚偽報告等の公表)
第15条 審査会は、町長等又は議員が第9条の規定による資産報告書の提出をせず、若しくは虚偽の報告をしたとき、又は調査に協力しなかったときは、その旨を公表するものとする。
(贈収賄罪による起訴後の説明会)
第16条 町長等又は議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪による起訴後、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、町長等については町長が、議員については議長が、町民に対する説明会を開かなければならない。この場合において、当該町長等又は議員は、説明会に出席し釈明するものとする。
2 前項の説明会において、町民は、当該町長等又は議員に質問することができる。
3 第1項に定める説明会の開催の手続その他その運営に関し必要な手続事項は、町長及び議長においてこれを定めるものとする。
(贈収賄罪による第一審有罪判決後の説明会)
第17条 前条の規定は、町長等又は議員が前条の罪により第一審有罪の判決を受け、なお引き続きその職にとどまろうとする場合に準用する。
(贈収賄罪確定後の措置)
第18条 町長等又は議員が前条の有罪判決を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、町長又は議会は、その名誉と品位を守り町民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 議会は、前項の議員に議会の名誉と品位を損なう重大な行為があると認めるときは、地方自治法第134条及び第135条の規定に基づき懲罰を科することができる。
(贈収賄罪確定後の立候補の辞退)
第19条 町長等及び議員が贈収賄罪の有罪判決を受け、その刑が確定したときは、それ以後は町長又は町議会議員の選挙の候補者となることを辞退するよう努めなければならない。
(公共事業の契約に対する遵守事項)
第20条 町長等及び議員の配偶者及び一親等内の親族又は同居の親族は、町が行う請負その他の契約並びに下請工事を辞退し、いやしくも町民に対し疑惑の念を生じさせるようなことがあってはならない。
2 町長等及び議員の配偶者及び一親等内の親族又は同居の親族が無限責任社員、取締役若しくはこれらに準ずべき者となっている法人は、前項の規定を適用する。
(規則への委任)
第21条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、平成11年1月1日から施行する。
附 則(平成17年3月22日条例第10号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附 則(平成18年12月18日条例第37号)
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成21年3月19日条例第8号)
この条例は、平成21年4月1日から施行する。