○粕屋町文化財保護条例
(昭和55年4月3日条例第1号) |
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第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、国及び県の指定を受けた文化財以外の町内に存する文化財で町にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化の向上に資するとともに、豊かな情操と郷土意識の昂揚に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画、工芸品、古文書その他有形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、技術その他無形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、信仰、年中行事などに関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる被服、家具その他の物件で町民の生活の推移の理解のために欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 古墳、城跡その他の遺跡で町にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、山岳その他の名勝地で町にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物、植物で稀なもの及び自然保護の面で価値の高いもの(以下「史跡名勝天然記念物」という。)
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第3条 粕屋町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 町指定文化財
(指定)
第4条 教育委員会は、町内に存する文化財のうち町にとって重要なものを粕屋町指定文化財に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ、指定しようとする文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに当該文化財の所有者及び権原に基づく占有者に文書で通知を行うことによりその効力を生じる。
(解除)
第5条 町指定文化財がその価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 町指定文化財について、国又は県の文化財として指定があったときは、町指定文化財の指定は解除し、教育委員会は、その旨を告示するとともに所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
3 町指定文化財の指定の解除の通知を受けた所有者は、速やかに指定書を教育委員会に返付しなければならない。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第6条 町指定文化財の所有者は、この条例及びこれに基づいて定める教育委員会規則等に従い、町指定文化財を保護しなければならない。
2 町指定文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該町指定文化財の管理の責に任すべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者又は占有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したときも同様とする。
(所有者の変更等)
第7条 町指定文化財の所有者が所有者の変更をしようとするときは、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 町指定文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失、毀損等)
第8条 町指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくは毀損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者又は管理責任者は速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第9条 町指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者又は管理責任者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理費の補助)
第10条 町指定文化財の管理又は修理につき、天災地変等のため多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、町はその経費の一部を当該所有者に対して予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会はその補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは当該管理又は修理について指揮監督することができる。
(補助金の返還等)
第11条 前条第1項の規定による補助金の交付を受けた所有者が目的以外に補助金を使用したり、管理又は修理に関して条例、規則に違反したときは、町は当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずる。
(管理又は修理に関する要請)
第12条 町指定文化財の管理が適当でないため、当該町指定文化財が滅失し、毀損し、若しくは盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を要請することができる。
2 町指定文化財が毀損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は所有者又は管理責任者に対しその修理について必要な要請をすることができる。
(現状変更の制限)
第13条 町指定文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については現状を維持する措置又は非常災害のために必要な応急措置をとる場合、保存に影響を及ぼす行為については影響が軽微である場合は、この限りではない。
2 教育委員会は、前項の許可を与える場合において、その許可の条件として、同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
3 教育委員会は、第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、当該許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は当該許可を取り消すことができる。
(調査)
第14条 教育委員会は、必要があると認めるときは、町指定文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況について報告を求めることができる。
第3章 文化財保護委員会
(設置等)
第15条 教育委員会に粕屋町文化財保護委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、文化財の保存及び活用に関し、教育委員会の諮問に応ずるとともに、必要な調査及び研究を行うものとする。
3 委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(諮問)
第16条 教育委員会は、次の各号に掲げる場合においては、あらかじめ委員会の意見を聴かなければならない。
(1) 第4条第1項の規定により指定を行おうとするとき。
[第4条第1項]
(2) 第5条第1項の規定により指定の解除を行おうとするとき。
[第5条第1項]
第4章 補則
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が別に定める。
附 則
この条例は、昭和55年10月1日から施行する。
附 則(令和2年3月23日条例第6号)
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この条例は、令和2年4月1日から施行する。