○三股町環境基本条例
(平成24年6月27日条例第20号)
目次

第1章 総則(第1条-第6条)
第2章 環境の保全に関する基本的施策
第1節 施策の基本指針等(第7条・第8条)
第2節 環境の保全のための施策等(第9条-第18条)
第3節 地球環境の保全の推進等(第19条)
第4節 環境の保全のための施策の推進体制(第20条)
第3章 三股町環境審議会(第21条-第27条)
第4章 補則(第28条)
附則

わたしたちのふるさと三股町は、「花と緑と水の町」をキャッチフレーズとし、明るいひざしと青い空、緑広がる大地と清流にはぐくまれた自然豊かな町であり、その恵みは遠い昔から今日に至るまでわたしたち町民に多くの恩恵をもたらしてきた。
 しかし、資源やエネルギーを大量に消費する現代の社会活動は、豊かな生活をもたらす一方で、環境への負荷を増大させ、自然の生態系に影響を及ぼし、さらには地域の環境のみならず、人類の生存の基盤である地球環境まで脅かされるに至っている。
 このため、わたしたちは、環境が有限であることを深く認識し、自然との共生を図り、環境への負荷の少ない持続的で発展可能な循環社会の構築を目指して、新たな取組を展開していかなければならない。
 この、豊かな自然環境に恵まれたわたしたちのふるさと「みまた」を次の世代に引き継いでいくのは、わたしたち町民の責務である。ここに、わたしたち町民全ての参加の下に、「人と自然が共生する豊かで美しいふるさとみまた」を創造していくため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全について基本理念を定め、町、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の町民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに町民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は、町民が健康で文化的な生活を営む上で欠くことのできないものであり、健全で恵み豊かな環境の恩恵を享受するとともに、良好な環境を将来の町民に継承するため、人と自然との共生が将来にわたって確保されるように適切に行われなければならない。
2 環境の保全は、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会を構築することを目的として、全ての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的な取組により行われなければならない。
3 地球環境の保全は、地域の環境が地球全体の環境にも関わっていることに鑑み、全ての事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、基本理念にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 町は、前項の規定による施策の策定及び実施に当たっては、国及び県並びに他の地方公共団体と連携を図っていくように努めるものとする。
(町民の責務)
第5条 町民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活において、廃棄物の減量、資源の有効な利用等により環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、町民は、環境の保全に自ら努めるとともに、町が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減、その他環境の保全に自ら積極的に努めるとともに、町が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
第2章 環境の保全に関する基本的施策
第1節 施策の基本指針等
(施策の基本指針)
第7条 環境の保全に関する施策の策定及び実施は、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ、総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1) 町民の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。
(2) 共生を基調とし、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全され、生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られること。
(3) 潤いと安らぎのある快適な環境が保全され、人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。
(4) 循環を基調とし、資源の循環利用、エネルギーの有効利用、水の循環構造の保全等が積極的に推進されること。
(環境基本計画)
第8条 町長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、三股町環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 町長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ三股町環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 町長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
第2節 環境の保全のための施策等
(施策の策定等に当たっての配慮)
第9条 町は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図り、環境の保全について配慮しなければならない。
(規制の措置)
第10条 町は、騒音、振動、悪臭その他の公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
2 町は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
3 前2項に定めるもののほか、町は、町民の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため、第1項に規定する措置に準じて必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。
(誘導的措置)
第11条 町は、事業者又は町民が自らの行為に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとるように誘導することにより環境の保全上の支障を防止するため、必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(環境の保全に関する施設の整備等の推進)
第12条 町は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設その他の環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 町は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
3 町は、水と緑に親しむ生活空間、良好な景観、歴史的文化的な環境その他の快適な環境の保全を図るため、必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(資源の循環的な利用等の促進)
第13条 町は、環境への負荷の低減を図るため、町民及び事業者と協力して、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効な利用が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
2 町は、環境への負荷の低減を図るため、町民及び事業者と協力して、廃棄物の減量、再生利用及び適正な処理が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全に関する教育、学習等)
第14条 町は、町民及び事業者が環境の保全についての理解を深めるとともに、これらの者の自発的な環境の保全に関する活動が促進されるように、生涯を通じた環境の保全に関する教育及び学習を振興し、並びに環境の保全に関する広報活動を充実するため、必要な措置を講ずるものとする。
(町民等の自発的な活動の促進)
第15条 町は、町民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動、河川浄化活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(情報の提供)
第16条 町は、第14条の規定による環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに前条の規定による環境の保全に関する活動の促進に資するため、個人及び法人その他の団体の権利利益の保護に配慮しつつ、環境の状況その他の環境保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。
(調査等の実施)
第17条 町は、環境の保全に関する施策を策定し、及び適正に実施するため、公害の防止、自然環境の保全その他の環境の保全に関する事項について、必要な調査等を実施するものとする。
(監視等の体制整備)
第18条 町は、環境の状況を把握し、及び環境保全に関する施策を適正に実施するため、必要な監視、巡視等の体制の整備に努めるものとする。
第3節 地球環境の保全の推進等
(地球環境の保全の推進)
第19条 町は、地球環境の保全に資するため、町、事業者並びに町民それぞれの役割に応じた地球環境の保全に関する行動の指針を定め、その推進を図るものとする。
2 町は、国及び県並びに関係機関と連携し、環境の保全に関する技術及び情報の提供等を行うことにより、地球環境の保全に関する国際協力のための活動の推進に努めるものとする。
第4節 環境の保全のための施策の推進体制
(環境保全施策の推進)
第20条 町は、環境の保全及び再生に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、町の機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図るための体制を整備するものとする。
2 町は、環境の保全のための施策を、事業者、町民及び民間団体と連携して推進するための体制を整備するものとする。
第3章 三股町環境審議会
(設置)
第21条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、三股町環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
(所掌事務)
第22条 審議会は、次に掲げる事務を行う。
(1) 環境基本計画に関し、第8条第3項に規定する事項を処理すること。
(2) 環境の保全に関する基本的事項及び重要事項を審議すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、町長が諮問した事項を審議すること。
(組織)
第23条 審議会は、委員15人以内で組織する。
(委員)
第24条 委員は、次に掲げる者のうちから、町長が任命し、又は委嘱する。
(1) 学識経験を有する者
(2) 民間団体等の代表者
(3) 関係行政機関の職員
(4) 前3号に掲げる者のほか、町長が適当と認めた者
2 委員の任期は、2年とし再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長)
第25条 審議会に会長を置き、委員の互選によってこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、あらかじめ会長の指定する委員がその職務を代理する。
(会議)
第26条 審議会の会議は、会長が招集し議長となる。
2 審議会は、委員の過半数の出席がなければ会議を開き、議決することができない。
3 審議会の議事は出席委員の過半数で決し、可否同数のときは議長の決するところによる。
(庶務)
第27条 審議会の庶務は、環境水道課において処理する。
第4章 補則
(委任)
第28条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成24年7月1日から施行する。
(三股町環境審議会条例の廃止)
2 三股町環境審議会条例(昭和47年三股町条例第29号)は、廃止する。
(審議会の委員に関する経過措置)
3 この条例の施行の際、現に前項の規定による廃止前の三股町環境審議会条例第3条の規定により委嘱されている委員は、第24条の規定により委嘱されたものとみなす。この場合において、当該委員の任期は、同条第2項の規定にかかわらず、平成26年3月31日までとする。