○新潟大学における生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分に関する取扱規程
(令和3年3月15日規程第36号) |
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(趣旨)
第1条 この規程は,新潟大学(以下「本学」という。)における,生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書(平成29年8月20日発効。以下「議定書」という。)及び遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針(平成29年5月18日財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・環境省告示第1号。以下「指針」という。)の的確かつ円滑な実施について必要な事項を定め,遺伝資源及び遺伝資源に関連する伝統的な知識の適法な取得と利用を行い,本学の教育研究活動の推進を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この規程における用語の意義は,法律その他関係法令等に規定するもののほか,次のとおりとする。
(1) 職員 国立大学法人新潟大学職員就業規則(平成16年規則第20号)第4条,国立大学法人新潟大学非常勤職員就業規則(平成16年規則第21号)第2条及び国立大学法人新潟大学特任教員等就業規則(平成18年3月31規則第2号)第2条に規定する職員をいう。
[国立大学法人新潟大学職員就業規則(平成16年規則第20号)第4条] [国立大学法人新潟大学非常勤職員就業規則(平成16年規則第21号)第2条] [国立大学法人新潟大学特任教員等就業規則(平成18年3月31規則第2号)第2条]
(2) 学生等 本学の学生及び本学の各種制度等に基づいて受け入れる研究生等をいう。
(3) 部局 各学部,各学系,医歯学総合病院,各附置研究所,各全学共同教育研究組織,各機構,各本部及び附属学校部をいう。
(4) 提供国法令 議定書第15条1又は第16条1に規定する提供国の国内の遺伝資源又は遺伝資源に関連する伝統的な知識の取得の機会及び利益の配分に関する法令であって,議定書第14条2(a)の規定により国際クリアリングハウスに提供されたものをいう。
(5) 遺伝資源 遺伝の機能的な単位を有する植物,動物,微生物その他に由来する素材であって,現実の又は潜在的な価値を有するものをいう。ただし,以下に掲げるものにあっては,本規程を適用しない。
イ 核酸の塩基配列等の遺伝資源に関する情報(遺伝資源に関連する伝統的な知識に該当するものを除く。)
ロ 人工合成核酸(生物から取り出された断片を含まないものに限る。)
ハ 遺伝の機能的単位を有しない生化学的化合物
ニ ヒトの遺伝資源
ホ 遺伝資源又は遺伝資源に関連する伝統的な知識であって,議定書が我が国について効力を生ずる日前に提供国から取得されたもの
ヘ 一般に遺伝資源の利用の目的以外の目的のために販売されている遺伝資源であって,遺伝資源の利用を目的とせずに購入されたもの
ト 遺伝資源の利用であって食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約が適用される遺伝資源,及びその他の議定書適用外の遺伝資源の利用(議定書の適用される遺伝資源の利用に該当しない行為をいう。)が適用されるもの
(6) 遺伝資源等 遺伝資源又は遺伝資源に関連する伝統的な知識であって,提供国法令が適用されるものをいう。
(7) 提供者 提供国における当該遺伝資源等の管理者をいう。
(8) 許可証等 議定書第6条3(e)の規定により,提供国の国内の遺伝資源又は遺伝資源に関連する伝統的知識の取得の機会を得る際に提供国法令の下発給される許可証(Prior Informed Consent;PIC)又はこれに相当するものをいう。
[第6条]
(9) 国際遵守証明書 議定書第17条2に規定する国際的に認められた遵守の証明書として国際クリアリングハウスに提供された許可証等をいう 。
(管理体制)
第3条 学長は,職員及び学生等が関わる遺伝資源等の取得と利用に関して最終的な責任を有する。
2 前項に係る業務を総括するため,総括責任者を置き,学長が指名する理事をもって充てる。
3 総括責任者は,提供国法令,法律その他関係法令等及びこの規程に定めるところにより,本学における適法な遺伝資源等の取得と利用に関し必要な措置を講じなければならない。
4 総括責任者は,第10条の報告により学長が必要と判断した場合は,遺伝資源等の取扱いに関する調査等を行い,本学における状況等について把握し,学長に報告する。
[第10条]
5 部局長は,当該部局における適法な遺伝資源等の取得と利用について総括し,前項の調査等に協力しなければならない。
6 総括責任者の指示のもと,遺伝資源等の取得と利用等に関する事務手続きについては 研究企画推進部において処理する。
(遺伝資源等の取得の機会と法令遵守)
第4条 職員は,提供国法令が適用される遺伝資源等の取得の機会を得たい場合は,次に掲げる手続きをしなければならない。ただし,学生等においては,指導する教員が責任を持って手続きを行うものとする。
(1) 提供国法令及び法律その他関係法令等に基づく遺伝資源等の取得のための手続き
(2) 提供国の権限ある機関から与えられる許可証等の取得及び提供者との提供条件に係る契約締結の手続き
(3) 遺伝資源等の輸入に伴う我が国関連法令等に関する手続き
(遺伝資源等の取得等に係る申出)
第5条 職員は,前条の規定に基づき,次に掲げる事由により遺伝資源等の取得等の機会を得たい場合は,別に定める手続きにより,学長に申出を行うものとする。
(1) 遺伝資源等を自ら取得して我が国への輸入を希望する場合。
(2) 遺伝資源等を他人から譲り受けて我が国への輸入を希望する場合。
(3) 遺伝資源等を我が国において譲り受けることを希望する場合(前2号を除く。)。ただし,当該遺伝資源等は,譲り渡し者が提供国法令に従い合法的に入手したことを証する許可証等又は証明書が備わっており,かつ,利益配分等を含む契約(以下「原契約」という。)が提供国の原提供者と締結されている(譲り渡し者が2次以降の譲り渡し者の場合は,原契約に準拠した契約(以下原契約も含めて「原契約等」という。)を締結している。)と確認されたものに限る。
(4) 前3号の事由によらず取得等を希望する場合
(遺伝資源等の取得等に係る承認)
第6条 前条の申出については,総括責任者が内容についての確認又は調査結果等を学長へ報告し,学長が承認する。
2 学長は,前項の承認に基づく契約締結に係る権限を部局長又は当該職員へ委任する。
(許可証等の取得及び契約の締結)
第7条 部局長又は職員は,学長が第5条第1号の取得を承認した場合は,提供国法令に基づき,許可証等の取得及び遺伝資源等の提供者との契約締結を行うものとする。
[第5条第1号]
2 部局長又は職員は,学長が第5条第2号の譲り受けを承認した場合は,当該遺伝資源等の提供者との契約締結を行い,当該遺伝資源等が提供国法令に基づき合法的に取得された旨の証明書の写しを取得するものとする。
[第5条第2号]
3 前項の場合において,提供国法令が提供国内において当該遺伝資源等を他人から譲り受けるにあたり許可証等の取得を求めている場合は,部局長又は職員は当該許可証等を取得するものとする。
4 部局長又は職員は,学長が第5条第3号の譲り受けを承認した場合は,当該遺伝資源等が提供国法令に基づき合法的に取得されたと確認できる証明書及び原契約等を含む書類一式(以下「書類一式」という。)の写しを譲り渡し者から入手し,原契約等に準拠した契約を譲り渡し者と締結するものとする。
[第5条第3号]
5 部局長又は職員は,契約の締結にあたり当該遺伝資源等の利用から生じる利益について配分を求められる場合は,当該配分が公正かつ衡平なものになるよう努めるものとする。
(遺伝資源等の適法な取得等に係る報告)
第8条 前条第1項又は第3項の規定に該当する場合において遺伝資源等を取得又は譲り受けて我が国に輸入した職員は,当該遺伝資源等に係る証明書が国際クリアリングハウスに掲載されたときには,掲載された日から3箇月以内に,総括責任者が別に定める手続きにより,速やかに当該証明書の固有の認識記号及び当該証明書の写しを添えて学長に報告するものとする。
2 前条第2項の規定に該当する場合において遺伝資源等を譲り受けて我が国に輸入した職員は,総括責任者が別に定める手続きにより,当該遺伝資源等が提供国法令に従い合法的に取得された旨の証明書の写し及び提供者との契約書の写しを添えて学長に報告するものとする。
3 前条第4項の規定に該当する場合において遺伝資源等を譲り受けた職員は,書類一式の写しと譲り渡し者との契約書の写しを添えて学長に報告するものとする。
(人の健康に係る緊急事態)
第9条 前条第1項の規定は,国際保健規則で定める緊急事態又は人の健康に対する緊急事態と認められる事態に対処するための遺伝資源(以下「緊急資源」という。)の取得については適用しない。
2 職員が緊急資源を取得した場合は,緊急事態の収束として認められる条件を満たした日から5箇月以内に,総括責任者が別に定める手続きを証明書の写しを添えて行うものとする。
3 緊急事態の発生及び収束の時点を特定することが困難な場合は,当該事態に対処するための遺伝資源を取得した日から11箇月以内に,証明書の写しを添えて学長に報告するものとする。
(提供国法令の違反に係る情報の提供)
第10条 提供国法令違反について関係省庁から情報提供の要請があった場合は,当該要請のあった事案に関係する職員は,その遺伝資源等の取得、輸入及び利用その他の取扱いに関する提供国法令の違反についての情報を,速やかに学長に報告しなければならない。
(遺伝資源利用関連情報の提供)
第11条 第8条の規定に基づく報告において自ら遺伝資源等を利用する旨を報告した職員は,報告した日から4年6箇月経過した後,当該遺伝資源等の利用に関連する情報を学長に報告するものとする。ただし,報告した日から4年6箇月以内に利用が終了したときは,終了の旨を学長に報告するものとする。
[第8条]
(環境大臣への報告)
第12条 指針第2章第1の1から3まで,第2及び第5の1(3)の規定に基づく環境大臣への報告並びに指針第2章第4の1及び第5の1(1)の規定に基づく情報の提供は,指針の定めるところにより,学長が行うものとする。
2 指針第2章第1の3及び第5の1(3)の規定に基づく環境大臣への報告については,学長がその可否を判断するものとする。
(雑則)
第13条 この規程に定めるもののほか,遺伝資源等の取得等の取扱いについて必要な事項は,別に定める。
附 則
この規程は,令和3年4月1日から施行する。