○新潟大学家畜伝染病発生予防規程
(令和3年9月10日規程第59号) |
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第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号。以下「家伝法」という。) その他関係法令に基づき、新潟大学 (以下「本学」という。) において取扱う家畜伝染病病原体又は届出伝染病等病原体 (以下「監視伝染病病原体」という。) を含む家畜の伝染性疾病の病原体の安全管理に関し必要な事項を定め、家畜伝染病又は届出伝染病 (以下「監視伝染病」という。) を含む家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止を図ることを目的とする。
2 本学における監視伝染病病原体の取扱いに関しては,家畜伝染病予防法 (昭和26年法律第166号。以下「家伝法」という。) によるものとし,この規程を家畜伝染病予防法施行規則第56条の18第1項に規定する家畜伝染病発生予防規程として取り扱うものとする。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 病原体等 ヒト又は動物の生体内で何らかの機構により危害を及ぼすものであって,原核生物,真菌,ウイルス,ウイロイド,原虫,寄生虫,プリオン及び毒素をいう。
(2) 監視伝染病病原体 病原体等のうち家畜伝染病予防法施行規則(昭和26年農林省令第35号。以下「家伝法施行規則」という。)に規定する重点管理家畜伝染病病原体,要管理家畜伝染病病原体及び届出伝染病等病原体をいう。
(3) 家畜伝染病病原体 重点管理家畜伝染病病原体及び要管理家畜伝染病病原体をいう。
(4) 安全管理 病原体等への非意図的ばく露又は漏出事故を防止すること及び病原体等の紛失,盗難,不正流用,意図的放出,濫用等を防止することをいう。
(5) 監視伝染病病原体取扱従事者 実際に監視伝染病病原体の取扱いに従事する者をいう。
(6) 監視伝染病病原体取扱責任者 監視伝染病病原体取扱従事者のうち,個々の病原体等の取扱いについて責任を負う者をいう。
(7) 病原体等取扱主任者 前号に定める監視伝染病病原体取扱責任者のうち,家畜伝染病病原体を取り扱う者で、家伝法に基づき学長が選任した者をいう。
(8) 実験室 病原体等の取扱いを行う実験室をいい,学長が認定したものをいう。
(9) 監視伝染病実験室 前号に定める実験室のうち,監視伝染病病原体の取扱いを行う実験室をいう。
(10) 管理区域 病原体等を取り扱う実験室,前室,保管室,滅菌室等の病原体等を用いた検査,実験等の実施に必要な室又は施設が設置された区域であって,病原体等の安全な管理が必要な区域をいう。
(11) 実験室管理者 実験室を含む管理区域の維持管理等について責任を負う者をいう。
(12) 部局等 病原体等の取扱いを行う各学系,各学部,各機構,各センター,医歯学総合病院及び各附置研究所をいう。
(13) 委員会 新潟大学病原体等安全管理委員会をいう。
第2章 安全管理体制
(学長の責務)
第3条 学長は,家畜の伝染性疾病の病原体の取扱いについて包括的に責任を負うものであり,次の各号に掲げる任務を果たすものとする。
(1) 監視伝染病病原体所持者として法令等に基づく必要な手続を行うこと
(2) 病原体等取扱主任者を選任すること
(3) 部局等の長から申請があった事項について委員会に諮問し,審議結果を受けて可否を決定すること
(4) 監視伝染病病原体の取扱いについて,改善の勧告,変更,一時停止及び承認の取消しを行うこと
(5) 監視伝染病病原体取扱従事者の健康診断に関すること
(6) 監視伝染病病原体取扱従事者に病原体等による感染が疑われる場合の措置等に関すること
(7) その他家畜の伝染性疾病の病原体の取扱いに係る安全管理に関して必要な事項を実施すること
(部局の長の責務)
第4条 監視伝染病病原体を取り扱う部局等の長は,当該部局における監視伝染病病原体の取扱いについて責任を負うものであり,次の各号に掲げる任務を果たすものとする。
(1) 監視伝染病病原体取扱責任者から,監視伝染病病原体の取扱いの申請があった場合にこれを受理し,学長に申請を行うこと
(2) 病原体等取扱主任者を学長に推薦すること
(3) 監視伝染病実験室の設置について学長に申請を行うこと
(4) 監視伝染病病原体の取扱いについて,改善の勧告,変更,一時停止及び承認の取消しを学長に申し出ること
(5) 監視伝染病病原体取扱従事者の健康管理に関すること
(6) その他監視伝染病病原体の取扱いに係る安全管理に関して必要な事項を実施すること
(安全管理委員会)
第5条 本学における監視伝染病病原体の安全管理に関する事項を調査審議するため,新潟大学病原体等安全管理委員会(以下「委員会」という。) を置く。
2 委員会に関し必要な事項は,別に定める。
(監視伝染病病原体取扱責任者)
第6条 監視伝染病病原体取扱責任者は,監視伝染病病原体の取扱いに際して,法令等,この規程及び新潟大学病原体等安全管理マニュアル(以下「マニュアル」という。) を十分に遵守し,監視伝染病病原体の適切な管理・監督にあたるものとする。
2 監視伝染病病原体取扱責任者は,次の各号に掲げる任務を果たすものとする。
(1) 監視伝染病病原体の保管,使用及び滅菌等について,第14条に従い適切に実施すること
[第14条]
(2) 監視伝染病病原体取扱従事者に対して,実験の安全管理に関する適切な指導及び助言を行うこと
(3) 監視伝染病病原体取扱従事者に対して,委員会が実施する教育訓練を受講させ,その記録を5年間保存すること
(4) 監視伝染病病原体に係る帳簿を備え,第16条に定める事項に関して記録し,その記録を5年間保存すること
[第16条]
(5) 監視伝染病病原体の運搬について,家伝法施行規則の規定に基づく運搬の基準及びマニュアルに従い行うこと
(6) 家畜の伝染性疾病の病原体の輸入について,家伝法および家伝法施行規則に定める必要な手続きを行うこと
(7) 農林水産大臣又は関係機関が実施する立ち入り検査における立会に関すること
(8) 監視伝染病病原体の取扱いにかかる情報セキュリティ管理を適切に行うこと
(9) その他監視伝染病病原体の取扱いに係る安全管理に関して,必要な事項を実施すること
(病原体等取扱主任者)
第7条 学長は,家畜伝染病病原体を所持する部局に,病原体等取扱主任者を置く。
2 病原体等取扱主任者は,法令等及びこの規程を熟知するとともに,病原体等の取扱いの知識経験に関する要件として農林水産省令で定めるものを備える者でなければならない。
(監視伝染病病原体取扱従事者)
第8条 監視伝染病病原体取扱従事者が管理区域において監視伝染病病原体を取り扱うときは,法令等に定めるもののほか,この規程の定めるところによる。
2 監視伝染病病原体取扱従事者は,第17条に規定する教育訓練を受講しなければならない。
[第17条]
3 監視伝染病病原体取扱従事者は,第18条に規定する健康診断を受診しなければならない。
[第18条]
4 監視伝染病病原体取扱従事者は,監視伝染病病原体の取扱いにかかる情報セキュリティ管理を適切に行わなければならない。
5 その他監視伝染病病原体の取扱いに係る安全確保に関して,必要な事項を実施すること。
(管理区域等の施設管理)
第9条 実験室管理者は,本学における管理区域の施設及び設備を,別表第1に定める基準に従い,安全に管理しなければならない。
[別表第1]
2 監視伝染病病原体を取り扱う実験室及び保管施設の出入口には,農林水産大臣が指定する国際バイオハザード標識を表示しなければならない。
3 実験室管理者は,1年に1回以上,管理区域内の施設ならびに関連機器の点検を実施し,その内容を記録し,これを5年間保存しなければならない。
4 実験室管理者は,前項の点検の結果,是正措置等が必要と認めた場合は,必要な対策を講じ,その内容を記録し,これを5年間保存しなければならない。
(管理区域への立入り)
第10条 管理区域に立ち入る者は,あらかじめ実験室管理者の許可を得なければならない。
2 実験室管理者は,この規程又は法令等に違反した者について,管理区域への立入りを禁止又は制限することができる。
3 監視伝染病病原体取扱者以外の者が,保守点検等のために管理区域へ立ち入る場合は,身分を証明するものを携帯しなければならない。
4 実験室管理者は,監視伝染病病原体取扱従事者以外の者が保守点検等により管理区域に立ち入る場合は,立入者に対して,遵守事項の説明及び適切な指示をしなければならない。
5 監視伝染病病原体取扱責任者と実験室管理者が異なる場合は,当該監視伝染病病原体取扱責任者は,第2項の禁止又は制限及び前項の説明及び指示を行うことができる。
(情報セキュリティ管理)
第11条 監視伝染病病原体取扱責任者及び監視伝染病病原体取扱従事者は,監視伝染病病原体の取扱いにかかる情報セキュリティを管理し,委員会は提出された監視伝染病病原体の情報セキュリティ管理を適切に行わなければならない。
第3章 病原体等の取扱い
(監視伝染病病原体の所持)
第12条 監視伝染病病原体取扱責任者は、家畜伝染病病原体を所持しようとするときは、有体物管理システムにより申請し,所属部局等の長を経由して学長の許可を得なければならない。
2 監視伝染病病原体取扱責任者は,家畜伝染病病原体を所持する場合は,前項の許可を得るとともに,監視伝染病病原体所持者である学長を通じて法令等に定める必要な手続きを行わなければならない。
3 家畜伝染病病原体は,法第46条の5第1項本文の規定による農林水産大臣の許可を受けた後でなければ,これを所持することができない。
(輸入)
第13条 監視伝染病病原体取扱責任者は,監視伝染病病原体又は家畜の伝染性疾病の病原体であって既に知られているもの以外のもの(以下「監視伝染病の病原体」という。) 及び届出病原体を輸入しようとするときは,当該病原体の輸送を開始する日前に有体物管理システムにより申請し,所属部局等の長を経由して学長の許可を得なければならない。
(監視伝染病病原体の保管,使用,滅菌等)
第14条 監視伝染病病原体取扱責任者は,監視伝染病病原体の保管,使用及び滅菌等について,別表第2に定める基準及びマニュアルに定める方法に従って行わなければならない。
[別表第2]
2 監視病原体取扱責任者は,家伝法第46条の11第1項各号のいずれかに該当することとなった場合は,当該家畜伝染病病原体を滅菌若しくは無害化(以下「滅菌等」という。) 又は譲渡しなければならない。
3 監視伝染病病原体取扱責任者は,前項の規定により家畜伝染病病原体を滅菌等又は譲渡(以下「滅菌譲渡」という。)することになった場合は,有体物管理システムにより申請し,所属部局等の長を経由して学長の許可を得るとともに,法令等で定める事項について,家畜伝染病病原体所持者である学長を通じて,速やかに農林水産大臣に届け出なければならない。
4 監視伝染病病原体取扱責任者は,届出伝染病病原体を滅菌等する場合は,有体物管理システムにより申請し,所属部局等の長を経由して学長の許可を得なければならない。ただし,第2項の定めに従い監視伝染病病原体取扱責任者が家畜伝染病病原体の滅菌を行う場合は,第3項の手続きによる。
(監視伝染病病原体の譲渡,分与,運搬)
第15条 監視伝染病病原体取扱責任者は,監視伝染病病原体を譲渡又は分与しようとするときは,有体物管理システムにより申請し,所属部局等の長を経由して学長の許可を得なければならない。ただし,前条第2項の定めに従い監視伝染病病原体取扱責任者が家畜伝染病病原体の譲渡を行う場合は,前条第3項の手続きによる。
2 監視伝染病病原体の運搬については,法令等に定める運搬の基準及びマニュアルに従わなければならない。
3 監視伝染病病原体の学内の運搬については,外部の不審者等による監視伝染病病原体の奪取並びに漏えい等による汚染及び感染を防止するため,複数の者で,かつ,専用の容器を用いて運搬しなければならない。
(記帳義務)
第16条 監視伝染病病原体取扱責任者は,監視伝染病病原体の所持に関する帳簿を整え,次に掲げる事項について記載しなければならない。
(1) 監視伝染病病原体の保管に関すること
(2) 監視伝染病病原体の使用及び滅菌等に関すること
(3) 実験室への立入りに関すること
(4) 管理区域の施設の点検に関すること
(5) 教育訓練の実施に関すること
(6) その他監視伝染病病原体の所持及び管理に関すること
2 帳簿は1年ごとに閉鎖し,これを5年間保存しなければならない。
(教育訓練)
第17条 監視伝染病病原体取扱責任者は,監視伝染病病原体取扱従事者に,監視伝染病病原体の安全管理に必要な知識及び技術の向上を図るため,委員会が実施する次に掲げる事項に関する講習会等の教育訓練を,当該監視伝染病病原体取扱従事者が初めて管理区域に立ち入る場合にあってはその前に,その後は3年を超えない期間ごとに実施しなければならない。
(1) 監視伝染病病原体の性質に関すること
(2) 監視伝染病病原体の管理に関すること
(3) この規程及び法令等に関すること
第4章 健康管理
(健康診断)
第18条 学長は,監視伝染病病原体取扱従事者の健康管理について,職員においては労働安全衛生規則,学生においては学校保健安全法施行規則の定めるところにより,少なくとも年1回,定期に健康診断を受けさせなければならない。
2 学長は,前項の健康診断の結果,監視伝染病病原体取扱従事者への監視伝染病病原体の感染を認めたときは,必要に応じて調査委員会を設置し,原因究明及び再発防止の措置を行う。
(病気等の報告等)
第19条 監視伝染病病原体取扱従事者は,自己に監視伝染病病原体による感染が疑われる場合は,直ちに所属部局等の長及び監視伝染病病原体取扱責任者に報告しなければならない。
2 所属部局等の長は,前項の報告を受けたときは,直ちに当該監視伝染病病原体取扱従事者の感染の有無について検査しなければならない。
3 所属部局等の長は,第1項の報告を受けた場合において,前項の検査の結果,当該監視伝染病病原体取扱従事者が監視伝染病病原体に感染したと認められるとき,又は医学的に不明瞭であるときは,直ちに学長及び委員会に報告しなければならない。
第5章 異常事態発生時の対応
(ばく露の対応)
第20条 次に掲げる事態が発生した場合は,これをばく露として取り扱う。
(1) 外傷,吸入,粘膜ばく露等により,監視伝染病病原体が監視伝染病病原体取扱従事者の体内に入った可能性がある場合
(2) 管理区域内の安全設備の機能に重大な異常が発見された場合
(3) 監視伝染病病原体により,管理区域内が広範に汚染された場合
(4) 第18条第2項に規定する事案が認められた場合
[第18条第2項]
(5) 前条第1項に規定する報告があった場合
2 前項第1号から3号のばく露があった場合は,部局等の長は委員会及び監視伝染病病原体取扱責任者と協力して必要な応急処置を講じ,学長に報告しなければならない。
3 第1項第4号及び第5号のばく露があった場合は,それぞれ第18条及び第19条の定めるところによる。
(事故及び災害時の対応)
第21条 監視伝染病病原体を紛失した場合,又は管理区域において火災,地震その他の災害が発生した場合,若しくは発生するおそれがある場合は,発見者は直ちに監視伝染病病原体取扱責任者に通報しなければならない。
2 監視伝染病病原体取扱責任者は,前項の通報を受けたときは,直ちに必要な措置を講じ,速やかに部局等の長へ通報しなければならない。
3 前項の通報を受けた部局等の長は,委員会へ通報し,直ちに必要な措置を講ずるとともに,速やかに異常事態発生の状況及び応急措置等について,学長に報告しなければならない。
4 前項の通報を受けた学長は,直ちに必要な措置を講ずるとともに,速やかに異常事態発生の状況及び応急措置等について農林水産大臣並びに関係する機関に報告しなければならない。
第6章 雑則
(雑則)
第22条 この規程に定めるもののほか,監視伝染病病原体の安全管理に関し必要な事項は,委員会が別に定める。
附 則
この規程は,令和3年10月1日から施行する。
附 則(令和5年3月28日規程第65号)
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この規程は,令和5年4月1日から施行する。