○北海道国立大学機構障がいを理由とする差別の解消の推進に関する役職員対応要領
(令和4年4月1日制定) |
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(目的)
第1条 この要領(以下「対応要領」という。)は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「法」という。)第9条第1項の規定に基づき、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月14日閣議決定)に即して、北海道国立大学機構(以下「機構」という。)の役職員(非常勤職員含む。以下「役職員」という。)が適切に対応するために必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この対応要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ次の各号のとおりとする。
(1) 障がい者 法第2条第1号に規定する障害者、即ち、身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がい高次脳機能障がいを含む。)その他の心身の機能の障がい(難病に起因する障がいを含む。以下「障がい」と総称する。)がある者であって、障がい及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものとし、機構における教育及び研究、その他機構が行う活動全般において、そこに参加する者すべてとする。
(2) 社会的障壁 障がいがある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
(障がいを理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方)
第3条 この対応要領において、不当な差別的取扱いとは、障がい者に対して、正当な理由なく、障がいを理由として、教育及び研究、その他機構が行う活動全般について機会の提供を拒否すること、提供に当たって場所・時間帯などを制限すること、又は障がい者でない者に対しては付さない条件を付けることなどにより、障がい者の権利利益を侵害することをいう。また、車椅子、補助犬その他の支援機器等の利用や介助者の付添い等の社会的障壁を解消するための手段の利用等を理由として行われる不当な差別的取扱いも、障がいを理由とする不当な差別的取扱いに該当する。なお、障がい者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別な措置は、不当な差別的取扱いではない。
2 前項の正当な理由に相当するか否かについては、単に一般的・抽象的な理由に基づいて判断するのではなく、個別の事案ごとに、障がい者、第三者の権利利益及び機構の教育及び研究、その他機構が行う活動の目的・内容・機能の維持等の観点に鑑み、具体的な状況等に応じて総合的・客観的に検討を行い判断するものとし、役職員は、正当な理由があると判断した場合には、障がい者にその理由を丁寧に説明し、理解を得るよう努めなければならない。その際、役職員と障がい者の双方が、お互いに相手の立場を尊重しながら相互理解を図ることが求められる。
3 この対応要領において、合理的配慮とは、障がい者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過重な負担を課さないものをいう。
4 前項の過重な負担については、単に一般的・抽象的な理由に基づいて判断するのではなく、個別の事案ごとに、次に掲げる要素等を考慮し、具体的な状況等に応じて総合的・客観的に検討を行い判断するものとし、役職員は、過重な負担に当たると判断した場合には、障がい者にその理由を丁寧に説明し、理解を得るよう努めなければならない。その際には、役職員と障がい者の双方が、お互いに相手の立場を尊重しながら、建設的対話を通じて相互理解を図り、代替措置の選択も含めて柔軟に対応を検討することが求められる。
(1) 教育及び研究、その他機構が行う活動への影響の程度(その目的・内容・機能を損なうか否か)
(2) 実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)
(3) 費用・負担の程度
(4) 機構の規模、財政・財務状況
(障がいを理由とする差別の解消に関する推進体制)
第4条 障がいを理由とする差別の解消の推進(以下「障がい者差別解消の推進」という。)のため、機構に最高管理責任者、法人総括管理責任者、大学総括管理責任者、機構本部監督責任者、大学監督責任者及び監督者を置く。
(最高管理責任者)
第5条 最高管理責任者は、理事長をもって充てる。
2 最高管理責任者は、機構における障がい者差別解消の推進及びそのための環境整備等(施設等のバリアフリー化の促進、必要な人材の配置、障がいのある入学希望者や機構内の障がいのある学生等に対する受入れ姿勢・方針の明示、情報アクセシビリティの向上等)に関し、機構全体を統括し、法人総括監督責任者、大学総括管理責任者、機構本部監督責任者、大学監督責任者及び監督責任者が適切に障がい者差別解消の推進を行うようリーダーシップを発揮するとともに、最終責任を負うものとする。
(法人総括監督責任者)
第6条 法人総括監督責任者は、理事長が指名する理事をもって充てる。
2 法人総括監督責任者は、最高管理責任者を補佐するとともに、役職員に対する研修・啓発の実施等、機構全体における障がい者差別解消の推進に関し必要な措置を講ずるものとする。
(大学総括監督責任者)
第7条 大学総括監督責任者は、次に掲げる者をもって充てる。
(1) 小樽商科大学 小樽商科大学長
(2) 帯広畜産大学 帯広畜産大学長
(3) 北見工業大学 北見工業大学長
2 大学総括監督責任者は、最高管理責任者を補佐するとともに、大学における障がい者差別解消の推進に関し、大学全体を統括する実質的な責任と権限を持つ者として、大学監督責任者とともに必要な措置を講ずるものとする。
(機構本部監督責任者)
第8条 機構本部監督責任者は、事務局長をもって充てる。
2 機構本部監督責任者は、機構本部における障がい者差別解消の推進に関し責任を有するとともに、機構本部における障がい者差別解消の推進に必要な措置を講ずるものとする。
(大学監督責任者)
第9条 大学監督責任者は、次の掲げる者をもって充てる。
(1) 小樽商科大学 小樽商科大学長が指名する副学長
(2) 帯広畜産大学 帯広畜産大学長が指名する副学長
(3) 北見工業大学 北見工業大学長が指名する副学長
2 大学監督責任者は、大学における障がい者差別解消の推進に関し責任を有するとともに、大学における障がい者差別解消の推進に必要な措置を講ずるものとする。
(監督者)
第10条 監督者は、機構本部にあっては機構本部監督責任者が指名する者を、大学にあっては大学監督責任者が指名する者をもって充てる。
2 監督者は、機構本部監督責任者又は大学監督責任者を補佐するとともに、次条に規定する責務を果たすものとする。
(監督者の責務)
第11条 監督者は、障がい者差別解消の推進のため、次の各号に掲げる事項に注意して障がい者に対する不当な差別的取扱いが行われないよう監督し、また障がい者に対して合理的配慮の提供がなされるよう努めなければならない。
(1) 日常の業務を通じた指導等により、障がいを理由とする差別の解消に関し、監督する役職員の注意を喚起し、障がいを理由とする差別の解消に関する認識を深めさせること。
(2) 障がい者から不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供に対する相談、苦情の申出等があった場合は、迅速に状況を確認すること。
(3) 合理的配慮の必要性が確認された場合、監督する役職員に対して、合理的配慮の提供を適切に行うよう指導すること。
2 監督者は、障がいを理由とする差別に関する問題が生じた場合には、機構本部監督責任者又は大学監督責任者に報告するとともに、その指示に従い、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(不当な差別的取扱いの禁止)
第12条 役職員は、その事務又は事業を行うに当たり、障がいを理由として障がい者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障がい者の権利利益を侵害してはならない。
2 役職員は、前項に当たり、別紙留意事項に留意するものとする。
(合理的配慮の提供)
第13条 役職員は、その事務又は事業を行うに当たり、障がい者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的障壁の除去の実施について状況に応じた合理的配慮の提供をしなければならない。なお、障がい者の権利・利益は性別にかかわらず保護されるべきものであるが、特に障がいのある女性に対しては、障がいに加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意する。また、障がいのある性的マイノリティについても同様に留意する。さらに、多数の障がい者が直面し得る社会的障壁をあらかじめ除去するという観点から、他の障がい者等への波及効果についても考慮した環境の整備を行うことも有効である。
2 前項の意思の表明は、言語(手話を含む。)のほか、点字、筆談、身振りサイン等による合図など障がい者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられること及び障がいの特性等により本人の意思表明が困難な場合には、障がい者の家族、介助者等のコミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含むことに留意するとともに、意思の表明がない場合であっても、当該障がい者がその除去を必要としていることが明白である場合には、当該障がい者に対して適切と思われる合理的配慮を提案するよう努めなければならない。
3 役職員は、前2項の合理的配慮の提供を行うに当たり、別紙留意事項に留意するものとする。
(相談体制の整備)
第14条 障がい者及びその家族その他の関係者からの障がいを理由とする差別に関する相談に的確に応じるための相談窓口は、次に掲げるとおりとする。ただし、これにより難い場合は、最高管理責任者が窓口を設置する。
(1) 機構本部 次に掲げるもの
イ 総務課
ロ 理事長が必要に応じて指名する者
(2) 小樽商科大学 次に掲げるもの
イ 保健管理センター
ロ 保健管理センター特別修学支援室
ハ 学生何でも相談室
ニ 学生支援課
ホ 企画総務課
ヘ 主催行事等の担当課
ト 第6条第1項第1号に掲げる者が必要に応じて指名する障がいのある役職員
(3) 帯広畜産大学 次に掲げるもの
イ 学生相談室
ロ 特別修学支援室
ハ 保健管理センター
ニ 教務課
ホ 入試課
ヘ 学生支援課
ト 企画総務課
チ 主催行事等の担当課
リ 第6条第1項第2号に掲げる者が必要に応じて指名する障がいのある役職員
(4) 北見工業大学 次に掲げるもの
イ 障がい学生支援室
ロ キャリアアップ支援センター
ハ 保健管理センター
ニ 北見工業大学が提供する事業又は施設の運営を担当する事務組織
ホ 第6条第1項第3号に掲げる者が必要に応じて指名する障がいのある役職員
(紛争の防止等のための体制の整備)
第15条 障がいを理由とする差別(正当な理由のない不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供等)に関する紛争の防止又は解決を図るための委員会等は、事案に応じて次に掲げるとおりとする。
(1) 機構本部 次に掲げるもの
イ ダイバーシティ推進委員会
ロ 理事長が設置する第三者委員会
(2) 小樽商科大学 次に掲げるもの
イ 保健管理センター運営委員会
ロ ハラスメント相談室
ハ 権利問題等調整委員会
ニ 第6条第1項第1号に掲げる者が設置する第三者委員会
(3) 帯広畜産大学 次に掲げるもの
イ 大学教育センター運営会議
ロ ダイバーシティ推進室会議
ハ 第6条第1項第2号に掲げる者が設置する第三者委員会
(4) 北見工業大学 次に掲げるもの
イ 障がい学生支援室会議
ロ 北見工業大学が提供する事業又は施設の運営を所掌する委員会
ハ 第6条第1項第3号に掲げる者が設置する第三者委員会
(役職員への研修・啓発)
第16条 機構は、障がい者差別解消の推進を図るため、役職員に対し、次の各号のとおりの研修・啓発を行うものとする。
(1) 新たに役職員となった者に対して、障がいを理由とする差別に関する基本的な事項について理解させるための研修
(2) 新たに監督者となった役職員に対して、障がいを理由とする差別の解消等に関し求められる責務・役割について理解させるための研修
(3) その他役職員に対し、障がい特性を理解させるとともに、障がい者へ適切に対応するために必要なマニュアル等による、意識の啓発
附 則
この要領は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和6年1月25日)
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この要領は、令和6年1月25日から施行する。
附 則(令和6年3月25日)
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この要領は、令和6年4月1日から施行する。