○北海道国立大学機構職務発明取扱規程
(令和4年4月1日機構規程第89号)
改正
令和7年7月29日機構規程第5号
(目的)
第1条 この規程は、北海道国立大学機構(以下「機構」という。)の役職員が行った発明等の取扱いに関する基本的事項を定め、発明者の権利を保護するとともに、知的財産の管理及び活用を図ることにより、知的財産の創出及び知的創造サイクルを促進し、もって学術研究の振興と社会への貢献に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において「発明等」とは、次の各号に掲げるものとする。
(1) 特許法(昭和34年法律第121号)第2条第1項に規定される発明
(2) 実用新案法(昭和34年法律第123号)第2条第1項に規定される考案
(3) 意匠法(昭和34年法律第125号)第2条第1項に規定される意匠の創作
(4) 種苗法(平成10年法律第83号)第2条第2項に規定される品種の育成
(5) 半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)第2条第2項に規定される回路配置の創作
(6) 著作権法(昭和45年法律第48号)第2条第1項第10号の2に規定するプログラム及び同項第10号の3に規定するデータベースの著作物の創作
(7) 商標法(昭和34年法律第127号)第2条に規定される標章の案出
(8) 前各号に掲げる以外の秘匿することが可能な技術情報であって、かつ、財産的価値を有する情報(以下「ノウハウ」という。)の案出
2 この規程において「職員等」とは、機構の役員、職員(非常勤職員を含む。)及び研究等の成果である発明等の取扱いについて機構との間で契約がなされている者をいう。
3 この規程において「職務発明」とは、職員等が機構若しくは外部からの資金その他の支援又は機構の施設、設備若しくは装置を使用して創出した発明等であって、発明等に至る行為が機構の業務範囲に属し、かつ、当該職員等の現在又は過去の職務に属するものをいう。
4 この規程において「出願等」とは、特許出願、登録出願等知的財産に関し法令で定められた権利保護のために必要な手続を行うことをいう。
5 この規程において「知的財産権」とは、次の各号に掲げるものとする。
(1) 特許法に規定する特許権、実用新案法に規定する実用新案権、意匠法に規定する意匠権、商標法に規定する商標権、種苗法に規定する育成者権及び半導体集積回路の回路配置に関する法律に規定する回路配置利用権並びに外国におけるこれらの権利に相当する権利
(2) 前号に掲げる権利を受ける権利
(3) 著作権法第2条第1項第10号の2に規定するプログラム及び同項第10号の3に規定するデータベースに係る著作権法第21条から第28条までに規定する権利並びに外国におけるこれらの権利に相当する権利
(4) 前各号に掲げる権利とならないノウハウを使用する権利
(権利の帰属)
第3条 職員等が行った職務発明に係る知的財産権は、別段の定めがない限り、原則機構に帰属するものとする。ただし、機構がその帰属の必要がないと認めたときは、職員等に帰属させるものとする。
2 職員等が職員等以外の者と共同して発明等を創出し、その発明等がその職員等の職務発明である場合は、当該職員等の有する知的財産権に関する共有持分に係る取扱いについては、前項と同様とする。
3 職員等が機構が設置する国立大学の学生と共同して発明等を創出し、その発明等がその職員等の職務発明である場合、当該学生がその発明の持分を機構へ譲渡を希望する場合には、その学生を職員等として取り扱うものとする。
(発明等の届出)
第4条 職員等は、職務発明を行ったと認識したときは、職務発明等届出書(以下「届出書」という。)により、理事長に届け出なければならない。この場合において、当該職員等が2人以上いるときは、その代表者を選定し、当該代表者が届け出るものとする。
2 前項に規定する代表者は、同項の届出の内容に変更があったときは、遅滞なく届出書により理事長に届け出るものとする。
3 理事長は、第1項の届出書を受理したときは、審査組織にその審査を付託するものとする。
(職務発明の認定等)
第5条 審査組織は、前条の規定により理事長から審査の付託を受けたときは、その発明等が職務発明であるか否かの認定を速やかに行うとともに、当該発明等が職務発明に該当すると認定したときは、その職務発明に係る知的財産権について、当該案件の産業上の利用可能性、新規性、進歩性、社会への貢献度、市場性、権利化費用、他機関との契約可能性、学術的インパクト等を総合的に勘案し、機構における権利の承継可否について、速やかに決定するものとする。
2 審査組織の長は、前項の規定による認定又は決定をしたときは、その内容を理事長に報告し、速やかに当該届出書を提出した職員等に書面で通知するものとする。
3 審査組織は、第1項の審査において必要と認めたときは、当該届出書を提出した職員等に、ヒアリングを実施することができる。
(機構が権利を承継する職務発明の取扱い)
第6条 前条第2項の規定により職務発明として機構が権利を承継する旨の通知を受けた職員等(以下「職務発明者」という。)は、その職務発明に係る知的財産権を機構に譲渡しなければならない。
2 権利を譲渡することとなった職務発明者は、「譲渡証書」を理事長へ提出しなければならない。
3 審査組織は、機構が職員等から承継した職務発明に係る知的財産権の管理及び活用について適切な措置をとるものとする。
4 機構は、承継の決定を行った職務発明に係る知的財産権について、譲渡手続完了後、速やかに出願等を行うものとする。
5 機構は、知的財産権に係る出願人、出願名義人又は登録名義人の変更の事由が生じた場合には、速やかに当該変更に必要な手続を行うものとする。
(機構が権利を承継しない職務発明の取扱い)
第7条 第5条第2項の規定により機構が権利を承継しない旨の通知を受けた職員等は、当該発明等に関して取得した特許権、実用新案権又は意匠権について、特許法第35条(実用新案法第11条第3項及び意匠法第15条第3項において準用する場合を含む。)に基づき、その通常実施権確認書を理事長に提出するとともに、その権利について権利の消滅等の変更があったときは、その旨を理事長に書面で報告しなければならない。
(制限行為)
第8条 職員等は、第5条第2項の規定により発明等が職務発明に該当しないと認定され、又は知的財産権の承継の決定が否認された後でなければ、自ら出願等をし、又は当該知的財産権を第三者に譲渡してはならない。
(発明等に係る補償金)
第9条 理事長は、機構が承継した第2条第5項第2号に規定する権利について、第2条第5項第1号に規定する権利を得たときは出願補償金及び登録補償金を職務発明者に支払うものとする。
2 理事長は、職務発明に係る知的財産権に直接由来する収益を得たときは実施補償金を職務発明者に支払うものとする。
3 職務発明者が死亡した場合には、前2項の補償金を受ける権利は、その相続人が承継する。
4 出願補償金、登録補償金及び実施補償金の額及び支払方法については、別に定める。
(異議の申立て)
第10条 届出書を提出した職員等は、第5条第1項の認定又は決定について異議があるときは、当該通知を受けた日の翌日から起算して30日以内に書面により理事長に異議を申し立てることができる。
2 理事長は、前項の規定による異議の申立てがあったときは、審査組織に対し、その審査を求めるものとする。
3 審査組織は、前項の審査結果を理事長に報告するものとする。
4 理事長は、前項の報告を踏まえ、新たな認定又は機構における権利の承継可否を決定し、当該申立てをした職員等に通知するものとする。
(守秘義務)
第11条 職務発明について、理事長、審査組織に所属する者、職務発明者及びその発明等の内容を知り得た職員等は、それが公知のものとなるまでの間、その秘密を守らなければならない。ただし、審査組織での審議を経て理事長が特に許可を与えたときは、この限りでない。
2 職務発明以外の発明等について、理事長、審査組織に所属する者及び当該発明等を行った者を除くその内容を知り得た職員等は、それが公知のものとなるまでの間、その秘密を守らなければならない。
(雑則)
第12条 この規程に定めるもののほか、発明等の取扱いに関し必要な事項は、理事長が別に定める。
附 則
1 この規程は、令和4年4月1日から施行する。
2 第4条第3項の規定にかかわらず、審査組織については、当分の間、機構が設置する国立大学において定めることができる。
3 この規程の施行前において、国立大学法人小樽商科大学職務発明等規程(平成17年度制定)、国立大学法人帯広畜産大学職務発明取扱規程(平成16年度規程第118号)又は北見工業大学職務発明規程(平成16年度北工大達第32号)に基づき届出のあった発明等は、この規程に基づき届出があったものとみなす。
附 則(令和7年7月29日機構規程第5号)
この規程は、令和7年7月29日から施行する。