○北海道国立大学機構ハラスメント及び性暴力等の防止等に関する規程
(令和4年4月1日機構規程第60号) |
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(目的)
第1条 この規程は、北海道国立大学機構(以下「機構」という。)におけるハラスメント等の防止及び排除のための措置並びにハラスメント等に起因する問題が生じた場合に適切かつ迅速に対応するための措置(以下「ハラスメント等の防止等」という。)に関し、必要な事項を定めることにより、機構における健全で快適なキャンパス環境を維持することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 役職員 役員、教員、事務職員その他機構に就労する全ての者をいう。
(2) 学生等 学生、研究生、科目等履修生、聴講生その他機構が設置する国立大学(以下「大学」という。)に修学する全ての者をいう。
(3) 構成員 役職員及び学生等をいう。
(4) 関係者 学生等の保護者、関係業者等機構と職務上又は修学上の関係を有する者をいう。
(5) ハラスメント等 ハラスメント及び性暴力等をいう。
(6) ハラスメント セクシュアル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント及びその他のハラスメントの総称をいう。
(7) セクシュアル・ハラスメント 相手方の意に反する性的な言動又は性別による差別的言動により、相手方に身体的、精神的苦痛若しくは不利益を与え、又は教育上、研究上、就労上及び修学上の環境を悪化させることをいう。
(8) アカデミック・ハラスメント 教育上若しくは研究上の地位又は人間関係などの優位性を背景に、その立場又は職務権限を濫用し、教育、研究の適正な範囲を超えて、劣位にある相手に対して不適切な言動又は差別的な取扱いを行うことにより、相手に身体的、精神的苦痛若しくは不利益を与え、又は教育上、研究上及び修学上の環境を悪化させることをいう。
(9) パワー・ハラスメント 優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、就業環境が害されることをいう。
(10) 妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント 妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関する制度又は措置の利用を阻害し、他の構成員に就業上又は修学上の不利益、損害等を与える言動並びに妊娠・出産等に関する嫌がらせ等により他の構成員に就業上又は修学上の不利益、損害等を与える言動をいう。
(11) その他のハラスメント 構成員及び関係者が、他の構成員及び関係者に対して行う、職務上又は修学上の優越的な地位等を利用した不適切な言動による人権侵害行為のうち第7号から前号まで以外のものをいう。
(12) 性暴力 理由及び相手との関係性を問わず、同意のない性的な行為を強要する行為をいう。
(13) 性暴力等 セクシュアル・ハラスメントを含む性暴力をいう
(14) ハラスメント等に起因する問題 ハラスメント等のため構成員の職務上、修学上又は研究上の環境が害されること及びハラスメント等への対応に起因して構成員が職務上、修学上又は研究上の不利益を受けることをいう。
(15) 相談者 ハラスメント等に関する相談を申し出たすべての者をいう。
(16) 申立人 ハラスメント等に関する苦情を申し立てた者をいう。
(17) 相手方 ハラスメント等を行ったと申し立てられた者をいう。
(18) 当事者 申立人及び相手方をいう。
(ガイドライン)
第3条 この規程の目的を遂行するため、北海道国立大学機構ハラスメント等の防止等に関するガイドライン(令和4年4月1日制定。以下「ハラスメント等の防止等に関するガイドライン」という。)を定め、構成員に周知するものとする。
(理事長の責務)
第4条 理事長は、ハラスメント等の防止等のため、次に掲げることを行わなければならない。
(1) ハラスメント等の防止等のため、構成員に対しこの規程等と相談員名の周知、パンフレット等の配布、意識調査による啓発活動及び各種研修の実施に関すること。
(2) ハラスメント等の相談に関する相談者及び被害者並びに加害者とされる者等の調査に関すること。
(3) ハラスメント等の相談及び被害者等の救済に関すること。
(4) 関係者のプライバシー、名誉その他人権の尊重及び守秘義務の指導に関すること。
(5) ハラスメント等に関する加害者への適正な指導及び処分等に関すること。
(6) ハラスメント等に起因する問題が機構に生じていないか、又はそのおそれがないか、機構の環境に十分な注意を払うこと。
(7) ハラスメント等に起因する問題が生じた場合は、再発防止に向けた措置を講ずること。
(8) 構成員に対して、ハラスメント等に関する苦情の申し出、当該苦情等に係る調査への協力その他ハラスメント等に対する構成員の対応に起因して当該者が機構において不利益を受けないことを周知すること。
(9) その他ハラスメント等の防止等に関すること。
(監督者の責務)
第5条 役職員を監督する地位にある者及び学生を教育する地位にある教員(以下「監督者」という。)は、就労・修学等の適正な環境を確保するため、常に次の各号に掲げる事項に注意してハラスメント等の防止及び排除を徹底するとともに、ハラスメント等に起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(1) 構成員に日常の業務又は教育を通じた指導等により、ハラスメント等の防止等に関し、構成員の注意を喚起するとともに認識を深めさせること。
(2) 構成員の言動に十分な注意を払うことにより、ハラスメント等又はハラスメント等に起因する問題が就労・修学等の場に生じることがないよう配慮すること。
(3) 構成員からハラスメント等に関する相談があった場合は、必要に応じて当事者の緊急的措置を含む適切な対応を行うものとする。
(構成員の責務)
第6条 構成員は、この規程及びハラスメント等の防止等に関するガイドラインを遵守し、第4条各号で定める理事長の施策に協力するとともに、ハラスメント等を行わないことはもとより、他者が行うハラスメント等を容認してはならない。
[第4条各号]
(ハラスメント等対策委員会)
第7条 機構本部に、ハラスメント等の防止対策等を講じることを目的として、北海道国立大学機構ハラスメント等対策委員会(以下「対策委員会」という。)を置く。
(対策委員会の任務)
第8条 対策委員会は次に掲げる事項を任務とする。
(1) ハラスメント等の防止対策に関すること。
(2) ハラスメント等の再発防止のための環境の改善並びに構成員及び関係者への指導・啓発等に関すること。
(3) その他ハラスメント等の防止等に関すること。
(組織)
第9条 対策委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 理事長が指名する副理事
(2) 理事長が指名する教授又は准教授 各大学1名
(3) 事務局長
(4) 事務部長 各大学1名
(5) その他理事長が必要と認めた者 若干名
2 前項第2号及び第5号の委員は、理事長が委嘱する。
(任期)
第10条 前条第1項第2号及び第5号の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠又は増員の委員の任期は、前任者又は現任者の残任期間とする。
(委員長)
第11条 対策委員会に委員長を置き、第9条第1項第1号に掲げる者をもって充てる。
2 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。
3 委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指名した委員が、その職務を代行する。
(会議)
第12条 対策委員会は、委員の過半数の出席がなければ、会議を開くことができない。
2 対策委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(委員以外の者の出席)
第13条 委員長が必要と認めたときは、委員以外の者を会議に出席させ、説明又は意見を聴くことができる。
(ハラスメント等審査委員会)
第14条 ハラスメント等に起因する問題解決のため、機構本部及び大学にハラスメント等審査委員会(以下「審査委員会」という。)を置く。
(審査委員会の任務)
第15条 審査委員会は、中立・公正な立場で対処するものとし、関係者のプライバシー、名誉その他人権の尊重及び守秘義務を厳守の上、次に掲げる事項について、迅速に対処するものとする。
(1) 当該事案に関する事実関係の調査、事実の認定、ハラスメント等の認定、対応策の検討、被害者の救済に関すること。
(2) ハラスメント等に起因する問題に係る構成員及び関係者に対する必要な措置等に関し、要請をすること。
(3) 当該事案に関する事実調査の結果に基づく事実の認定、ハラスメント等の認定結果等を、機構本部に設置する審査委員会にあっては、理事長及び対策委員会に、大学に設置する審査委員会にあっては、学長及び対策委員会に報告すること。
(審査委員会の組織)
第16条 機構本部に設置する審査委員会は、原則として3人以上とし、男女比等に考慮して次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 理事長が指名する理事
(2) その他理事長が必要と認めた者 若干名
2 大学に設置する審査委員会は、原則として3人以上とし、男女比等に考慮して次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 学長が指名する副学長
(2) その他学長が必要と認めた者 若干名
3 第1項第2号及び前項第2号の委員には、機構の職員以外の者を加えることができる。
4 第1項の委員は理事長が、第2項の委員は学長が委嘱する。
5 審査委員会に委員長を置き、機構本部に設置する審査委員会においては理事長が、大学に設置する審査委員会においては学長が指名する。。
6 審査委員会の委員長は、審査委員会を招集し、その議長となる。
7 審査委員会の委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長が指名する委員がこれに当たる。
8 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
9 委員に欠員が生じたときの後任者の任期は、前任者の残任期間とする。
10 審査委員会は、委員の過半数の出席がなければ、会議を開くことができない。
11 審査委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
12 審査委員会による調査の過程で、委員と当該相談の当事者との間において利害関係があることが明らかになったときは、当該委員は以後当該相談に係る議事に参加することができない。
13 その他審査委員会の組織運営に関し必要な事項は、理事長が別に定める。
(ハラスメント等調査委員会)
第17条 審査委員会は、事実の認定等のために事実調査の必要があると認めるときは、機構本部又は大学にハラスメント等調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置くことができる。
2 調査委員会は、原則として3人以上とし、男女比等に考慮して審査委員会が委嘱する職員で組織する。ただし、当事者との間において利害関係がある者を委員に委嘱することはできない。
3 審査委員会は、必要があると認められる場合は、機構の職員以外の者に調査委員会委員を委嘱することができる。
4 審査委員会は、調査委員会による調査の過程で、委員と当事者との間において利害関係があることが明らかになったときは、直ちに当該委員の委嘱を解くものとする。
5 調査委員会は、第1項の規定による調査を行うにあたって、当事者及びこれに関係する者に事情を聴取することができる。
6 調査委員会は、当事者及びこれに関係する者に対して事実調査に関し必要な書類等の提出を求めることができる。
7 調査委員会は、公正で迅速な事実調査を行い、その結果を審査委員会に報告しなければならない。
8 審査委員会は、調査委員会から調査結果の報告を受け、追加の調査の必要がないと判断した場合に調査委員会を解散するものとする。
(当事者への通知等)
第18条 審査委員会は、調査結果に基づき結論を出したときには、速やかにその内容を書面で当事者に通知し、説明をしなければならない。
2 当事者は、前項の説明の内容に不服があるときは、説明を受けた日から2週間以内に理由を付した文書により審査委員会に不服申立てを行うことができる。
3 審査委員会は、前項の不服申立てがあった場合、その妥当性について審議し、次に掲げる措置をとるものとする。
(1) 不服申立てが妥当であると判断される場合は、審査委員会による再調査並びに第1項に定める通知及び説明を行うものとする。
(2) 不服申立てが妥当でないと判断される場合は、不服申立て不受理の決定を行うものとする。
4 前項第1号の再調査は、原則として不服申立てが妥当であると判断された日から1ヶ月以内に行うものとする。
5 第3項各号に掲げる措置に対する再度の不服申立ては認めないものとする。
(ハラスメント相談員)
第19条 構成員及び関係者のハラスメント等に関する相談に対応するため、機構本部及び大学にハラスメント相談員(以下「相談員」という。)を置く。
2 相談員の選任については、機構本部及び大学で別に定める。
3 相談員は、原則として対策委員会、審査委員会又は調査委員会の委員を兼ねないものとする。
(相談員の任務)
第20条 相談員は、次に掲げる事項を行う。
(1) 相談者の立場と状況に十分留意して相談に応じるとともに、必要に応じ相談者に助言、情報の提供等を行う。
(2) 相談者の同意を得た上、複数で相談を行い、相談者と同性の相談員を1名含めることを原則とする。
(3) 心理的なケアを要すると認める場合には、相談者の希望に応じて大学の保健管理センター又は機構外の専門機関を紹介する。
(4) 相談内容を記録し適切に管理するとともに、相談者の同意を得て速やかに理事長又は学長及び対策委員会に報告するものとする。
(業務の制限)
第21条 理事長、学長、第9条に規定する対策委員会委員、第16条に規定する審査委員会委員、第17条に規定する調査委員会委員及び第19条に規定する相談員は、自らを当事者とする相談に係る業務に携わることができない。
(役員(監事を除く)を当事者とする相談があった場合の取扱い)
第22条 相談員は、次の各号に該当する相談があったときは、第20条第4号の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める者にその旨を報告しなければならない。
[第20条第4号]
(1) 理事長を当事者とする相談 当該相談の当事者以外の全ての理事
(2) 理事(大学総括理事を含む)を当事者とする相談 理事長
2 役員(監事を除く)を加害者とする相談があったときは、理事長又は理事は監事にその旨を報告しなければならない。
3 監事は、前項の規定による報告を受け、当該相談の加害者に理事長が含まれるときは、理事長選考・監察会議に、その旨を報告しなければならない。
4 第1項第1号の規定による報告を受けた理事は、当該相談に係る理事長の職務を行う理事を互選するものとする。
5 理事長は、第1項第2号の規定による大学総括理事を当事者とする相談について報告を受けたときは、大学総括理事に代わって当該相談に係る学長の職務を行わせる副学長を指名するものとする。
(監事を当事者とする相談があった場合の取扱い)
第23条 相談員は、監事を当事者とする相談があったときは、第20条第4号の規定にかかわらず、理事長にその旨を報告しなければならない。
[第20条第4号]
(申立て)
第24条 構成員は、自らが所属する機構本部又は大学(以下「組織」という。)の審査委員会に対し、別紙ハラスメント等申立書によりハラスメント等被害の問題解決を求める申立てをすることができる。
2 関係者は、審査委員会に対し、別紙ハラスメント等申立書によりハラスメント等被害の問題解決を求める申立てをすることができる。
3 第1項の規定にかかわらず、構成員は特別な事情がある場合、自らが所属する組織以外の審査委員会に対し、別紙ハラスメント等申立書によりハラスメント等被害の問題解決を求める申立てをすることができる。
4 申立てに関し、必要な事項は、別に定める。
(ハラスメント等に起因する問題が生じた場合の対応)
第25条 理事長又は学長は、相談員から相談内容の報告を受け対応が必要と認めた場合は、審査委員会に審査を付託するなど当該ハラスメント等に起因する問題解決のために必要な措置及び被害者支援を迅速かつ適切に行わなければならない。
2 学長は審査委員会から報告を受けたときは、速やかに理事長に報告しなければならない。
3 理事長は、機構本部に設置する審査委員会又は学長から報告を受けたときは、速やかに必要な措置を講ずるものとする。
4 第2項又は前項の報告を受けた理事長又は学長は、報告内容に疑義がある場合、再審査を命じることができる。
5 第3項の措置に関し、相手方に対する懲戒処分が必要と認められる場合は、職員にあっては、北海道国立大学機構職員懲戒規程(令和4年度機構規程第59号)に基づき、学生等にあっては、大学の学則に基づき、手続きを行う。
(守秘義務等)
第26条 対策委員会委員、審査委員会委員、調査委員会委員、相談員及びその他ハラスメント等に起因する問題に対応する者は、当事者及びこれに関係する者のプライバシー、名誉その他の人権に十分配慮するとともに、知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職務を退いた後も同様とする。
(不利益取扱いの禁止)
第27条 構成員は、ハラスメント等に関する相談、申立て、調査への協力その他ハラスメント等の防止等に関与した者に対し、そのことをもって不利益な取扱いをしてはならない。
(事務)
第28条 ハラスメント等の防止等に関する事務は、大学の事務部の協力を得て機構本部の総務課が行う。
(雑則)
第29条 この規程に定めるもののほか、ハラスメント等の防止等に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
1 この規程は、令和4年4月1日から施行する。
2 この規程の施行日前に国立大学法人帯広畜産大学ハラスメントの防止等に関する規程(平成19年2月21日規程第25号)第13条第1項又は国立大学法人北見工業大学ハラスメントの防止等に関する規程(平成16年4月1日北工大達第114号)第6条第2項の規定により設置され、調査が継続中のハラスメント調査委員会は、この規程の施行の日に第14条第1項の規定により設置された審査委員会とみなす。
附 則(令和5年7月27日機構規程第14号)
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1 この規程は、令和5年7月27日から施行する。
2 この規程の施行日前に設置された審査委員会は、この規程の施行の日に第17条の規定による調査委員会とみなす。
3 この規程施行後の第16条第1項及び同条第2項に規定する審査委員会委員の任期は、同条第8項の規定にかかわらず、令和6年3月31日までとする。
附 則(令和6年1月25日機構規程第30号)
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この規程は、令和6年1月25日から施行する。