○岐阜大学エックス線障害防止管理細則
(平成19年10月1日細則第16号)
改正
平成20年4月1日
平成22年4月1日
平成24年8月1日
平成27年4月1日
平成29年4月1日
平成30年4月1日
令和2年4月1日岐大細則第31号
令和3年1月1日岐大細則第81号
令和6年3月28日岐大規程第60号
(趣旨)
第1条 この細則は,岐阜大学放射線障害防止管理規程(平成19年規程第114号。以下「規程」という。)第22条の規定に基づき,岐阜大学(以下「本学」という。)における定格管電圧が10キロボルト以上のエックス線装置及び100万電子ボルト未満のエネルギーを有するエックス線発生装置(診療用エックス線装置及びエックス線又はエックス線装置の研究又は教育のため使用の都度組み立てる装置を除く。以下「エックス線装置」という。)並びに加速電圧が100キロボルト以上の電子顕微鏡(以下「電子顕微鏡」という。)のエックス線障害の防止に関する事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この細則において「部局等の長」とは,学部長,研究科長,高等研究院長,糖鎖生命コア研究所長,医学部附属病院長及び学術研究・産学官連携推進本部長をいう。
(管理組織)
第3条 エックス線装置又は電子顕微鏡に係る安全管理組織は,別表のとおりとする。
(エックス線装置に係る防護措置)
第4条 部局等の長は,エックス線装置については,次の各号に掲げる防護措置をとったものを使用させなければならない。
(1) 使用の目的が妨げられない限り,照射筒又は絞りを透過したエックス線の空気中の空気カーマ率を,エックス線管の焦点から1メートルの距離において,次表の左欄に掲げるエックス線装置の区分に応じて,それぞれ同表の右欄に掲げる空気中の空気カーマ率以下にすることができるもの。
エックス線装置の区分空気中の空気カーマ率
定格管電圧が200キロボルト未満の装置2.6ミリグレイ毎時
定格管電圧が200キロボルト以上の装置4.3ミリグレイ毎時
(2) ろ過板を取り付けること。ただし,作業の性質上軟線を利用しなければならない場合(軟線を利用する蛍光分析エックス線装置等の使用を含む。)又は作業に従事する者が軟線を受けるおそれがない場合には,この限りではない。
(3) 利用するエックス線管焦点受像器間距離において,エックス線照射野が受像面(受像面が円形であって,かつ,エックス線照射野が矩形の場合にあっては,受像面に外接する大きさ)を超えないようにすること。
(4) 透視を行う場合には,次に掲げる措置をとること。ただし,エックス線の照射中に作業に従事する者の身体の全部又は一部がその装置内部に入ることができないように遮へいされた構造のエックス線装置を用いて行うときは,この限りでない。
イ 透視の作業に従事する者が作業位置でエックス線の発生を止め,又は利用線錐を遮へいすることができる設備を設けること。
ロ 定格管電流の2倍以上の電流がエックス線管に通じたときに,直ちにエックス線管回路を開放位にする自動装置を設けること。
ハ 利用線錐中の蛍光板,イメージインテンシファイア等の受像器を通過したエックス線の空気中の空気カーマ率が,エックス線管の焦点から1メートルの距離において17.4マイクログレイ毎時以下になるようにすること。ただし,随時移動させて使用するエックス線装置,専用の室内に設置することが著しく困難なエックス線装置又は装置の外側表面における外部放射線による1センチメートル線量当量率が20マイクロシーベルト毎時を超えないように遮へいされた構造のエックス線装置(以下「特別エックス線装置」という。)を用いて行うときは,この限りでない。
ニ 透視時の最大受像面を3.0センチメートル超える部分を通過したエックス線の空気中の空気カーマ率が,エックス線管の焦点から1メートルの距離において17.4マイクログレイ毎時以下になるようにすること。ただし,特別エックス線装置を用いて行うときは,この限りでない。
ホ 被照射体の周囲には,利用線錐以外のエックス線を有効に遮へいするための適当な設備を備えること。ただし,特別エックス線装置を用いて行うときは,この限りでない。
(標識の掲示)
第5条 部局等の長は,次の表の左欄に掲げる装置の区分に応じて,それぞれ同表の右欄に掲げる掲示事項を明記した標識を,当該装置又はその付近の場所に掲げなければならない。
装置又は機器の区分掲示事項
エックス線装置定格出力
荷電粒子加速装置装置の種類,放射線の種類及び最大エネルギー
(エックス線装置室)
第6条 部局等の長は,エックス線装置を設置する場合には,専用の室(以下「エックス線装置室」という。)を設け,当該エックス線装置をその室内に設置しなければならない。ただし,特別エックス線装置については,この限りでない。
2 部局等の長は,前項の規定に基づき設けられたエックス線装置室の入口に,次に掲げる事項を表示する標識を掲げなければならない。
(1) エックス線装置室であること。
(2) エックス線装置室内に設置されているエックス線装置の種類
3 部局等の長は,必要のある者以外の者をエックス線装置室内に立ち入らせてはならない。
(警報装置)
第7条 部局等の長は,次の各号に掲げる場合には,その旨を自動的に警報する装置を当該各号に掲げる装置のある場所の入口に設けなければならない。ただし,定格管電圧が150キロボルト以下のエックス線装置を使用する場合には,自動警報装置以外の警報装置とすることができる。
(1) エックス線装置又は荷電粒子加速装置に電力が供給されている場合
(2) エックス線管又はケノトロンのガス抜き又はエックス線の発生を伴うこれらの検査を行う装置に電力が供給されている場合
(エックス線装置等の届出)
第8条 部局等の長は,エックス線装置及び電子顕微鏡を設置し,変更し,又は廃止したときは,速やかに学長に届け出なければならない。
2 部局等の長は,エックス線装置及び電子顕微鏡の使用を休止するとき又は休止中の当該装置の使用を再開するときには,学長に報告しなければならない。
(エックス線装置等の管理責任者)
第9条 部局等の長は,それぞれのエックス線装置及び電子顕微鏡ごとに管理責任者を置かなければならない。ただし,同室に複数のエックス線装置又は電子顕微鏡を設置してあるときには,その室ごとに置くことができる。
2 管理責任者は,エックス線障害の防止に関する業務を処理し,放射線業務に従事する者(以下「使用者」という。)の指導監督をする。
(エックス線作業主任者)
第10条 部局等の長は,第12条第1項に規定する管理区域ごとにエックス線作業主任者を配置し,電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)第47条に規定する業務を行わせなければならない。
2 前項の規定にかかわらず,エックス線照射ボックス付エックス線透過検査装置で,当該装置の外側における実効線量が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えないものであり,かつ,エックス線照射中は人の身体の全部又は一部が当該装置の内部に立ち入ることができないものについては,エックス線作業主任者を配置しないものとする。
3 第1項に規定するエックス線作業主任者は,電離則第48条に規定するエックス線作業主任者免許を有する者のうちから部局等の長の推薦に基づき,学長が命ずる。
(使用者)
第11条 エックス線装置又は電子顕微鏡を使用しようとする者は,初めて使用するときに,その旨を当該装置の管理責任者に届け出なければならない。
2 使用者は,エックス線装置又は電子顕微鏡を使用するときは,管理責任者又はエックス線作業主任者の指示に従わなければならない。
(管理区域の明示等)
第12条 部局等の長は,規程第2条第3項に規定する管理区域を標識により明示しなければならない。
2 部局等の長は,管理区域内の見やすい場所(管理区域に掲示することが著しく困難な場合は,その周囲の適当な場所)に放射線測定器の装着に関する注意事項,事故が発生した場合の応急措置等のエックス線障害の防止に必要な事項を掲示しなければならない。
3 管理責任者又はエックス線作業主任者は,必要のある者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない。
(作業環境測定)
第13条 部局等の長は,規程第2条第3項に規定する管理区域について,1月以内(放射線装置を固定して使用する場合において使用の方法及び遮へい物の位置が一定しているときは,6月以内)ごとに1回,定期に,外部放射線による線量当量率又は線量当量を放射線測定器を用いて測定し,その都度,次の事項を記録し,これを5年間保存しなければならない。
(1) 測定日時
(2) 測定方法
(3) 測定器の種類,型式及び性能
(4) 測定箇所
(5) 測定条件
(6) 測定結果
(7) 測定を実施した者の氏名
(8) 測定結果に基づいて実施した措置の概要
2 前項の線量当量率又は線量当量は,放射線測定器を用いて測定することが著しく困難なときは,同項の規定にかかわらず,計算により算出することができるものとする。
3 第1項の測定又は前項の計算は,1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について行うものとする。ただし,前条第1項の管理区域のうち,70マイクロメートル線量当量率が1センチメートル線量当量率の10倍を超えるおそれのある場所又は70マイクロメートル線量当量が1センチメートル線量当量の10倍を超えるおそれのある場所においては,それぞれ70マイクロメートル線量当量率又は70マイクロメートル線量当量について行うものとする。
4 部局等の長は,第1項の測定又は第2項の計算による結果を,見やすい場所に掲示する等の方法によって,管理区域に立ち入る者に周知しなければならない。
5 第1項から第3項までに規定する測定等及びその記録は,岐阜大学放射線安全管理委員会の意見を聴いて,学長が指名した者又は作業環境測定機関に委託して行うことができるものとする。
(立入禁止)
第14条 管理責任者又はエックス線作業主任者は,エックス線装置を随時移動させて使用する場合には,エックス線の照射中,そのエックス線管の焦点及び被照射体から5メートル以内の場所(外部放射線による実効線量が1週間につき1ミリシーベルト以下の場所を除く。)に人を立ち入らせてはならない。
2 管理責任者又はエックス線作業主任者は,前項の規定により人の立ち入りが禁止されている場所を標識により明示しなければならない。
(エックス線装置の保守,点検等)
第15条 管理責任者又はエックス線作業主任者は,当該エックス線装置をエックス線装置構造規格(昭和47年労働省告示第149号)に規定する安全管理基準に適合するように保守,点検等をしなければならない。
(エックス線装置等の使用,取扱い等)
第16条 部局等の長は,それぞれのエックス線装置及び電子顕微鏡ごとに使用,取扱い等に関する事項を定めるものとする。
(使用者等の線量の測定)
第17条 部局等の長は,使用者及び業務上管理区域に立ち入る者(以下「使用者等」という。)の外部被ばくによる線量を測定しなければならない。
2 前項に規定する外部被ばくによる線量の測定は,使用者等が管理区域に立ち入っている間,継続して,次に定めるところにより行わなければならない。
(1) 測定は,1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(次号ハに掲げる部位については,70マイクロメートル線量当量に限る。)について行うものとすること。
(2) 前号に規定する測定は,次に掲げる部位に放射線測定器を装着させて行うものとすること。ただし,放射線測定器によることが著しく困難な場合には,計算によって算出すること。
イ 胸部(女子(妊娠する可能性がないと診断された女子を除く。以下同じ。)にあっては腹部)
ロ 頭部・頚部,胸部・上腕部及び腹部・大腿部のうち,外部被ばくによる線量が最大となるおそれのある部位が胸部・上腕部以外(女子にあっては,腹部・大腿部以外)の部位であるときは,当該部位
ハ 人体部位のうち,外部被ばくによる線量が最大となるおそれのある部位が頭部・頚部,胸部・上腕部及び腹部・大腿部以外の部位であるときは,当該部位
3 前2項に規定する測定並びにこれらの測定の結果に基づく実効線量及び等価線量の算定は,電離則第8条第3項の規定に基づき厚生労働大臣が定める限度及び方法によって行うものとする。
4 前項による実効線量の算定の結果,一の年度についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は,当該年度以降は,当該年度を含む5年の累積実効線量を当該期間中毎年度集計するものとする。
5 測定及び算定の結果は,所定の記録簿に記録し,30年間保存しなければならない。(使用者等の実効線量及び等価線量の限度)
第18条 部局等の長は,使用者等には,電離則第4条から第7条までに規定する実効線量及び等価線量の限度を超える放射線を受けさせてはならない。
(緊急時の措置)
第19条 使用者は,著しく放射線にさらされるおそれのある不測の事態が生じた場合は,直ちに電源を切る等適切な措置を講じなければならない。
2 使用者は,前項に規定する不測の事態が生じたとき又はそのおそれのあるときは,直ちに管理責任者及び部局等の長に報告しなければならない。
3 部局等の長は,前項に規定する報告を受けたときは,速やかにその旨を学長に報告しなければならない。
(記録)
第20条 使用者は,エックス線装置を使用したときは,作業内容を所定の記録簿に記録しなければならない。
2 前項に規定する記録簿は,管理責任者が記録の作成後5年間保存するものとする。
(健康管理)
第21条 使用者等は,所定の健康診断を受けなければならない。
2 前項に規定する健康診断によりエックス線障害が発見されたときは,保健上必要な措置をとるものとする。
3 健康診断の結果は,所定の健康診断票に記録し,30年間保存しなければならない。
(教育)
第22条 部局等の長は,放射線業務に従事させる者に対して,あらかじめ次の表に掲げる教育を実施しなければならない。ただし,教育を行うべき項目について知識又は技能を有すると認められる者については,教育を省略することができる。
項目時間
1 透過写真の撮影の作業の方法1時間30分
2 エックス線装置の構造及び取扱いの方法1時間30分
3 電離放射線の生体に与える影響30分
4 関係法令1時間
附 則
1 この細則は,平成19年10月1日から施行する。
2 岐阜大学エックス線障害防止管理細則(平成16年岐阜大学規則第47号)は,廃止する。
附 則(平成20年4月1日)
この細則は,平成20年4月1日から施行する。
附 則(平成22年4月1日)
この細則は,平成22年4月1日から施行する。
附 則(平成24年8月1日)
この細則は,平成24年8月1日から施行する。
附 則(平成27年4月1日)
この細則は,平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成29年4月1日)
この細則は,平成29年4月1日から施行する。
附 則(平成30年4月1日)
この細則は,平成30年4月1日から施行する。
附 則(令和2年4月1日岐大細則第31号)
この細則は,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和3年1月1日岐大細則第81号)
この細則は,令和3年1月1日から施行する。
附 則(令和6年3月28日岐大規程第60号)
この規程は,令和6年4月1日から施行する。
別表(第3条関係)
安全管理組織