○東海国立大学機構受託研究規程
(令和2年4月1日機構規程第81号)
改正
令和5年3月31日機構規程第83号
令和6年2月5日機構規程第25号
(目的)
第1条 この規程は,東海国立大学機構(以下「機構」という。)が機構以外の者から委託を受けて業務として行う研究(以下「受託研究」という。)に関する必要な事項を定めることを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この規程において「知的財産権」とは,東海国立大学機構発明等取扱規程(令和2年度機構規程第76号。以下「発明規程」という。)第2条第8号に規定する権利,東海国立大学機構著作物取扱規程(令和2年度機構規程第79号。以下「著作物規程」という。)第2条第9号及び第10号に規定する権利,東海国立大学機構商標取扱規程(令和2年度機構規程第78号)第2条第8号に規定する権利,外国におけるそれらの各権利に相当する権利その他一切の知的財産権をいう。
2 この規程において,「通常実施権等」とは,次に掲げるものをいう。
(1) 特許法(昭和34年法律第121号),実用新案法(昭和34年法律第123号)及び意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する通常実施権並びに商標法(昭和34年法律第127 号)に規定する通常使用権
(2) 半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する通常利用権
(3) 種苗法(平成10年法律第83号)に規定する通常利用権
(4) 発明規程第2条第1号ヘに規定するノウハウについて,非独占的に同条第6号に規定するノウハウの利用をする権利
(5) 著作権法(昭和45年法律第48号)に規定する著作物に係る著作権について,著作物規程第2条第11号に規定する利用をする権利
(6) 外国における前各号の各権利に相当する権利
3 この規程において「独占的実施権等」とは,通常実施権等のうち,当該権利を許諾する者は,第三者に実施許諾ができず当該権利を許諾された者が独占的に実施できる権利をいう。
4 この規程において,「専用実施権等」とは,次に掲げるものをいう。
(1) 特許法,実用新案法及び意匠法に規定する専用実施権並びに商標法に規定する専用使用権
(2) 半導体集積回路の回路配置に関する法律に規定する専用利用権
(3) 種苗法に規定する専用利用権
(4) 外国における前各号の各権利に相当する権利
5 この規程において,「技術移転機関」とは,機構が指定する機関であって,機構が所有する知的財産権について,機構以外の者に実施の許諾又は譲渡を行うが自らは実施しない機関をいう。
6 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 研究代表者 機構の研究組織を代表し,研究計画の取りまとめを行うとともに,研究の推進に関し責任を持つ者をいう。
(2) 研究担当者 機構に属し,受託研究に従事する者をいう。
(3) 研究協力者 機構が,研究担当者以外の者の参加又は協力を得る必要があると認め,委託者の同意を得て研究に参加又は協力する者をいう。
(受入基準)
第3条 機構は,受託研究を受け入れるに当たり,次の各号に掲げる基準を満たしているときは,次条に規定する受入条件を付して,受け入れることができる。
(1) 申請案件が,国立大学法人法(平成15年法律第112号)第22条第1項第3号に定める業務に該当すること。
(2) 申請案件が,機構の教育研究上有意義であり,かつ,本来の教育研究に支障が生ずるおそれがないこと。
(受入条件)
第4条 受託研究の受入条件は,次のとおりとする。
(1) 機構に研究を委託する者(以下「委託者」という。)は,受託研究に要する経費(以下「受託研究費」という。)の全額を受託研究に関する契約(以下「受託研究契約」という。)を締結した後に,直ちに納付すること。
(2) 委託者は,受託研究契約の締結後において受託研究を一方的に中止することはできないこと。ただし,委託者から申し出があった場合は,双方協議のうえ,決定すること。
(3) 受託研究費により取得した設備等は,委託者に返還しないこと。
(4) 機構の教育研究計画の変更又は天災等やむを得ない理由により受託研究を中止し,若しくは,その期間を延長する場合においても,機構はその責を負わないこと。
(受託研究の申請)
第5条 委託者は,あらかじめ研究代表者と協議して作成した所定の受託研究申請書(以下「申請書」という。)を機構において別に定める受入決定権者(以下「受入決定権者」という。)に提出するものとする。
2 前項の規定にかかわらず,申請案件が公募型の研究である場合には,その研究を公募した者が発行する採択通知書等の写しをもって申請書に代えることができるものとする。
(受入れの決定)
第6条 受入決定権者は,支障がないと認められるときは,受入れの決定(以下「受入れ決定」という。)を行うものとする。なお,受入れ決定にあたり必要な手続きについては,機構において別に定める。
(受託研究契約)
第7条 契約責任者(分任契約責任者を含む。)は,受入れ決定がなされたときは,受託研究の実施に当たり,委託者との間で受託研究に関する契約(以下「受託研究契約」という。)を締結するものとする。
(契約書)
第8条 前条により受託研究契約を締結しようとするときは,原則として次の各号に掲げる事項を記載した契約書を作成するものとする。
(1) 受託研究の題目
(2) 受託研究の目的及び内容
(3) 研究担当者
(4) 受託研究の実施期間
(5) 提供物品に関すること。
(6) 受託研究の実施場所
(7) 受託研究に要する経費
(8) 受託研究費の機構への納入に関すること。
(9) 受託研究費で取得した設備の権利の帰属に関すること。
(10) 秘密の保持に関すること。
(11) 研究成果の取扱いに関すること。
(12) 研究成果の帰属に関すること。
(13) 研究成果の持分の譲渡に関すること。
(14) 特許等の実施に関すること。
(15) 契約の変更及び解除に関すること。
(16) 前各号に掲げるもののほか,受託研究に関して必要な事項
(受託研究費)
第9条 受託研究費は,次の各号に掲げる経費の合計額とする。
(1) 受託研究の遂行に必要な謝金,旅費,研究支援者等の人件費,消耗品費,光熱水料その他の直接的な経費(以下「直接経費」という。)
(2) 受託研究の遂行に関連して直接経費以外に必要となる経費(以下「間接経費」という。)
2 前項第2号による間接経費は,直接経費の30%に相当する額とする。
3 第1項の規定にかかわらず,受託研究費は,委託者との協議により,同項各号に掲げる経費及び別に定める経費の合計額とすることができる。この場合における間接経費の額は,前項の規定にかかわらず,別に定める。
4 第1項の規定にかかわらず,次の各号のいずれかに該当する場合は,直接経費のみとすることができる。
(1) 委託者が国(国以外の団体等で国からの補助金を受け,その再委託により研究を委託するものを含む。)である場合
(2) 委託者が次のいずれかに該当する場合
イ 委託者が政府関係機関又は地方公共団体(政府関係機関又は地方公共団体からの再委託により研究を委託するものを含む。)であって,財政事情で間接経費がない場合
ロ 委託者から従前より直接経費のみを受け入れていた研究題目で,継続して受け入れる場合
ハ 競争的資金による研究費のうち,当該研究費に係る間接経費が措置されていない場合
(提供物品)
第10条 受託研究の遂行上必要な場合には,委託者から,その所有に係る設備等を受け入れることができる。
(知的財産権の帰属)
第11条 受託研究による発明等に係る知的財産権(以下「本知的財産権」という。)は,原則として機構が所有するものとする。ただし,委託者の申し出により,機構と委託者双方の貢献度を踏まえて,その研究の成果に係る機構に属する本知的財産権の一部を譲与することができるものとする。
(出願等)
第12条 共有する本知的財産権に係る出願又は申請を行うときは,双方の持分,出願又は申請により生じる費用の負担その他本知的財産権の扱い等について定めた共同出願等契約を締結するものとする。
2 共有する本知的財産権のうちノウハウに該当するものについては,協議のうえ,速やかにノウハウとして指定する。
(独占的実施権等の付与等)
第13条 委託者又は委託者が指定する者が本知的財産権に係る独占的実施権等の付与を希望する場合には,一定の期間,その権利を付与することができるものとする。
2 前項により本知的財産権に係る独占的実施権等を付与された者から,その付与の延長を求められたときは,その者と協議のうえ,必要な期間を延長することができる。
(第三者に対する実施の許諾等)
第14条 第三者(技術移転機関を除く。)に対して共有する本知的財産権の自らの持分を譲渡し,それを目的として質権を設定しようとする場合,又は専用実施権等を設定し,若しくは通常実施権等を許諾しようとする場合は,その旨について事前に委託者の同意を得るものとする。なお,この場合において委託者に対しても同様の義務を課すよう措置するものとする。
2 前項の規定にかかわらず,前条の規定により独占的実施権等を付与されている本知的財産権について,委託者又は委託者が指定する者以外には実施の許諾を行わない。
(技術移転機関の利用)
第15条 機構が,本知的財産権の実施又は譲渡を行うときは,技術移転機関を利用することができるものとする。
(実施契約)
第16条 本知的財産権が実施される場合は,別に定めがない限り,機構への実施料等の支払を定めた実施契約を締結する。
(知的財産権の放棄)
第17条 機構は,共有している本知的財産権を放棄しようとする場合は,あらかじめ委託者へ通知するものとする。この場合において,委託者に対しても同様の義務を課すよう措置するものとする。
(研究成果の公表)
第18条 受託研究によって得られた研究成果は,当該受託研究において知り得た情報の取扱いを委託者と協議したうえで,発表又は公開することができるものとする。この場合,委託者に対しても,当該受託研究において知り得た情報の取扱いを機構と協議したうえでなければ,発表又は公開できないよう措置するものとする。
(研究成果の報告)
第19条 研究代表者は,受託研究が完了したときは,受託研究契約に定める研究成果報告書を委託者に提出するものとする。
(研究の中止又は期間の延長)
第20条 研究代表者は,天災その他研究遂行上やむを得ない理由により,受託研究を中止し,又はその期間を延長する必要が生じたときは,別に定める手続きを経たうえで,中止し,又は延長することができる。
(研究の完了又は中止等に伴う直接経費等の取扱い)
第21条 受託研究を完了し,又は前条の規定により受託研究を中止する場合において,第9条第1項第1号に規定する直接経費の額に不用が生じた場合は,委託者の請求に基づき返還するものとする。この場合において,原則として既納の間接経費から当該研究で使用した直接経費に応じた間接経費を控除した残額の間接経費についても返還するものとする。
(契約の解除等)
第22条 委託者が受託研究費を所定の支払期限までに支払わないときは,受託研究契約を解除できるものとする。
2 機構又は委託者は,相手方が受託研究契約に違反したときは,契約を解除することができるものとする。
(適用除外)
第23条 受託研究のうち,次の各号のいずれかに該当するときは,この規程の一部を委託者に対して適用しないことができる。
(1) 国,政府関係機関又は地方公共団体との受託研究である場合
(2) その他特別な事情があると機構長が認めた場合
(雑則)
第24条 前条第1号に規定する委託者から,委託者の指定する研究者を受け入れる場合において,当該研究者は,研究代表者の指示及び機構の諸規程を遵守しなければならない。
2 研究代表者は,機構が設置する国立大学に在学する学生を研究協力者とする場合は,学生同意書(当該学生が研究協力者として参加する受託研究に基づき生じた知的財産権が,機構の規程等に基づき扱われることについて,当該学生が同意していることを示す書面をいう。)を取得するものとする。
3 岐阜大学医学部附属病院並びに名古屋大学医学部,医学系研究科及び医学部附属病院において実施する医薬品等の臨床研究の受託についての取扱いは,別に定める。
4 この規程に定めるもののほか,受託研究の取扱いに関し必要な事項は,別に定める。
附 則
この規程は,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和5年3月31日機構規程第83号)
この規程は,令和5年4月1日から施行する。
附 則(令和6年2月5日機構規程第25号)
この規程は,令和7年4月1日から施行する。