○東海国立大学機構成果有体物取扱規程
(令和2年4月1日機構規程第77号)
改正
令和5年2月1日機構規程第43号
(目的)
第1条 この規程は,東海国立大学機構(以下「機構」という。)の職員等が機構の業務として作製した成果有体物の取扱いを定め,成果有体物の適正な管理,外部機関との円滑な研究協力及び機構の研究促進を図ることを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 成果有体物 職員等が機構の業務として創作又は抽出した試薬,試料(微生物,材料,土壌,岩石,植物等を含む。),実験動物,試作品,モデル品,化学物質,又は菌株等の研究目的に使用可能で,有形かつ技術的観点から付加価値を有するもの(著作物,有体物に固定されたデータ及びヒト由来臨床試料を除く。)のうち上市されていないものをいい,増殖又は繁殖可能なものである場合には,その子孫及び増殖物も成果有体物とみなす。
(2) 職員等 次に掲げるものをいう。
イ 機構の役員及び職員(機構と雇用関係のある学生を除く。)
ロ 機構で研究等をするのにあたり,研究等の成果である著作物について機構の規程等に基づき扱われることを同意している学生(機構と雇用関係のある者を含む。)
ハ 機構と著作物につき契約を交わした研究員(機構と雇用関係のない者に限る。),招へい教員及び派遣職員並びにそれらと同等の者
(3) 第三者 機構以外の法人又は個人をいう。
(4) 作製 成果有体物の創作又は抽出をいう。
(5) 作製者 職員等として成果有体物の作製又は作製の指導を行った者をいう。
(6) 提供 成果有体物を有償又は無償で外部機関において使用させるために譲渡又は貸与すること(分析依頼のための提供及び特許出願のための生物寄託を除く。)をいう。
(7) ヒト由来臨床試料 人体から採取された臨床試料(当該臨床試料を基に,その採取時の状態から機能等を改変した試料を除く。)をいう。
(権利の帰属)
第3条 成果有体物の所有権並びに成果有体物に係るすべての権利及び法的地位は,特段の定めがない限り機構に帰属する。また,成果有体物を一部改変したものについても,原成果有体物の権利者である機構の権利が及ぶものとする。
(成果有体物の届出)
第4条 職員等は,作製した成果有体物について次の各号のいずれかに該当する場合は,別に定める様式により,その旨について,速やかに機構に対して届出(以下「成果有体物提供の届出」という。)をしなければならない。
(1) 作製した成果有体物を第三者に提供することを希望する場合
(2) 第三者から作製した成果有体物の提供の要請があった場合
(3) 技術的な観点から作製した成果有体物の付加価値が顕在化し,当該成果有体物を有償で提供を行う用意がある場合
(4) 作製した成果有体物を外部機関に寄託する場合(特許出願に関連し生物を寄託する場合を除く。)
(5) その他作製した成果有体物について契約が必要であると判断した場合
2 職員等は,第三者から成果有体物の受入をする場合,別に定める様式により,その旨について,速やかに機構に対して届出(以下「成果有体物受入の届出」という。)をしなければならない。
3 学術研究・産学官連携統括本部知的財産統括室(以下「知的財産統括室」という。)は,前2項において届出を要する場合に該当すると認めた場合は,職員等に同項に規定する届出書を提出するように要請することができる。
4 職員等が成果有体物を共同で作製した場合,当該成果有体物の届出は,作製者の代表者が,他の作製者に届出内容の同意を得た上で,これを行うものとする。
5 作製者に第2条第2号ロに該当する者が含まれる場合,成果有体物の届出は,同号ロに該当する者が成果有体物について機構の規程等に基づき扱われることを同意していることを示す書面(以下「学生同意書」という。)を添付してこれを行うものとする。
6 機構は,成果有体物提供の届出,成果有体物受入の届出及び学生同意書に必要事項が記載されていることを確認した上で,当該届出等を受理するものとする。
7 機構は,成果有体物提供の届出又は成果有体物受入の届出を受理したときは,速やかに届出をした職員等に受理した旨を通知しなければならない。
(決定及び通知)
第5条 知的財産統括室は,成果有体物提供の届出を受理したときは,その届出に係る提供の可否を決定するものとし,次の各号のいずれかに該当する場合には,当該提供を認めないものとする。
(1) 提供予定の成果有体物に関連する発明等の出願等の予定があり,出願等が行われていない場合又は出願等に関連し成果有体物である生物の寄託をすることが予定されている場合で,かつ,当該寄託が行われる前に第三者に提供する場合
(2) 成果有体物の使用目的が機構の権利保護に支障があると明らかに認められる場合又は公序良俗に反する場合
(3) 成果有体物を管理し,保護する能力がないと認められる場合
(4) 機構が提供前に締結した契約に違反する場合
(5) 外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号),麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)若しくはその他関連する法令又は機構の規則等に反する場合
(6) 資産管理上,提供不可能な場合
(7) 機構又は提供予定先である第三者においてDNA実験,倫理審査その他必要とされる手続きが完了していない場合
(8) その他提供可能でない理由がある場合
2 知的財産統括室は,前項の規定により提供を決定した場合,次の各号に掲げる基準により届出に係る成果有体物を第三者に提供する対価の有無を決定するものとする。
(1) 産業利用,収益事業その他次号の目的以外を目的とする成果有体物の提供の場合,成果有体物を提供先に有償で提供するものとする。
(2) 学術又は研究開発を目的とする成果有体物の提供の場合,成果有体物を提供先に無償で提供することができる。ただし,当該提供に係る成果有体物の作製に必要な必要経費は徴収することができる。
3 機構は,成果有体物受入の届出を受理したときは,当該届出をした職員等が受入条件を順守することを条件に当該受入を認めるものとする。
4 知的財産統括室は,第1項又は第2項の規定により決定を行うに当たり作製者等の意見を徴することができる。
5 機構は,第1項及び第2項の規定により決定をしたときは,次の各号の規定に基づき書面で通知する。
(1) 有償での提供の決定をした場合又は提供できない旨を決定した場合は,速やかにその旨を,作製者全員に書面で通知する。
(2) 前号以外の決定をした場合には,速やかにその旨を,当該届出者に書面で通知する。
(異議の申立て)
第6条 前条第5項による決定の通知を受けた職員等は,その判断に異議があるときは,当該通知を受けた日から2週間以内に別に定める様式により学術研究・産学官連携統括本部長に対して異議を申し立てることができる。
2 学術研究・産学官連携統括本部長は,前項の異議の申立てがあったときは,その当否を決定する。この場合において,学術研究・産学官連携統括本部長は,知的財産統括室,異議を申し立てた職員等又はその他適当と認める者の意見を徴することができる。
3 学術研究・産学官連携統括本部長は,前項の決定をしたときは,異議を申し立てた職員等及び知的財産統括室に通知する。
(持分確認書の提出)
第7条 成果有体物の届出のあった成果有体物について,第三者に有償で提供すると決定したときは,当該成果有体物の作製者は当該成果有体物の提供のための契約日までに,当該成果有体物作製に係る自己の持分について了解したことを示す書面(以下「持分確認書」という。)を機構に提出しなければならない。
2 機構は,持分確認書に必要事項が記載されていることを確認した上で,当該持分確認書を受理するものとする。
(提供及び受入)
第8条 機構は,成果有体物の提供又は受入を決定した場合,その提供又は受入の前に相手方である第三者と当該成果有体物の取扱いを定めた契約書を交わさなければならない。
2 職員等は,成果有体物の提供又は受入に協力しなければならない。
(職員等の責務)
第9条 職員等は,第4条第1項又は第2項に定める届出なしに成果有体物の提供又は受入をしてはならない。
2 職員等は,作製した成果有体物を適正に管理及び取扱いしなければならない。
3 職員等は,第三者から受入をした成果有体物について,受入の条件を遵守して管理及び取扱いしなければならない。
(収入配分)
第10条 機構は,成果有体物の提供により収入を得たときは,東海国立大学機構知的財産等に係る収入配分細則(令和2年度機構細則第60号)に基づき当該収入の配分を行うものとする。
(秘密の保持)
第11条 成果有体物の内容を知り得た職員等及びその契約の内容を知り得た職員等は,知的財産統括室が必要と定める期間,成果有体物の内容及びその契約に関する情報を秘密として管理しなければならない。ただし,当該職員等と知的財産統括室が合意の上公表する場合又はこれらの者の責によらずして公知となった場合は,この限りでない。
(退職後の取扱い)
第12条 職員等が機構に在籍する期間中に作製した成果有体物の取扱いは,当該職員等が機構に在籍しなくなった場合においても,この規程によるものとする。
(雑則)
第13条 この規程に定めるもののほか,機構の成果有体物に関しては,国立大学法人東海国立大学機構知的財産ポリシー(令和2年4月1日制定)に則り処理するものとする。
2 この規程に定めるもののほか,株式又は新株予約権の取扱いに関し必要な事項は,東海国立大学機構知的財産権等の運用又は処分に伴う株式等の取扱細則(令和2年度機構細則第61号)及び東海国立大学機構株式等管理事務取扱細則(令和2年度機構細則第58号)に定めるものとする。
3 前2項に定めるもののほか,この規程の取扱いに関する必要な事項は,別に定める内規によるものとする。
附 則
1 この規程は,令和2年4月1日から施行する。
2 国立大学法人岐阜大学研究成果有体物取扱細則(平成19年度細則第52号。以下「研究成果有体物取扱細則」という。)並びに名古屋大学成果有体物取扱規程(平成16年度規程第97号。以下「成果有体物取扱規程」という。)及び名古屋大学成果有体物取扱規程細則(平成16年度細則第7号)は廃止する。
3 研究成果有体物取扱細則及び成果有体物取扱規程に基づき届出のあった成果有体物は,この規程に基づき届出があったものとみなす。
4 岐阜大学及び名古屋大学が共有する成果有体物については,旧法人の権利持分を作製者の貢献度を乗じた比率により作製者の成果有体物に対する貢献度を決定する。
5 この規程の施行の日前に作製された成果有体物については,この規程の定めるところによる。
附 則(令和5年2月1日機構規程第43号)
この規程は,令和5年4月1日から施行する。