○東海国立大学機構における公益通報者の保護等に関する規程
(令和2年4月1日機構規程第106号) |
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(目的)
第1条 この規程は,東海国立大学機構(以下「機構」という。)における公益通報及び公益通報に係る相談(以下「通報等」という。)への対応に関し必要な事項を定め,もって機構の社会的信頼の維持及び業務運営の公正性の確保に資することを目的とする。
2 機構における通報等の取扱いに関しては,公益通報者保護法(平成16年法律第122号)その他関係法令に定めるもののほか,この規程の定めるところによる。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 公益通報 次条各号に掲げる者(以下「役職員等」という。)が,不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的ではなく,機構又は機構の業務に従事する場合における役員,職員,代理人その他の者について通報対象事実が生じ,又はまさに生じようとしている旨を,機構,当該通報対象事実について処分(命令,取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下この条において同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者(以下「行政機関等」という。)又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み,機構の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。)に通報することをいう。
(2) 公益通報者 公益通報を行った者をいう。
(3) 通報対象事実 法令,機構の規程等に違反し,又は違反するおそれのある行為の事実をいう。ただし,通報対象事実のうち,他の規程等の定めるところにより処理することが適当であると認められるときは,当該規程等の定めるところにより処理する。
(4) 公益通報に係る相談 公益通報の処理の仕組み,法令等の違反行為に該当するかの確認等に関する質問及び相談をいう。
(通報等を行うことができる者)
第3条 この規程において通報等を行うことができる者は,次に掲げる者とする。
(1) 機構の役員及び職員
(2) 労働者派遣契約に基づき機構の業務に従事する派遣労働者
(3) 機構と他の事業者との請負契約その他の契約に基づき機構において業務を行う場合における当該業務に従事する当該他の事業者の役員,労働者又は派遣労働者
(4) 通報の日前1年以内に前3号のいずれかに該当した者
(総括)
第4条 機構における通報等の処理は,監査室長が総括する。
(通報窓口及び公益通報対応業務従事者)
第5条 機構における通報等に対する迅速かつ適切な対応を行うため,通報窓口を置く。
2 通報窓口は,機構外にあっては弁護士事務所(以下「外部窓口」という。)に,機構内にあっては監査室(以下「内部窓口」)という。)に置くものとする。
3 公益通報を受け,当該公益通報に係る通報対象事実の調査をし,その是正に必要な措置をとる業務(以下「公益通報対応業務」という。)に従事する者(以下「公益通報対応業務従事者」という。)は,次に掲げる者をもって充てる。
(1) 監査室長
(2) 監査室の職員
(3) 前項に定める外部窓口の弁護士
(4) その他公益通報ごとに監査室長が必要と認めた者
4 監査室長は,前項第2号から第4号までに定める公益通報対応業務従事者に対し,公益通報対応業務従事者の地位に就くことが当該公益通報対応業務従事者自身に明らかとなる方法により通知するものとする。
5 公益通報対応業務従事者は,公益通報者を特定させる事項を必要最小限の範囲を超えて共有してはならない。
6 公益通報対応業務従事者は,公益通報者又は被通報者と利害関係があると認められるときは,当該通報に係る公益通報対応業務に従事できないものとする。
7 監査室長に公益通報者又は被通報者と利害関係があると認められるときは,当該通報に係る公益通報対応業務については,理事,副理事又は機構長補佐のうちから機構長が指名した者が総括する。
(通報等の受付方法)
第6条 通報等は,通報窓口に対し,原則として,自らの氏名,連絡先及び通報対象事実を明らかにし,所定の通報・相談書を電子メール,ファクシミリ又は郵送により行うことができる。ただし,匿名により通報等を行うことを妨げるものではない。
2 外部窓口への通報等において,公益通報者は,通報等を行った後の手続きにおける氏名の秘匿を希望することができる。
3 通報窓口は,第1項により公益通報を受け付けたときは,直ちに監査室長にその内容を報告するとともに,速やかに受け付けた旨を当該公益通報者に通知しなければならない。ただし,匿名による通報であるため公益通報者への通知が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りではない。
4 通報窓口は,公益通報に係る相談を受けたときは,適切に対応しなければならない。この場合において,当該相談が公益通報に当たり,かつ,当該相談者が公益通報とすることを希望するときは,これを公益通報として受け付け,直ちに監査室長にその内容を報告するとともに,速やかに受け付けた旨を当該相談者に通知しなければならない。ただし,匿名による通報であるため公益通報者への通知が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りではない。
5 監査室長は,前2項により公益通報の報告を受けた場合において,当該公益通報の重大性を考慮し,必要と認めたときは,その内容を機構長に報告するものとする。
6 公益通報対応業務従事者以外の役職員等が,通報等を受けたときは,直ちに通報窓口に連絡するか,又は当該通報等を行った者に対し通報窓口に通報等を行うよう助言しなければならない。
7 通報等を受けた者は,誠実に対応するよう努めなければならない。
(検討の実施)
第7条 監査室長は,前条第3項及び第4項に規定する公益通報の報告を受けたときは,直ちに当該公益通報に係る事実関係について調査を実施するか否かの検討を行うものとする。この場合において,監査室長は,必要に応じて,監事に対し,意見・助言を求めることができる。
2 監査室長は,当該公益通報に係る調査を実施するか否かの検討結果を,通報窓口が公益通報を受けた日から起算して20日以内に,当該公益通報者に対し通知するものとする。この場合において,調査を実施しないこととしたときは,その理由を付して通知する。ただし,匿名による通報であるため公益通報者への通知が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りではない。
(調査の実施)
第8条 監査室長は,前条第1項の検討の結果,公益通報に係る事実関係について調査が必要であると認めたときは,調査の対象となる関係部署に対して関係資料の提出,事実の証明,報告等の要請をするとともに,その他の調査をするために必要な事項を実施することにより,調査を行うものとする。この場合において,監査室長は,必要に応じて,監事に対し,意見・助言を求めることができる。
2 監査室長は,前項の調査に当たって,必要と認めたときは,調査委員会(以下「委員会」という。)を設置することができる。
3 調査は,事実に基づき公正不偏に実施しなければならない。
(調査委員会)
第9条 委員会は,事案ごとに置くものとする。
2 委員会は,監査室長及び監査室長が指名する5名以上の委員で組織する。
3 委員会に委員長を置き,監査室長をもって充てる。
4 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。
5 委員会は,委員の3分の2以上の出席により成立し,議事は,出席者の過半数によって決する。ただし,可否同数のときは,議長の決することによる。
6 委員の任期は,当該事案に関する委員会の任務が終了するまでとする。ただし,任務の途中でやむを得ない事由により,委員を継続することが困難となった場合は,この限りではない。
7 前項ただし書の場合において,委員長は後任者となる者を指名する。
8 委員会が必要と認めたときは,委員以外の者の出席を求め,その意見を聞くことができる。
(協力義務)
第10条 機構の役員及び職員並びに関係部署は,公益通報に係る事実関係の調査に際して協力を求められたときは,当該調査に積極的に協力しなければならない。
2 関係部署は,第8条第1項に規定する関係資料の提出,事実の証明,事実関係,報告等の要請その他調査に必要な事項の実施を求められたときは,正当な理由なく,これを拒否することはできない。
[第8条第1項]
(調査結果の通知)
第11条 監査室長は,事実関係の調査を終えたときは,公益通報者に対し,当該調査の結果を通報窓口を通じて通知するとともに,機構長に対し報告するものとする。ただし,公益通報者に対する通知は,公益通報者が通知を望まない場合,匿名による通報であるため公益通報者への通知が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りではない。
(是正措置等)
第12条 機構長は,事実関係の調査の結果,通報対象事実が明らかとなったときは,役員会の議を経て,是正措置,再発防止措置等(以下「是正措置等」という。)を講じ,又は関係部署の長に対し是正措置等を講じるよう命じなければならない。この場合において,機構長又は関係部署の長は,是正措置等の決定に当たっては,必要に応じて,監事に対し,意見・助言を求めることができる。
2 関係部署の長は,前項の是正措置等を講じたときは,遅滞なく当該是正措置等の内容,是正結果等を機構長及び監査室長に報告するものとする。
3 監査室長は,機構長が第1項の是正措置等を講じたとき,又は前項の報告を受けたときは,公益通報者に対し,是正措置等の内容,是正結果等を通報窓口を通じて通知するとともに,必要と認めた場合は,当該調査及び是正措置等の内容について公表し,又は関係行政機関等に対し通知を行うものとする。ただし,公益通報者に対する通知は,公益通報者が通知を望まない場合,匿名による通報であるため公益通報者への通知が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りではない。
4 機構長,関係部署の長又は監査室長は,公益通報の処理又は是正措置等の決定に際し,監事に意見・助言を求めた場合は,監事に対し,当該公益通報に係る是正措置等の内容,是正結果等を報告するものとする。
5 監事は,必要に応じて,前項の報告に対して意見を述べることができる。
6 機構長は,第2項の規定により講じた是正措置等が適切に機能しているかを確認し,適切に機能していない場合には,当該関係部署の長に対し,改めて是正に必要な措置を講じるよう命じなければならない。
(被通報者等への配慮)
第13条 監査室長は,第11条又は前条第3項の規定による公益通報者への通知,公表又は関係行政機関等への通知をするときは,当該公益通報に係る被通報者(不正を行った,行っている又は行おうとしているとして通報された者をいう。),当該事実関係の調査に協力した者等の名誉,プライバシー等を侵害することのないように配慮しなければならない。
[第11条]
(解雇の禁止)
第14条 機構長は,通報等を行ったこと,公益通報に係る事実関係の調査に協力したこと等を理由として,当該通報等に関係した者(以下「通報者等」という。)について解雇(労働者派遣契約その他契約に基づき機構の業務に従事する者にあっては,当該契約の解除)を行ってはならない。
(不利益取扱い等の禁止)
第15条 役職員等は,通報等を行ったこと,公益通報に係る事実関係の調査に協力したこと等を理由として,通報者等に対して嫌がらせ,不利益な取扱い等をしてはならない。
2 機構長は,通報等を行ったこと,公益通報に係る事実関係の調査に協力したこと等を理由として,通報者等の職場環境が悪化することがないよう,適切な措置を講じなければならない。
3 役職員等は,通報者等の探索を行ってはならない。
4 機構長は,公益通報によって損害を受けたことを理由として,通報者等に対して,賠償を請求することができない。
(不正目的の通報)
第16条 役職員等は,虚偽の通報,他人を誹謗中傷する通報その他不正を目的とする通報等を行ってはならない。
(秘密の保持)
第17条 機構長,関係部署の長,公益通報対応業務従事者その他の通報等にかかわった者は,関係者の名誉,プライバシーその他の人権を尊重するとともに,公益通報の内容,事実関係の調査から得られた個人情報等の知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(役職員等以外の者からの通報等に対する準用)
第18条 学生その他役職員等以外の者からの通報等に対しては,この規程を準用する。
(他の規程等との関係)
第19条 機構長は,この規程に定める調査又は是正措置等の実施に関し,機構が制定した他の規程等の定めるところに委任することができる。
(役職員等への教育及び周知)
第20条 監査室長は,公益通報者保護法及び機構における公益通報の対応体制について,役職員等に教育及び周知しなければならない。
(事務)
第21条 公益通報者の保護等に関する事務は,関係部署の協力を得て,監査室において処理する。
(雑則)
第22条 この規程に定めるもののほか,通報等への対応に関し必要な事項は,別に定める。
附 則
この規程は,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和2年6月30日機構規程第155号)
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この規程は,令和2年7月1日から施行する。
附 則(令和5年4月13日機構規程第4号)
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この規程は,令和5年4月13日から施行し,令和5年4月5日から適用する。
附 則(令和5年11月15日機構規程第22号)
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この規程は,令和5年11月15日から施行する。