○広島大学学生懲戒規則
(平成28年3月7日規則第20号) |
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広島大学学生懲戒規則
(趣旨)
第1条 この規則は,広島大学通則(平成16年4月1日規則第2号)第40条第3項(広島大学大学院規則(平成20年1月15日規則第2号)第41条において準用する場合を含む。)の規定に基づき,学生の懲戒に関し必要な事項を定めるものとする。
(懲戒の種類)
第2条 懲戒の内容は,次の各号に掲げる懲戒の種類に応じ,当該各号に定めるとおりとする。
(1) 訓告 文書により注意を与え,将来を戒めること。
(2) 停学 一定の期間又は期間を定めずに登校を停止させること。
イ 有期の停学 3月未満の停学で,確定期限を付すもの
ロ 無期の停学 3月以上の停学で,確定期限を付さず,指導による効果等の状況を勘案しながらその解除の時期を決定するもの
(3) 退学 学生としての身分を失わせること。
(懲戒の要否等の決定)
第3条 懲戒に相当する行為の存否及び懲戒の処分量定は,学生による事件事故に係る原因行為の悪質性,結果の重大性等を踏まえて,総合的に勘案して決定するものとする。
2 原因行為の悪質性の認否に当たっては,学生の主観的態様,行為の性質,当該行為に至る動機及び事後の対応等を勘案して判断するものとする。この場合において,過去に懲戒を受けた者又は次条に規定する学部等の長の指導を受けた者による事件事故である場合は,より悪質性が高いものとみなす。
3 結果の重大性の認否に当たっては,精神的損害を含めた人身損害の有無及びその程度,物的損害の有無及びその程度,当該行為が社会に与えた影響等を勘案して判断するものとする。
(学部等の長の指導)
第4条 学生による事件事故が懲戒に至らない程度のものである場合は,学部,研究科又は研究科等連係課程実施基本組織 (以下「学部等」という。)の長は,学生に対し,厳重注意その他の指導(以下「学部等の長の指導」という。)を行うことができる。
(懲戒の処分量定の標準例)
第5条 懲戒の処分量定の標準例は,別表のとおりとする。
[別表]
(事件事故の報告)
第6条 学生による事件事故(ハラスメント及び不正受験を除く。)が発生した場合は,当該学生が所属する学部等の長は,速やかに学長に通報するとともに,事実関係の調査を行い,その調査の結果を学長に報告するものとする。
(事実関係の調査)
第7条 学部等の長は,事実関係の調査並びに事件事故に係る事実の存否及び周辺事情の認定に当たっては,原則として,学生から事情聴取を行わなければならない。
2 学生が刑事法上の身柄拘束等をされていることにより,事情聴取を行うことができない場合で,かつ,学部等の長が事情聴取の必要性を認めるときは,事情聴取が可能となるまでの間,前条の調査結果の報告を留保することができるものとする。
3 事実を認定するための証拠が伝聞であり,かつ,学生が異議を述べている場合は,当該学生の供述よりも信用するに足るべき他者の供述が得られた場合など,特別な情況があるときに限り,当該事実があったと認定できるものとする。
(審査会)
第8条 学長は,第6条の規定により報告があった事件事故について,懲戒を検討する必要があると認めるとき(ハラスメントにあっては,広島大学におけるハラスメント等の防止等に関する規則(平成16年4月1日規則第111号)第7条第2項の規定に基づき教育研究評議会(以下「評議会」という。)に付議した事案において,評議会が学生の懲戒が相当と判断したとき)は,学生懲戒審査会(以下「審査会」という。)を設置するものとする。
2 審査会は,副学長(学生支援・ダイバーシティ担当),当該学生が所属する学部等の長及び他の学部等の長若干人で組織するものとし,事件事故の内容に応じて学長が必要と認める者を加えることができる。
3 審査会は,第6条の報告(次項の規定により追加の調査を行った場合は,当該調査の結果の報告を含む。)に基づき,学生への懲戒の要否,懲戒の種類及び懲戒の内容について審査する。この場合において,審査会は,当該学生に対して,口頭又は文書による意見陳述の機会を与えるものとする。
[第6条]
4 審査会は,必要に応じて,学部等の長に対して,当該学部等が行った事実関係の調査及び調査の結果について説明を求め,又は追加の調査を求めることができる。
5 審査会は,審査の結果を文書で学長に報告するものとする。
(審査の結果の通知)
第9条 学長は,前条第5項の報告を受けたときは,審査会の審査の結果を当該学生が所属する学部等の長に通知する。
(学部等における審議)
第10条 学部等の長は,前条の通知があったときは,学生の懲戒について教授会の審議に付すものとする。この場合において,教授会は,当該学生の懲戒について学長に意見を述べるものとする。
(評議会への諮問)
第11条 学長は,審査会の審査の結果及び学部等の教授会の意見の双方又はいずれか一方が学生の懲戒を提案するものであるときは,学生の懲戒について評議会に諮問する。この場合において,評議会は,当該学生に対して,口頭又は文書による意見陳述の機会を与えるものとする。
(懲戒の決定)
第12条 学長は,評議会の審議を踏まえ,学生の懲戒について決定する。
(不正受験の取扱い)
第13条 学部等の長は,学生による不正受験が発覚した場合は,学長に通報するとともに,当該学生の懲戒について教授会の審議に付すものとする。この場合において,教授会は,当該学生の懲戒について学長に意見を述べるものとする。
2 学長は,前項の教授会の意見が学生の懲戒を提案するものであるときは,学生の懲戒について評議会に諮問する。この場合において,評議会は,当該学生に対して,口頭又は文書による意見陳述の機会を与えるものとする。
3 学長は,評議会の審議を踏まえ,学生の懲戒について決定する。
(懲戒の手続)
第14条 懲戒処分は,学生に処分通知書(別記様式第1号)を交付し,又は口頭により通知して行わなければならない。
2 処分通知書の交付を行う際に,これを受けるべき学生の所在を知ることができない場合は,当該学生の最後の住所地を管轄する簡易裁判所に対し民法(明治29年法律第89号)に定める公示の手続を行い,公示された日から2週間を経過したときに処分通知書の交付があったものとみなす。
(懲戒処分の効力)
第15条 懲戒処分の効力は,処分通知書を学生に交付したとき,又は口頭により通知した時点で発生するものとする。
(停学期間)
第16条 停学の期間の計算は,暦に従って計算するものとし,懲戒処分の効力発生日の翌日から起算する。
(無期の停学の解除)
第17条 無期の停学の解除は,学生が所属する学部等の長からの申出により,学長が評議会に諮問して行う。
(停学中の学生指導)
第18条 停学中の学生に対する指導は,学生が所属する学部等が行うものとする。
(停学中の期末試験及び履修登録)
第19条 停学の期間中における期末試験の受験及び履修手続の取扱いについては,次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 停学を開始したターム又は学期の期末試験の受験を認める。ただし,受験資格を満たしていないときは,この限りでない。
(2) 停学の期間中の全ての履修登録を認める。
(告示)
第20条 学長は,学生の懲戒を行ったときは,当該学生及び被害者が特定されるおそれのある内容を除き,原則として,事案の概要,懲戒の種類,処分年月日を懲戒告示(別記様式第2号)により学内に告示するものとする。
(証明書類等への記載の禁止)
第21条 本学が作成する成績証明書その他の証明書類に,懲戒の有無及び学部等の長の指導の有無並びにその内容等を記載してはならない。
2 学生の就職又は進学に際して指導教員その他本学関係者が作成する推薦書類その他の書類に,懲戒の有無及び学部等の長の指導の有無並びにその内容等を記載してはならない。
(守秘義務)
第22条 学生の懲戒に関する事項に関わった職員は,学生の懲戒に関して知り得た情報を正当な理由なく他に漏らしてはならない。
(雑則)
第23条 この規則に定めるもののほか,この規則の実施に関し必要な事項は,別に定める。
附 則
1 この規則は,平成28年4月1日から施行する。
2 広島大学学生懲戒指針(平成16年4月1日学長決裁)及び広島大学学生懲戒指針の運用について(申合せ)(平成22年9月21日学長決裁)は,廃止する。
3 この規則の施行前に発生した学生による事件事故に対する懲戒の適用については,なお従前の例による。
附 則(平成30年3月14日規則第16号)
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この規則は,平成30年4月1日から施行する。
附 則(令和元年5月1日規則第100号)
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この規則は,令和元年5月1日から施行する。
附 則(令和4年4月1日規則第18号)
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この規則は,令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和4年4月1日規則第77号)
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この規則は,令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和5年7月18日規則第192号)
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この規則は,令和5年7月18日から施行し,この規則による改正後の広島大学学生懲戒規則の規定は,令和5年4月1日から適用する。
附 則(令和6年4月1日規則第76号)
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この規則は,令和6年4月1日から施行する。
附 則(令和7年4月1日規則第65号)
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この規則は,令和7年4月1日から施行する。
別表(第5条関係)
懲戒の処分量定の標準例
種類 | 事件事故 | 処分量定 |
犯罪行為等 | 殺人,強盗,不同意性交等,誘拐,放火等の凶悪な犯罪行為 | 退学 |
暴行,傷害,万引きその他の窃盗,横領,恐喝又は詐欺行為 | 退学,停学又は訓告 | |
麻薬,覚せい剤等の薬物犯罪行為(栽培,売買,不正所持又は使用) | 退学又は停学(無期) | |
賭博行為 | 停学又は訓告 | |
性的な迷惑行為(痴漢行為,のぞき見,盗撮行為等),わいせつ行為(公然わいせつ,わいせつ物頒布等),性暴力行為(不同意わいせつ等)又はストーカー行為 | 退学,停学又は訓告。学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する幼稚園,小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校及び特別支援学校並びに就学前の子どもに関する教育,保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条第7項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。)に在籍する幼児,児童若しくは生徒又は18歳未満の者に対して行った場合は,退学又は停学 | |
コンピュータ又はネットワークの不正利用による犯罪行為 | 退学又は停学 | |
交通事故等 | 飲酒運転若しくは暴走運転により相手を死亡させ,又は高度後遺障害等を負わせる人身事故を起こした場合 | 退学 |
飲酒運転又は暴走運転により人身事故(高度後遺障害等を負わせる人身事故を除く。)を起こした場合 | 退学又は停学(無期) | |
無免許運転等悪質な交通法規違反により相手を死亡させ,又は人身事故を起こした場合 | 退学又は停学(無期) | |
飲酒運転,暴走運転又は無免許運転 | 停学 | |
不正受験 | 替え玉受験等の悪質な不正行為 | 退学又は停学 |
カンニング等の不正行為 | 停学又は訓告 | |
監督者の注意又は指示に従わなかった場合 | 訓告 | |
研究活動上の不正行為 | 研究活動におけるねつ造,改ざん又は盗用 | 退学又は停学 |
研究費等の不正使用 | 停学又は訓告 | |
ハラスメント | セクシュアル・ハラスメント行為,アカデミック・ハラスメント行為,パワー・ハラスメント行為又はモラル・ハラスメント行為 | 退学,停学又は訓告 |
非違行為等 | 本学の知的財産を故意に喪失させる行為 | 退学又は停学 |
本学が管理する建造物への不法侵入又はその不正使用若しくは占拠若しくは損壊若しくは失火(結果が重大なものに限る。) | 退学,停学又は訓告 | |
本学の構成員に対する暴力行為,威嚇,拘禁又は拘束 | 退学,停学又は訓告 | |
本学の教育研究又は管理運営を著しく妨げる暴力的行為 | 退学,停学又は訓告 | |
本学が管理する器物の損壊,汚損又は失火(結果が重大なものに限る。) | 停学又は訓告 | |
飲酒を強要し,死に至らしめる等重大な事態を生じさせた場合 | 退学又は停学 | |
飲酒を強要し,急性アルコール中毒等の被害を生じさせた場合 | 停学又は訓告 | |
20歳未満の者に対する飲酒若しくは喫煙を強要又は助長する行為 | 停学又は訓告 | |
授業,実習,研修等で知り得た個人情報の漏えい,紛失等の不適切な取扱い | 停学又は訓告 | |
人を教唆して事件事故を実行させた場合又は人の事件事故を幇助した場合 | 退学,停学又は訓告 | |
その他,本学の信用を著しく失墜させる行為 | 退学,停学又は訓告 |