○国立大学法人新潟大学におけるハラスメントの防止等に関する規程
(平成28年3月28日規程第21号) |
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(趣旨)
第1条 この規程は,国立大学法人新潟大学(以下「本学」という。)におけるハラスメントの防止及びハラスメントが生じた場合に適切に対応するための措置(以下「ハラスメントの防止等」という。)に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 職員 本学に勤務するすべての者をいう。
(2) 学生等 本学の学生,科目等履修生,研究生,特別聴講学生等をいう。
(3) 関係者等 学生等の保護者等及び関係業者をいう。
(4) 部局 各学系,各学部(教育学部にあっては,養護教諭特別別科を含む。),各研究科,医歯学総合病院,各附属学校,各学部等附属の教育研究施設,各附置研究所,各全学共同教育研究組織,各機構,各本部,附属学校部,事務局各部,各事務部及び監査室をいう。
(5) 部局長 部局の長をいう。
(6) 相談者 第6条第1項に規定するハラスメント相談員に対して,ハラスメントに関する相談(以下「ハラスメント相談」という。)を行った者をいう。
[第6条第1項]
(7) 当事者 ハラスメントを受けたと申し出た者及びその相手方をいう。
(8) 申出事案 ハラスメント相談のうち,第10条第1項に規定するハラスメント委員会による対応の申し出がなされた事案をいう。
[第10条第1項]
2 この規程において,「ハラスメント」とは,次の各号に掲げる行為の総称をいう。
(1) セクシュアル・ハラスメント 相手の意に反する性的な言動又は性別による差別的言動により,相手に身体的若しくは精神的苦痛若しくは不利益を与え,又は教育上,研究上,就労上及び修学上の環境を悪化させること。
(2) アカデミック・ハラスメント 教育上若しくは研究上の地位又は人間関係などの優位性を背景に,その立場又は職務権限を濫用し,教育,研究の適正な範囲を超えて,劣位にある相手に対して不適切な言動又は差別的な取扱いを行うことにより,相手に身体的若しくは精神的苦痛若しくは不利益を与え,又は教育上,研究上,就労上及び修学上の環境を悪化させること。
(3) パワー・ハラスメント 職務上の地位又は人間関係などの優位性を背景に,その立場又は職務権限を濫用し,業務の適正な範囲を超えて,劣位にある相手に対して不適切な言動又は差別的な取扱いを行うことにより,相手に身体的若しくは精神的苦痛若しくは不利益を与え,又は教育上,研究上,就労上及び修学上の環境を悪化させること。
(4) 妊娠・出産・育児・介護に関するハラスメント 妊娠・出産・育児・介護に関する制度や措置の利用を阻害する不適切な言動又は差別的な取扱いを行うことにより,相手に身体的若しくは精神的苦痛若しくは不利益を与え,又は教育上,研究上及び就労上の環境を悪化させること。
(5) その他のハラスメント 前4号に規定するハラスメントに準ずる行為
(職員及び学生等の責務)
第3条 職員及び学生等は,いかなるハラスメントもしてはならない。
(学長の責務)
第4条 学長は,本学におけるハラスメントの防止等について,最終責任を負う。
2 学長は,職員及び学生等に対し,この規程の周知徹底を図らなければならない。
3 学長は,ハラスメントの防止等を図るため,職員及び学生等に対し,パンフレットの配布,ポスターの掲示等により啓発を行うよう努めるとともに,職員に対し,ハラスメントに関する基本的事項や職員に求められる役割等について理解させるため,必要な研修を実施するものとする。
(部局長の責務)
第5条 部局長は,教育上,研究上,就労上及び修学上の環境を確保するため, 次の各号に掲げる事項に注意してハラスメントの防止に努めるとともに,ハラスメントが生じた場合には,適切かつ速やかに対処しなければならない。
(1) 日常の職務を通じて,ハラスメントに関し職員又は学生等への注意を喚起し,ハラスメントに関する認識を深めさせること。
(2) 職員又は学生等の言動に十分な注意を払い,ハラスメントが生じることがないように配慮すること。
(ハラスメント相談員)
第6条 学長は,ハラスメント相談に当たるため,本学にハラスメント相談員(以下「相談員」という。)を置く。
2 相談員は,次に掲げる者とする。
(1) 各学系,各学部,各研究科,医歯学総合病院,各附置研究所,各機構及び各本部から選出された大学教育職員 男女各1人(事情により男女各1人の選出が困難な場合は同性2人。次号において同じ。)
(2) 新潟地区及び長岡地区から選出された附属学校教育職員 男女各1人
(3) 総務部労務福利課長
(4) 学務部学生支援課長
(5) 医歯学総合病院看護部副看護部長
(6) その他学長が適当と認める者
3 前項第1号及び第2号に規定する相談員の数は,職員及び学生等からの相談に適切に対応することが困難な場合,若干人増員することができる。
4 第2項第1号,第2号及び第6号に規定する相談員は,学長が委嘱する。
5 第2項第1号,第2号及び第6号に規定する相談員の委嘱期間は2年とし,再委嘱を妨げない。ただし,相談員に欠員が生じた場合の後任者の委嘱期間は,前任者の委嘱期間の残りの期間とする。
6 学長は,第2項各号に規定する相談員のほか,カウンセリング等の専門家を相談員として委嘱することができる。
7 学長は,ハラスメント相談の受付体制,相談員等について,職員及び学生等に対して周知するものとする。
(相談員の任務)
第7条 相談員の任務は,次の各号に掲げる事項とする。
(1) ハラスメント相談に応じること。
(2) 受け付けたハラスメント相談の内容等について,相談者の同意を得て,所定の別記様式により委員長に報告すること。
[別記様式]
(ハラスメント相談)
第8条 本学における職員,学生等及び関係者等からのハラスメント相談に対応するための窓口は,次のとおりとする。
(1) 第6条第2項各号に掲げる相談員
[第6条第2項各号]
(2) 第6条第6項に掲げる相談員
[第6条第6項]
2 ハラスメント相談は,前項各号のいずれの窓口に対しても行うことができる。
(対応方法の申出等)
第9条 申出事案の相談者は,次の各号に掲げるハラスメント委員会の対応方法のうち,いずれかの希望する対応方法を選択する。
(1) 通知 相談者の意向に基づき匿名又は顕名とし,相手方に対してハラスメント相談があったことを通知する方法
(2) 調整 相談者の意向に基づき匿名又は顕名とし,相談者及び相手方の申出事案に関する主張を公平な立場で調整する方法
(3) 調査 相談者は顕名とし,事実関係の公正な調査に基づき,ハラスメントの有無を認定し,適切な措置等を講ずる方法
2 相談者は,前項の規定により選択した対応方法が不調に終わった場合は,前項各号に規定する別の対応方法への変更を申し出ることができる。
3 相談者は,ハラスメント委員会が申出事案の対応を継続している間は,いつでも書面をもって申出事案の取り下げをすることができる。
(ハラスメント委員会)
第10条 本学にハラスメントの防止等のため,ハラスメント委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は,次の各号に掲げる事項を所掌する。
(1) ハラスメントの防止等に係る企画及び立案に関すること。
(2) 申出事案におけるハラスメントの有無の認定及び必要な措置等に関すること。
(3) ハラスメントの防止等に係る研修に関すること。
(4) その他ハラスメントの防止等に関すること。
3 委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1) 理事又は副学長のうちから学長が指名する者 2人
(2) 各学系長
(3) 医歯学総合病院長
(4) 脳研究所長
(5) 学部又は研究科の担当を命ぜられている大学教育職員のうちから学長が指名する者 3人
(6) 学務部長
(7) 事務部長のうちから学長が指名する者 1人
(8) その他学長が特に必要と認める者
4 前項第5号,第7号及び第8号の委員の委嘱期間は2年とし,再委嘱を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合の後任者の委嘱期間は,前任者の委嘱期間の残りの期間とする。
5 委員会に委員長を置き,第3項第1号の者をもって充てる。
6 委員会の委員長(以下「委員長」という。)は,委員会を招集し,その議長となる。
7 委員長に事故があるときは,委員長があらかじめ指名した者がその職務を 代理する。
8 委員長は,ハラスメント相談員からハラスメント相談の報告を受けた場合において,その内容が申出事案であるときは,当該申出事案の発生,態様等について学長に報告するものとする。この場合において,相談者から前条第1項第3号に規定する対応方法の申出があった場合は,速やかに委員会を招集し,当該申出事案に係る具体的な対応について審議する。
9 前項の場合において,報告を受けたハラスメント相談のうち,ハラスメントを受けたとする者の相手方が学生等である場合は,委員長は,速やかに当該学生等が所属する部局の長にその旨を報告するものとする。
10 第8項の規定により委員会を招集する場合において,調査の公平性・中立性を確保する観点から,当該申出事案の当事者及び当事者との間において特別な利害関係がある者が委員であると委員長が認めるときは,当該委員は審議に加わることはできない。
11 委員会は,委員(前項の委員を除く。)の3分の2以上の出席がなければ,議事を開き,議決することができない。
12 委員会の議事は,出席した委員の過半数の賛成をもって決し,可否同数のときは,委員長の決するところによる。
13 委員長が必要と認めるときは,委員以外の者の出席を求め,その意見を聴くことができる。
(通知及び調整の対応)
第11条 委員会は,相談者から第9条第1項第1号又は第2号に規定する対応方法の申出があった場合において,必要があると認めるときは,当該対応方法を進めるため,事案毎に当該事案を処理するに適当と認める者(以下「対応者」という。)を複数人指名することができる。
2 対応者は,相談者から第9条第1項第1号に規定する対応方法の申出があった場合は,相談者からの申出内容を確認し,文書により相手方に対してハラスメント相談があったことを通知するとともに,相談者に対して相手方に通知した旨を連絡するものとする。
3 対応者は,相談者から第9条第1項第2号に規定する対応方法の申出があった場合は,相談者及び相手方の申出事案に関する主張を確認し,これを他方に伝達するとともに,双方に助言を与え,意見を調整するものとする。
4 対応者は,申出事案の対応が終了したときは,速やかに委員長に対応結果を報告するものとする。
5 委員長は,前項の報告があったときは,対応結果を委員会に報告する。
(調査委員会)
第12条 委員会は,相談者から第9条第1項第3号に規定する対応方法の申出があった場合において,必要があると認めるときは,事実関係等の調査及びハラスメントの有無の審査並びに講ずべき措置等の検討をさせるため,事案毎に調査委員会を設置することができる。
2 調査委員会に調査委員長を置き,部局長のうちから,委員長が当該事案を処理するに適当と認める者をもって充てる。
3 調査委員長は,調査委員会の委員(以下「調査委員」という。)を指名し,調査委員会の調査を掌理する。
4 委員長及び調査委員長は,調査の公平性・中立性を確保する観点から,当該事案の当事者との間に特別な利害関係があると認められる者を調査委員長及び調査委員として指名することはできない。
5 当事者は,正当な理由なく調査を拒むことはできない。
6 調査委員長は,当事者に対して,口頭又は書面で陳述する機会を与えなければならない。
7 調査委員長は,調査が終了したときは,当該事案に係る事実関係(当事者の氏名及び所属,ハラスメントの発生日時及び態様その他参考となる事項等)及びハラスメントの有無の審査結果並びに講ずべき措置等の検討結果について,速やかに委員長に報告するものとする。
(ハラスメントの有無の認定及び必要な措置等)
第13条 委員会は,前条第7項による報告があったときは,当該調査結果等をもとにハラスメントの有無を認定するとともに,講ずべき措置等について審議を行うものとする。
2 委員長は,前項の認定及び審議が終了したときは,当該申立事案に関する委員会における審議の結果等について,関係資料を添えて速やかに学長に報告するものとする。
3 委員長は,第1項によるハラスメントの有無の認定結果を,当事者及び関係部局長に通知するものとする。
4 学長は,第2項の報告に基づき,必要と認めた場合は,関係部局長に対し,適切な措置等を講ずるよう指示するものとする。
(不服申立て)
第14条 当事者は,認定結果に不服があるときは,前条第3項の規定による通知を受理した日の翌日から起算して14日以内に,委員会に対して不服申立てをすることができる。
2 前項の不服申立ては,理由を付した書面をもって行うものとする。
3 委員会は,前項の不服申立てについて調査が必要と認めた場合は,再調査を行うものとする。
4 再調査後の審査及び認定結果の通知は,前条第1項及び第3項の規定を準用する。
(緊急措置)
第15条 委員長は,第10条第8項によるハラスメント相談員からの報告について,直ちに対応が必要と判断した場合は,関係部局長に対し適切な措置等を講ずるよう指示することができる。
[第10条第8項]
2 関係部局長は,前項の指示があったときは,これに従い適切な措置等を講ずるものとする。
(人権の尊重及び守秘義務)
第16条 ハラスメント委員会委員,相談員,調査委員会委員,関係部局長及びその他ハラスメントの解決に向けた手続き等に関与する者又はこれらの職にあった者は,当事者及び関係者のプライバシー,名誉その他の人権等を尊重するとともに,当該ハラスメント相談,事実関係等の調査等に際して知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(不利益取扱いの禁止)
第17条 学長,理事,部局長,その他職員及び学生等は,ハラスメント相談をし,若しくは当該相談に係る調査,ハラスメントの防止のために協力若しくは正当な対応をした職員又は学生等に対し,そのことをもって不利益な取扱いをしてはならない。
(懲戒等の処分)
第18条 学長は,第13条第1項の審議の結果,ハラスメントがあったと認定された申出事案について,ハラスメントを行った者が職員である場合には,当該職員に対し,その加害の程度等に応じて,国立大学法人新潟大学職員の懲戒等に関する規程(平成16年規程第82号)に基づく懲戒等の処分を行うことができる。
2 学生等のハラスメントに係る懲戒等については,新潟大学学生の懲戒に関する規程(平成27年規程第7号)に定めるところによる。
(事務)
第19条 ハラスメントの防止等に係る事務は,総務部において処理する。
(雑則)
第20条 この規程に定めるもののほか,ハラスメントの防止等に関し必要な事項は別に定める。
附 則
1 この規程は,平成28年4月1日から施行する。
2 新潟大学におけるセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規程(平成16年規程第95号。以下「セクシュアル・ハラスメント防止規程」という。)は廃止する。
3 この規程の施行日より前にセクシュアル・ハラスメント防止規程により対応を開始したハラスメント相談については,この規程の施行日以降,第7条に規定するハラスメント相談として取り扱う。
附 則(平成28年12月27日規程第92号)
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この規程は,平成29年1月1日から施行する。
附 則(平成30年3月27日規程第22号)
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この規程は,平成30年4月1日から施行する。
附 則(平成30年9月27日規程第78号)
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この規程は,平成30年10月1日から施行する。
附 則(平成31年3月27日規程第67号)
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この規程は,平成31年4月1日から施行する。
附 則(令和元年6月28日規程第98号)
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この規程は,令和元年6月28日から施行する。
附 則(令和2年3月27日規程第48号)
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この規程は,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和3年3月23日規程第33号)
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この規程は,令和3年4月1日から施行する。