○新潟大学エックス線障害防止に関する規程
(令和4年11月28日規程第142号) |
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(趣旨)
第1条 この規程は,新潟大学放射線障害防止に関する規程第12条,労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)及び電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)に基づき,新潟大学(以下「本学」という。)における研究及び教育に関するエックス線装置並びに電子顕微鏡の使用による放射線障害(以下「エックス線障害」という。)の防止に関する事項を定めるものとする。
(エックス線障害の防止に関する事項の審議)
第2条 エックス線障害の防止に関する全学的な事項は,本学エックス線障害安全管理委員会(以下「管理委員会」という。)において審議するものとする。
2 前項の管理委員会に関し,必要な事項は別に定める。
(定義)
第3条 この規程において,次の各号に掲げる用語の定義は,当該各号に定めるところによる。
(1) エックス線装置 定格管電圧が10キロボルト以上のエックス線を発生する装置及び100万電子ボルト未満のエネルギーを有するエックス線発生装置(診療用エックス線装置を除く。)をいう。
(2) 電子顕微鏡 定格加速電圧が100キロボルト以上の電子顕微鏡をいう。
(3) 部局等 教育学部,理学部,医学部,歯学部,工学部,農学部,自然科学研究科,保健学研究科,医歯学総合研究科,脳研究所,災害・復興科学研究所及び研究統括機構をいう。
(4) 管理部局 エックス線装置を設置して研究教育を行う部局等をいう。
(エックス線作業主任者)
第4条 管理部局の長は,第9条に規定する管理区域ごとにエックス線作業主任者(以下「作業主任者」という。)を配置し,電離則第47条第1項各号に規定する業務を行わせなければならない。
[第9条]
2 前項に規定する作業主任者は,電離則第48条第1項各号に規定するエックス線作業主任者免許を有する者のうちから管理部局の長の推薦に基づき,学長が指名する。
(装置管理責任者)
第5条 管理部局の長は,それぞれのエックス線装置又は電子顕微鏡ごとに装置管理責任者(以下「管理責任者」という。)を置かなければならない。同室に複数のエックス線装置又は電子顕微鏡を設置してあるときには,当該室ごとに置くことができる。
2 管理責任者は,自らが管理するエックス線装置又は電子顕微鏡について,エックス線障害の防止に関する責任を有する。
3 管理責任者は,当該装置の取扱等業務に従事したことがあり,十分な知識を有すると管理部局の長が認めた者のうちから,管理部局の長が指名する。
(作業主任者の職務)
第6条 作業主任者は,管理区域におけるエックス線障害の防止に関する次に掲げる業務を統括する。
(1) エックス線障害の防止に関する諸規程等の策定及び改廃に関すること。
(2) エックス線障害の防止に関する重要な計画の策定に関すること。
(3) 法令に基づく申請,届出,点検及び報告に関すること。
(4) 立入検査等に関すること。
(5) 異常及び事故の原因調査に関すること。
(6) エックス線装置又は電子顕微鏡の使用方法等に関すること。
(7) 施設,帳簿,書類等の監査に関すること。
(8) 関係者に対する指導・助言,勧告及び指示に関すること。
(9) その他エックス線障害の防止に関し必要な事項
2 作業主任者は,エックス線障害の防止に関する事項について,必要に応じて管理部局の長に意見を述べることができる。
3 作業主任者は,エックス線障害の防止に関する事項について,必要に応じて管理委員会の開催を求めることができる。
(管理責任者の職務)
第7条 管理責任者は,エックス線障害の防止に関する業務を処理し,エックス線装置又は電子顕微鏡の取扱等業務に従事する者(以下「従事者」という。)の指導,監督等を行う。
2 管理責任者は,管理委員会の指示の下に,作業主任者と協力して,エックス線障害の防止に関する必要事項の周知及び遵守の徹底を図る。
(従事者の登録と責務)
第8条 従事者になろうとする者は,その旨を当該装置の管理責任者の許可を得て,エックス線装置使用届(別記様式第1号)により管理部局の長に届け出なければならない。
2 管理部局の長は,前項の届け出に基づき,従事者名簿に登録するものとする。
3 前項の登録を受けようする者は,第16条に規定する教育及び訓練並びに第17条に規定する健康診断を受けなければならない。
4 従事者は,エックス線装置又は電子顕微鏡を使用するときは,管理責任者又は作業主任者の指示に従わなければならない。
5 従事者は,エックス線装置又は電子顕微鏡を使用する際には,自他の受ける線量を最少に止めるよう十分な注意を払わなければならない。
6 従事者は,第9条に規定する管理区域に立ち入る際には,ガラスバッジ,ポケット線量計等の放射線測定器を装着しなければならない。
[第9条]
(管理区域)
第9条 管理部局の長は,エックス線装置に係るエックス線障害の防止のため,外部放射線による実効線量が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある場所を管理区域として指定し,当該区域を標識により明示しなければならない。次に掲げる構造をすべて有しているエックス線装置にあっては,当該装置の内部を管理区域とする。
(1) 装置の外側表面における外部放射線による実効線量が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えないように遮へいされたエックス線照射ボックスを有している構造であること。
(2) エックス線照射ボックスの扉が閉じられた状態でなければエックス線が照射されないようなインターロックを有している構造であること。
(3) 前号のインターロックを容易に解除することができない構造であること。
2 前項に該当しないエックス線装置であっても,当該装置の適正な使用のため,作業主任者を選任し,かつ,当該装置の安全装置等を有効に保持しながら従事者の手指等が装置内に入らないよう必要な措置を講じた場合には当該装置の内部を管理区域とすることができる。
3 作業主任者は,次に掲げる者以外の者を前2項に規定する管理区域に立ち入らせてはならない。
(1) 従事者として第8条に基づき登録された者
[第8条]
(2) 見学等で一時立入者として作業主任者が認めた者
(エックス線装置の設置等)
第10条 エックス線装置は,専用のエックス線装置室内に設置しなければならない。エックス線装置の外側における外部放射線による1センチメートル線量当量率が20マイクロシーベルト毎時を超えないように遮へいされた構造のエックス線装置を設置する場合又はエックス線装置を随時移動させて使用しなければならない場合その他エックス線装置をエックス線装置室内に設置することが著しく使用の目的を妨げ,若しくは作業の性質上困難である場合には,この限りでない。
2 管理部局の長は,エックス線装置及びエックス線装置室(以下「エックス線装置等」という。)を設置し,又は移転し,若しくはエックス線装置の主要構造部を変更しようとするときは,設置,移転又は変更予定日の40日前までにエックス線装置等届(別記様式第2号)を学長に提出しなければならない。
3 管理部局の長は,エックス線装置等を廃止したときは,遅滞なくエックス線装置等廃止届(別記様式第3号)を学長に提出しなければならない。
(エックス線装置又は電子顕微鏡の保守,点検等)
第11条 管理部局の長は,管理責任者に対し,別表に掲げる項目について,定期的にエックス線装置又は電子顕微鏡の点検を行わせるものとする。
[別表]
2 前項の点検は,エックス線装置又は電子顕微鏡の設置(設置場所を変更した場合も含む。),改造又は安全性にかかわる修理等を行った場合に当該装置を初めて使用するとき及びその後6月を超えない期間ごとに1回行うものとする。
3 管理責任者は,第1項の点検を終えたときは,次に定める項目について記録し,点検後5年間保存するとともに,点検の都度その結果を管理部局の長に報告しなければならない。
(1) エックス線装置の点検の実施年月日,結果及びこれに伴う措置の内容
(2) 点検を行った者の氏名
(従事者の線量の測定)
第12条 管理部局の長は,従事者及び業務上管理区域に立ち入る者(以下「従事者等」という。)の外部被ばくによる線量を測定しなければならない。
2 前項に規定する外部被ばくによる線量の測定は,従事者等が管理区域に立ち入っている間,継続して,次に定めるところにより行わなければならない。
3 前2項に規定する測定並びにこれらの測定の結果に基づく実効線量及び等価線量の算定は,電離則第8条第3項の規定に基づき厚生労働大臣が定める限度及び方法によっては行うものとする。
4 前項による実効線量の算定の結果,一の年度についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は,当該年度以降は,当該年度を含む5年の累積実効線量を当該期間中毎年度集計するものとする。
5 測定及び算定の結果は,所定の記録簿に記録して,これを30年間保存しなければならない。
(従事者等の実効線量及び等価線量の限度)
第13条 管理部局の長は,従事者等には,電離則第4条から第7条までに規定する実効線量及び等価線量の限度を超える放射線を受けさせてはならない。
(作業環境測定)
第14条 管理部局の長は,管理区域について,1月以内(エックス線装置を固定して使用する場合において使用の方法及び遮へい物の位置が一定しているときは,6 月以内)ごとに1回,定期に,外部放射線による線量当量率又は線量当量を放射線測定器を用いて測定し,その都度,次に掲げる事項を記録し,これを5年間保存しなければならない。
(1) 測定日時
(2) 測定方法
(3) 放射線測定器の種類,型式及び性能
(4) 測定箇所
(5) 測定条件
(6) 測定結果
(7) 測定を実施した者の氏名
(8) 測定結果に基づいて実施した措置の概要
2 前項の線量当量率又は線量当量は,放射線測定器を用いて測定することが著しく困難なときは,同項の規定にかかわらず計算により算出することができる。
3 第1項の測定又は前項の計算は,1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について行うものとする。管理区域のうち,70マイクロメートル線量当量率が1センチメートル線量当量率の10倍を超えるおそれがある場所又は70マイクロメートル線量当量が1センチメートル線量当量の10倍を超えるおそれのある場所においては,それぞれ70マイクロメートル線量当量率又は70マイクロメートル線量当量について行うものとする。
4 管理部局の長は,第1項の測定又は第2項の計算による結果を,見やすい場所に掲示し,管理区域に立ち入る者に周知しなければならない。
(作業環境測定に基づく措置)
第15条 管理部局の長は,前条の測定の結果,異常を認めたとき又は改善措置の必要が認められたときは,その状況に応じて,当該エックス線装置及び管理区域におけるエックス線障害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
(教育及び訓練)
第16条 管理部局の長は,エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務に従事させる者に対して,次の各号に定める科目について,安衛法及び電離則に定める時間数以上の教育及び訓練を実施しなければならない。(1)透過写真の撮影の作業の方法(2)エックス線装置の構造及び取扱いの方法(3)電離放射線の生体に与える影響(4)労働安全衛生法,電離則その他の関係法令
2 管理部局の長は,前項の規定にかかわらず,同項に掲げる科目の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認める者については,当該科目についての教育及び訓練を省略することができる。
3 管理部局の長は,第1項の教育及び訓練を行ったときは,受講者,科目等の記録を作成して,これを5年間保存しておかなければならない。
(健康診断)
第17条 学長は,従事者に対し電離放射線健康診断を受けさせなければならない。
2 前項の電離放射線健康診断は,電離則第56条第1項各号に規定するものについて行うものとする。
3 第1項の電離放射線健康診断は,初めて管理区域に立ち入る前及びその業務に従事した後6月を超えない期間ごとに1回行うものとする。
4 第1項の電離放射線健康診断の結果は,電離則57条に規定する電離放射線健康診断個人票を作成し,これを永年保存しなければならない。
(健康診断結果報告)
第18条 学長は,従事者に対して第17条の健康診断を行ったときは遅滞なく,電離則第58条に規定する電離放射線健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
[第17条]
(健康診断等に基づく措置)
第19条 管理部局の長は,第17条の健康診断の結果,放射線による障害が生じており,若しくはその疑いがあり,又は放射線による障害が生ずるおそれがあると認められる者については,その障害,疑い又はおそれがなくなるまで,被ばく時間の短縮,作業方法の変更等健康の保持に必要な措置を講じなければならない。
[第17条]
(緊急時の措置)
第20条 従事者は,著しくエックス線にさらされ又はさらされるおそれのある不測の事態が生じた場合は,直ちに適切な措置を講ずるとともに作業主任者又は管理責任者又は部局等の教員(研究室等を管理する教授又は准教授等をいう。以下同じ。)に通報しなければならない。
2 作業主任者,管理責任者又は部局等の教員は,前項の通報を受けたときは,直ちに必要な措置をとり,管理部局の長に報告するものとする。
3 管理部局の長は,前項の報告を受けた時は,直ちに学長に報告するものとする。また,次の事項を記録し,これを5年間保存しなければならない。
(1) 事故の発生した日時及び場所
(2) 事故の原因及び状況
(3) エックス線による障害の発生状況
(4) 応急的に講じた措置の内容
(緊急時等の診察又は措置)
第21条 管理部局の長は,次の各号のいずれかに該当する者に対しては,直ちに医師の診察又は治療を受けさせなければならない。
(1) 前条第1項に規定する場合において,著しくエックス線にさらされ,又はさらされたおそれのある者
(2) 第13条に定める実効線量の限度又は等価線量の限度を超えて被ばくした者
[第13条]
(再発防止の措置)
第22条 学長は,事故の報告を受けた時は,その原因究明及び再発防止のために必要な方策の検討を行い,管理部局の長に対し,当該エックス線装置の使用の停止,使用方法の改善又は従事者等の再教育の実施等必要な措置を講じることを命じるものとする。
(雑則)
第23条 この規程に規定するもののほか,エックス線障害の防止に関し必要な事項は,学長が別に定める。附 則この規程は,令和4年12月1日から施行する。
附 則
この規程は,令和4年12月1日から施行する。
附 則(令和5年3月28日規程第70号)
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この規程は,令和5年4月1日から施行する。
別表(第11条関係)
項目 |
1 エックス線装置の異常又は損傷の有無 |
2 エックス線装置室の適否 |
3 管理区域の適否 |
4 漏洩放射線の有無及びその線量又は線量率 |